スウェーデン環境省 プレスリリース 2009年1月15日
 スウェーデン政府 水銀の全ての使用を禁止

情報源:Ministry of the Environment Press release 15 January 2009
Government bans all use of mercury in Sweden
http://www.sweden.gov.se/sb/d/11459/a/118550

訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年9月15日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/EU/090115_mercury_ban_Sweden.html


 スウェーデン政府は本日、水銀の全面的な禁止を導入することを決定した。この禁止は、歯科における詰め物用アマルガムの使用はやめ、水銀を含有する製品をスウェーデンの市場に投入することはもはや許されないことを意味する。

 ”スウェーデンは現在、水銀を市場から排除し環境を守る方向に進んでいる。この禁止は他の国に対する強いメッセージであり、スウェーデンが水銀使用と放出を削減するというEU及び国連の目的に寄与するものである”と環境大臣アンドレアス・カールグレンは述べている。

 政府の決定は、水銀を含有している製品はスウェーデンの市場に出すことができなくなることを意味する。このことは、歯科治療、化学分析、及び塩素アルカリ産業では水銀を使用することはできず、実際に代替技術で対応しなくてはならないことを意味する。スウェーデン化学物質庁は個々のケースで例外又は免除に関する規定を発出するであろう。

 政府の決定に関連して、水銀を含有する廃棄物は他の諸国の深い地下にある保管所で処分されるであろう。スウェーデンの有害廃棄物市場は小さい。昨春、政府の調査により、例えば、ドイツにはスウェーデンの法律が求める以上に安全要求を適切に満たす水銀含有廃棄物のための既存の保管所があることがわかった。新たにスウェーデンに保管施設を作ることにすると、EUにある既存の施設に保管するよりも約15倍コストがかかる。このことについて協議した関連組織はこの調査結果に同意した。

 ”EUにおける共通の解決とほぼ40年にわたる水銀保管の経験を用いることによって、我々は安全基準を下げなくてすむ。廃棄物は高い基準をもった深い地下の保管所に移送される。汚染者負担の原則によれば、廃棄物の所有主は、保管所での処分が取り決められ、それに対してきちんと支払いが行われることを確実にする責任がある”とカールグレン大臣は述べた。

 他のEU諸国での処分の可能性は、水銀を含有する廃棄物を安定化する安全で大規模な技術の望ましい開発を推進するためにより良い動機付けとなる。

 1990年代の初め以来、温度計や他の測定機器及び電子機器用部品を含んで、水銀を含有するある種の製品の製造と販売は禁止されている。

 新たな規制は2009年6月1に発効する。


訳注:EU関連記事
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化学物質問題市民研究会
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