SAICM/ICCM.2/10/Add.1 2009年4月6日
第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)
SAICM 新規の政策課題
アメリカによる提案
過フッ素化合物(PFCs)の管理と代替物質への移行
共同行動案と決議案


情報源:
International Conference on Chemicals Management Second session
SAICM/ICCM.2/INF/49 / 4 May 2009
SAICM: emerging policy issues
Submission by the United States of America
Managing Perfluorinated Chemicals (PFCs) and
Transitioning to Alternatives
http://www.saicm.org/documents/iccm/ICCM2/meeting%20documents/
ICCM2%20INF49%20US%20on%20PFCs.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年5月17日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm/ICCM_PFCs_by_USA

過フッ素化合物(PFCs)の管理と代替物質への移行
共同行動案

はじめに

 共同行動案は、2009年2月12〜13日に開催された過フッ素化合物(PFCs)の管理とより安全な代替物質への移行に関する国際ワークショップから生じたものである。それらはまた、2006年11月にスウェーデンで開催されたパーフルオロカルボン酸(PFCAs)とその先駆物質に関する2006年OECDワークショップからの勧告を補足するものである。これらのOECD勧告の多くは現在実施中であるが、ICCM2の参加者のために国際的な行動としてそれらを補足する必要がある。(追加情報としては、情報文書(INF)とワークショップ〜のその他の背景を参照のこと)

共同行動案

  1. 懸念ある関連過フッ素化合物(PFCs)の排出とそれらの製品含有の削減と廃絶に向けた自主的な国及び国際的なPFCスチュワードシップ・プログラムを開発し実施すること。

  2. 下記に関する情報交換を行うこと。
    • もっと容認可能で、経済的に実行可能な代替物とそれらの使用。
    • 技術移転。
    • 人の健康と環境に関する潜在的な影響とともに、規制措置、自主的プログラム、監視、排出、暴露、環境的運命、及び移動。

  3. 現在行われている関連作業と情報収集の実施へ貢献すること。たとえば、最近開発された”PFOS、PFOA、及びそれらの関連物質及びそれらを含有する製品/混合物に関する製品含有及び環境排出情報についてのOECD調査”、及び関連する措置と活動 (添付 Annex 参照)。

  4. 残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約加盟国はまた、条約にリストするための科学的基準に合致する関連 PFCs を推薦したいと望むかもしれない。


 ICCM2 の参加者が PFCs に関する共同行動を支持し遂行するために、いくつかの選択肢がある。

  1. 最低限、PFCs ワークショップ参加者、PFCsサイドイベント参加者、及びICCM2 参加者は、新規の政策課題に関する総会議題の討議の時にその支持を表明することができ、また別途にそのような行動をフォローし協力することもできる。

  2. 支持者はまた、会議がそれらの参照文書を新規の政策課題に関する会合と必要な議論の報告書リストに含めることにより、これらの行動のための支持を認めることを提案することができる。

  3. より強い選択肢は、会議がまた、PFCsに関する決議案に従うことを是認することを検討することである(Annex 1/決議案 参照)。

  4. 最後に、会議はそのような共同行動を世界行動計画にリストされる行動に加える(Annex 2)ことを検討することを望むかもしれない。その理由は、それらはエグゼクティブ・サマリー(Article 8)に含まれる記述で支持されており、一方いくつかの新規の政策課題は世界行動計画にリストされている相応の行動をすでに含むかもしれないので、まだリストされていない他の項目を含むことは適切であろうということである。
     PFCs に関する背景文書を支持することは、世界行動計画に加えるために、行動を将来、検討する仕方についての他の提案を間違いなく満たすものであり、新規の政策課題を世界行動計画に加えるというこの意見は、他のより広範な課題又は他の活動に関連する手続きに不利益をもたらさないということに留意すべきである。


過フッ素化合物(PFCs)の管理と代替物質への移行
PFCs 決議案


Annex 1.
決議案


 会議は、

 過フッ素化合物(PFCs)のあるものは、残留性があり、人と環境中に広く存在し、人の体内で長い半減期を持ち、実験動物に有害影響を引き起こすことができ、人々がどのようにPFCsに暴露するのかよく理解されていないことを認めつつ、

 これらの化学物質を代替するための代替物質、又は製品中の不純物としての存在を削減し廃絶するための新たなプロセスを開発することは、大きな技術的課題であり、さらに開発の様々なレベルを通じて追加的な課題があるといううことに留意しつつ、

 2006年にスウェーデンで開催されたパーフルオロカルボン酸(PFCAs)とその先駆物質に関する2006年 OECD ワークショップ、及び、2009年にジュネーブでに開催された過フッ素化合物(PFCs)の管理とより安全な代替物質への移行に関する国際ワークショップの勧告から構築することを要望しつつ、

