IPEN 2019年2月1日
カナダは自分のごみを持ち帰れ!
フィリピンの NGO エコウェイストが
カナダの不法ゴミ輸出への反対運動の先頭に立つ

情報源:IPEN, 01 February 2019
"Canada, Take Out Your Trash!” EcoWaste Leads Move Against Canadian Illegal Dumping
https://ipen.org/news/canada-take-out-your-trash%E2%80%9D

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2019年2月8日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/news/190201_
IPEN_EcoWaste_Canada_Take_Out_Your_Trash.html

 IPEN 参加団体であり、化学物質の安全とゼロ廃棄物を推進するフィリピンのエコウェイスト連合は過去6年間、カナダから不法に輸出され、現在はフィリピンのいくつかの港に留め置かれている腐った有害な家庭ゴミを本国に送り返すようカナダに要求する運動を主導している。

 問題となっているのはカナダから”リサイクル品”という名の下にフィリピンに輸出された混合ゴミの詰まった 103輌の輸出用有蓋コンテナーである。そのスキャンダル(不祥事)はカナダの輸出用コンテナーがフィリピンの港に持ち込まれ、家庭ゴミをリサイクル用プラスチックであると不法に申告した 2013年に始まった。カナダの首相ジャスティン・トルドーは2017年に悪臭を放つ廃棄物のスキャンダルを解決することを請け合ったが、今日現在、問題は悪化したままである。

 エコウェイストのカナダ首相への手紙は国際的な関心を引き起こしている。

 韓国がしたのと同じように、カナダがフィリピンに廃棄物を率先して投棄してるというのは恐ろしいニュースである。しかし 2018年に韓国がフィリピンに 6,500 トンの家庭ゴミを投棄したことを明らかにされた時、エコウェイストは他団体とともに、韓国に彼らのゴミを引き取らせることに成功した(Last December 27 and 28, 2018, the governments of the Philippines and South Korea resolved to have the 6,500 tons of illegal garbage re-exported to the latter. )。エコウェイストは、”韓国のゴミの本国送還は、カナダの腐ったゴミの投棄論争を解決することにカナダを目覚めさせるべきである”と強調した。

 ”豊かな国がフィリピンの法律と執行の弱さに付け込んで、フィリピンを世界のゴミ捨て場として扱うことは恥ずべきことである”とエコウェイストのディレクターであるアイリーン・ルセロは述べた。

 投棄がリサイクルとして偽装されるときにはあなたの廃棄物はどこに行くのか?

 バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)の世界的な不法ゴミ投棄危機に関する”ゴミ透明性プロジェクト”を参照のこと。BAN は、””リサイクル”されることになっている電子廃棄物(e-waste)に位置情報検出装置(GPS scanners)を取り付けて、それがどこに現れるのか監視している。

国際法:有害な家庭ゴミを輸出することは、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」の下で違法である。2019年春に国連は、バーゼル、ロッテルダム、及びストックホルム(BRS)条約の締約国会議の間にプラスチックと廃棄物の有害性に目を向けるために各国政府を招集するであろう。カナダの違法行為は、2015年にスイスのジュネーブで BAN と IPEN により、 BRS 条約会議及びカナダ大使館で初めて提起されたが、この会議でも再び取り上げられることになるであろう。

 状況を悪くしていることは、カナダは有害廃棄物の輸出を完全に禁止することになるバーゼル条約修正条項の承認を拒否している 24か国のひとつであるということである。


訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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