Straits Times 2019年8月10日
オーストラリア指導者ら
リサイクル可能な廃棄物の輸出禁止に合意


情報源:The Straits Times, August 10, 2019
Australian leaders agree to ban exports of recyclable waste
https://www.straitstimes.com/asia/australianz/australian-
leaders-agree-to-ban-exports-of-recyclable-waste


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/

掲載日:2019年8月18日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/news/190810_ST_
Australian_leaders_agree_to_ban_exports_of_recyclable_waste.html




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7月9日スラバヤ港でオーストラリアで発行された新聞を掲げるインドネシア税関吏。その新聞が回収されたコンテナーは古紙だけのはずであったが、関税当局は有害物質と家庭ゴミも見つけた。
PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE
【シドニー】オーストラリアは、インドネシアやマレーシアを含む近隣諸国による抗議の中、リサイクル可能な廃棄物の輸出を止めると発表した。

 州政府及び連邦政府は昨日の会議で、自国のリサイクル能力の開発のためのスケジュールを作成することに合意した。連邦政府、州政府及び統治領のリーダーらは、廃プラスチック、古紙、廃ガラス及び廃タイヤの国境を超える処分を止めるためのスケジュールの策定を環境大臣の任務とすることにも同意した。

 オーストラリアのリーダたちは、その戦略として、廃棄物、特にプラスチックを減らし、埋め立て処分される廃棄物の量を減らし、オーストラリアの廃棄物管理及びリサイクル能力を高めるための努力をしなくてはならないことに同意した。

 オ−ストラリア首相、スコット・モリソンは、廃棄物管理は、全地域の大きな懸念であり、地域住民にとって重大な事柄であると述べた。

 彼は、オーストラリア人がリサイクル用廃棄物の回収容器に入れる廃棄物のうち、わずか12%しかリサイクルされていないと述べた。

 ”近隣諸国に、あるいは他のどこにでも、プラスチック、紙、及びガラス製品の廃棄物を輸出すれば、最終的にはそれらは我々の海に流れ込み、海を汚染し、グレート・バリア・リーフ(訳注:オーストラリアの世界最大のサンゴ礁地)を損傷する−我々はそれについての強い証拠を知っている−リスクをもたらす可能性があるので、我々は今後はそれらを輸出しない”と彼は述べた。

 モリソン首相は、輸出禁止が直ぐに実施され、数年かかるようなことがないことを望むと述べた。

 オーストラリアは、年間 28億豪ドル(26億米ドル)(約2,600憶円)を費やして 450万トンのリサイクル可能な廃棄物−その 80%はアジア向け−を輸出している。その結果、廃棄物の大部分は東南アジア諸国に送られている。インドネシア、マレーシア、及びフィリピンは最近、オーストラリアを含む他国からの廃棄物輸入を厳重に取り締まっている。


訳注:関連情報