EPA プレスリリース 2008年2月4日
EPA、PFOA 削減の効果大と発表
情報源:EPA Newsroom 02/04/2008
EPA Announces Substantial Decrease of PFOA
http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/bd4379a92ceceeac8525735900400c27/
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訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2008年2月22日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/epa/epa_PFOA_Decrease_080204.html

【ワシントンDC 2008年2月4日】 主要8社は、PFOA(パーフルオロオクタン酸)の排出量及び製品中の含有量を2020年までに95%削減するという目標に対し、PFOA及び関連化学物質の排出削減に大きな成果を上げたと報告した。2015年までには更なる削減が期待される。

 C8という名でも知られるPFOAは、調理なべの焦げ付き防止や衣類の防水・通気性加工等に用いられるフッ素ポリマーの製造におけるプロセス助剤である。PFOAはまた、カーペットや布製品、紙などに防汚性や撥油性を与えるために用いられるテロマーの分解によっても生成されるかもしれない。PFOAは難分解性の化学物質で環境中及びアメリカ人の血液中から低レベルで見いだされる。

 2006年1月にEPAは、2010/15 PFOA 管理(スチュアードシップ)プログラムを立ち上げたが[訳注1]、そのプログラムにおいて8社が、自主的に全世界ベースでPFOA及び関連化学物質の全施設からの排出と製品中の含有量を2010年までに95%削減することに同意した。8社はまた、2015年までにこれらの化学物質の排出と製品含有をゼロにする方向で取り組んでいる。8社とは、Arkema, Asahi(旭硝子), Ciba, Clariant, Daikin(ダイキン), DuPont, 3M/Dyneon 及び Solvay Solexisである。

 8社は、2006年10月に2000年ベースライン情報をEPAに報告した[訳注2]。2007年10月、8社は約束を守る方向の第1回進捗報告書を提出した。例えば、3社は、米国内においてはPFOAの排出を98%以上削減したと報告した。また代替材料の開発に大きな進捗があった。2006年後半に旭硝子はPFOAフリーの新たな製品ラインを導入した。2007年前半にデュポンは、”2015年までにPFOAの製造、購入、使用の必要性をなくす” という計画を発表した。3Mは、現在市場に出ているいくつかの製品の製造に使用されることになるPFOAの代替材料を今年中に導入しようとしている。今日までに8社は、50種以上の化学的代替材料をPAに検討用として提出している。報告期限は毎年10月31日である。

 管理プログラムは、人々がPFOAにどのようにし暴露しているのか、もし懸念があるならば暴露はどのような懸念を及ぼすのかということを十分に理解するために必要な科学的情報を特定し開発するために、2000年初頭以来EPAが続けてきた取り組みから派生したものである。産業側は、法的強制力のあるものと自主的なものの両方のテストを含んで、新たな研究を実施することによって対応している。データ収集は管理プログラムの下に継続される。

 2007年11月、米疾病管理防止センター(CDC)は、2003〜2004年に収集したヒトの血液中のPFOAレベルの分析結果として、1999〜2000年に収集したサンプル中のレベルより25%低くなっていたと報告した。CDCはこの下降はEPAの取り組みによるところが大きいとした。PFOAの排出と製品中の含有を低減するための8社のによる更なる進捗は、人体中のPFOAレベルをさらに下げることに寄与するはずである。CDCはこの資料採取と分析を続けており、追加的報告書は将来入手可能となる。

PFOAに関する更なる情報:http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/index.htm

各社の進捗報告書及びEPAのサマリー・テーブル:http://epa.gov/oppt/pfoa/pubs/preports.htm


訳注1
EPA プレスリリース 2006年1月25日/EPA、PFOA の排出削減をメーカーに求める

訳注2


化学物質問題市民研究会
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