 今まで、短鎖PFCsを含んで、規制と自主的スチュワードシップ活動、及び代替物質の開発と導入に目覚ましい進捗があったが、削減を達成しより安全な化学物質を推進するためにしなくてはならないもっと多くのこが残っているということを認識しつつ、

 化学物質のライフサイクルを通じて人の健康に対するリスクを最小とすることを強調しながらリスクの削減と知識及び情報に関する戦略的アプローチの目的の実施を追求しつつ、新たなそして新規の政策課題が適切なメカニズムを通じて十分に対応されることを確実にしつつ、より安全な代替物質と情報に基づく代替の開発を推進し支持しつつ、情報の入手に努めつつ、研究開発を加速しつつ、

  • 過フッ素化合物(PFCs)のあるものへの暴露を削減することは、SAICM クイック・スタート・プログラム(Quick Start Programme)の戦略的優先事項(b)に一致して、SAICMを実施するための化学物質管理と活動を強化することに寄与するということに合意する。

  • プログラムを開発し、確固とした使命に役立ち、進捗を追跡し、関連するPFCsの管理に関連する行動、技術、及び代替に関するもっと広範な情報を収集・共有し、関連するPFCの排出と製品含有を廃絶する方向で削減し、もっと容認できる化学へ移行するために、オープンで、多数利害関係者が運営する委員会に役立てるために、IOMC の権限と、強化された SAICM 実施とリスク管理を支持する作業プログラムの一部として、IOMCを招へいする。

  • 戦略的アプローチに参加する政府、地域経済組織、産業、非政府組織、及び政府間組織は、懸念ある関連する PFCs 排出と製品含有をなくす方向で削減し働くための国又は国際的スチュワードシップ・プログラムに参加し、使命を果たすよう要請する。

  • SAICM 事務局は運営委員会の作業に参加し支援することを、また IOMC は地域会議とクリアリングハウス機能を通じて、関連する PFCs への潜在的な暴露を削減するための技術、研究、結果、影響、及び監視情報を含んで、進捗に関する情報共有を支援すること、及びより安全な代替の推進を支援すること−を推奨する。

  • この活動を推進しその使命を達成することは、十分な人的、財政的、現物的リソースが必要かもしれず、開発の異なるレベルでの異なる参加者が追加的な支援の必要を持つかもしれないことを認める。したがって、戦略的アプローチへの参加者に対し、そのようなリソースを自主的に提供するよう推奨する。

  • 使命をさらに進捗させ、情報を提供・共有し、さらなる会議にその活動を報告するために、IOMC、スチュワードシップ・プログラムと運営委員会参加者、SAICM事務局、及びその他の関心ある利害関係者を会期間及び関連会議の合間に、例えば、2010年と2011年の持続可能な開発に関する委員会や他の地域会議などを利用して、協議するために招へいする。

過フッ素化合物(PFCs)の管理と代替物質への移行
PFCs 共同行動案
Annex 2.

作業
領域
活動 行動
主体
目標
時間枠
進捗の指標 実施の側面
PFCsの管理と代替物質への移行 1. 懸念する関連PFCの排出と製品含有を削減し廃絶に向けて活動するための国及び国際的なPFCスチュワードシッププログラムを開発し実施すること 国家政府、産業、IOMC、NGO 2009 - 2015 排出と製品含有の削減 使命に同意する参加者のために、一貫した報告書のテンプレート/フォーマットの検討
  2. 情報の開発と交換:
より安全で経済的に実行可能な代替及びその使用;技術移転;人の健康と環境に関する潜在的な影響とともに、規制措置、自主的プログラム、監視、排出、暴露、環境的運命、及び移動
産業、国家政府、IOMC、大学研究所、NGO 2009 - 2020 利用可能で実行可能な代替物の数;
物質と様々な行動、監視及び影響に関する情報の収集の増加
SAICM 事務局、IOMCの支援メカニズムの中のクリアリングハウス機能、など
  3. 現在行われている関連作業と情報収集の実施へ貢献すること。たとえば、最近開発された”PFOS、PFOA、及びそれらの関連物質及びそれらを含有する製品/混合物に関する製品含有及び環境排出情報についてのOECD調査”、及び関連する措置と活動 IOMC、国家政府、産業、NGO 2009 - 2020 調査回答率及び強化された情報の利用可能性 SAICM 事務局クリアリングハウス機能及びIOMCとの調整を通じて推進することが可能
  4. ストックホルム条約への加盟国はまた、条約にリストするための科学的基準に合致する関連 PFCs を推薦したいと望むかもしれない。 国家政府 2009 - 2015 条約に提案された、及びリストされた新規/追加 PFCs これは通常数年かかり、他の活動とと同時に実施することができる



訳注:過フッ素化合物(PFCs)の問題に関する当研究会資料の一部
訳注:米EPAのスチュワードシッププログラム関連情報
訳注:過フッ素化合物(PFCs)の管理と代替物質への移行が5番目の新規の政策課題となったことを報じる Reuters の記事
Chemical industry,officials to work for more safety


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