EPA プレスリリース 2006年1月25日
EPA、PFOA の排出削減をメーカーに求める
情報源:EPA Newsroom 01/25/2006
EPA Seeking PFOA Reductions
http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/a8f952395381d3968525701c005e65b5/
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訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2006年1月27日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/epa/epa_PFOA_Reductions_060125.html

 【ワシントン D.C. 2006年1月25日】EPAは、PFOA(パーフルオロオクタン酸)の排出削減と製品中の残留を2010年までに95%削減し、その削減達成後5年以内、遅くとも2015年までに曝露源を除去するよう取り組むことを会社(訳注1 参加要請を受けた会社8社)に求める世界的なステュアードシップ・プログラム(PFOA管理プログラム)を立ち上げている。

 PFOAはフルオロポリマー類の製造に重要な助剤であり、広い範囲の焦げ付き防止加工や防汚の表面処理加工を施した製品の製造に使用されている。PFOAはまた、カーペット、紙、布地などに防水性、防汚性、撥油性を与えるために用いられるフルオロポリマー類の分解によっても生成される可能性がある。
 PFOAは環境中に残留し、野生生物や人間の体内から低レベルで検出されており、動物実験では有害影響が示されている。

 ”科学的調査はまだ実施中であるが、懸念があるので、今、PFOAの将来の排出を最小にする措置をとることは、我々の環境と健康のために良いことである”−とEPAの農薬有毒物質防止局の副長官スーザン B. ハゼンは述べた。”EPAは、会社に対し、一段と向上し我々の地球環境を保護するリーダーシップを示す良い機会を提供することを喜びとする。”

 このプログラムに参加する会社は、PFOA、PFOAの前駆物質、及び、上位の同族化学物質に関し、施設からの排出と製品中の含有レベルを2010年以前に、2000年を基準として95%削減することを約束するであろう。このプログラムはまた、95%削減達成後、遅くとも2015年までに、これらPFOAの曝露源を除去するよう取り組むことを会社に求めている。会社は、これらの約束をアメリカのみならず彼らの世界中の製造施設においても実現するよう求められている。

 また参加会社は2006年3月1日までにEPAに彼らの確約書を提出し、また2006年10月31日までにEPAに、基準値となる2000年度の排出量と製品中含有量を提出することを求められている。目標に対する各社の達成状況は毎年10月に年次報告書として公表される。削減報告を比較可能とするために、参加会社はEPA及び他社と協力してこれらの化学物質の分析基準と試験方法を開発し、それに同意することを約束しなくてはならない。EPAはまた、このステュアードシップ・プログラムの結果を監視するのに役立てるために、PFOAと関連化学物質を有害化学物質排出目録(TRI)に加えるための手続きに着手するであろう。

 このステュアードシップ・プログラムは、EPAが、産業側、利害関係者、消費者団体、及び関心を持つ団体とともに現在実施中の、いかに人々がPFOAに曝露するのかについて、そして、それらの曝露が及ぼすかもしれない懸念について、完全に理解するために必要な科学的情報を特定し開発するためのプロセスにおける、ひとつの結果である。産業側は、法的強制力のある、及び自主的なテストの取組を含む新たな調査に着手することによって対応しており、またこの重要なデータ収集の取組もステュアードシップ・プログラムの追加要素として継続するであろう。

 C8 として知られる PFOA、又はパーフルオロオクタン酸アンモニウム(Ammonium Perfluorooctanoate (APFO))は、フルオロポリマーの製造プロセスで使用される。フルオロポリマーは、耐火、撥油、防汚、撥グリース、防水などの好ましい性質を与える。それらは調理器具の表面の焦げ付き防止加工(訳注:テフロン加工)や布地の防水通気加工に用いられる。PFOAはまた、ある製品の製造過程で不純物としても見出される。

 PFOAに関するEPAの取組についての詳しい情報、あるいは各社の確約の書簡をみるためには、下記ページを参照のこと。
 http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoastewardship.htm


訳注1:このプログラムへの参加要請を受けた会社
  • 3M/Dyneon
  • Arkema, Inc.
  • AGC Chemicals/Asahi Glass (アサヒガラス)
  • Ciba Specialty Chemicals
  • Clariant Corporation
  • Daikin (ダイキン)
  • E.I. duPont de Nemours and Company
  • Solvay Solexis
訳注2:参考資料
ES&T 2005年12月28月/三次元モデリングがフッ素化合物の汚染経路の理論を裏付ける (当研究会訳)

ES&T 2006年1月25日/製造時の残留化学物質が過フッ素化合物(PFCs)の由来を説明するかもしれない(当研究会訳)



化学物質問題市民研究会
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