USA Today 2019年7月9日
富める国々が有害廃棄物をインドネシアに送り込んだ
現在、インドネシアはそれを送り返している

情報源:USA Today, July 9, 2019
Wealthy nations shipped toxic waste to Indonesia.
Now Indonesia is sending it back
https://www.usatoday.com/story/news/2019/07/09/toxic-waste-hong-kong-france-shipping-back-indonesia/1680995001/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2019年7月11日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/news/190709_USA_Today_
Wealthy_nations_shipped_toxic_waste_to_Indonesia.html



インドネシアの東ジャワ州スラバヤ市にあるタンジュン ペラ港の廃棄物の容器の近くに立つ税関吏 2019年6月9日 (Photo: STR, AP)
【ジャカルタ、インドネシア】 インドネシアは、東南アジアが先進諸国の廃棄物の投棄場所になっていることへの反発に加えて、送り込まれた数十のコンテナーの廃棄物が使用済みのオムツ、プラスチック、及びその他の物質により汚染されていることを見つけて、それらを送り込んだ富める国々に送り返している。

 税関当局は火曜日(7月9日)、シンガポールに近いバタム港にある 49のコンテナーの内容物が、有害廃棄物の輸入に関するインドネシアの法律に違反していることを発見したので、それらを送り込んだオーストラリア、アメリカ、フランス、ドイツ及び香港に送り返されるであろうと述べた。

 これらとは別に、東ジャワ州タンジュン ペラ港の税関長バスキ・スリヤントは、オーストラリアから6月20日に到着した210トンの廃棄物を収納した8つのコンテナーは、紙だけを含んでいるということになっていたが、実際には他のゴミを含んでいたと述べた。

 ”これらのコンテナーもまた、家庭廃棄物、使用済み缶、プラスチック・ボトル、容器に入った廃油、廃電子機器、赤ちゃんの使用済みオムツ、使用済み履物などを含んでいることが分かった”と、彼は述べた。

 中国は2017年末にプラスチック廃棄物の輸入を禁止した結果、東南アジアの開発途上国にますます多くの廃棄物が送り込まれている。

 昨年6月に Science Advances 誌に発表された国連のデータを利用したある研究は、中国がプラスチック廃棄物の輸入を禁止したので、他の諸国は2030年までに 1億 1,000万トン以上のプラスチック廃棄物に対応する場所を探す必要があることを示した。インドネシアと中国は世界最大のプラスチック生成国の一員であり、彼ら自身の土地、海、そして海岸をますます汚染している。

 スリヤントは、オーストラリアの廃棄物を東ジャワの港に輸入したインドネシアの会社は、それを90日以内にオーストラリアに送り返す義務があると述べた。それ以外の制裁の計画はないと彼は述べた。

 税関当局の報道官デニ・スルジャンティロは、バタム港から送り返される49のコンテナーは、同港で検査を受けた65の廃棄物コンテナーの一部であった。11コンテナーはプラスチックごみであり、38コンテナーは有害あるいは危険な廃棄物で汚染されていた。

 インドネシアに有害廃棄物を輸入することは犯罪であり、最大12年の懲役及び最大120憶ルピア(85万ドル=約9,350万円)が科せられる。

 フィリピンは最近、カナダとの派手ないさかいに巻き込まれ、フィリピンの役人が違法に送り込まれたゴミであると述べ、 5月に 69のコンテナーをカナダに送り返した。5月にはマレーシアが約3,000トンのリサイクルできないプラスチック廃棄物をアメリカ、イギリス、カナダ、及びオーストラリアに送り返した。

 フィリピンの役人はカナダのゴミは、2013年と2014年委103のコンテナーでフィリピンに送り込まれ、リサイクル可能な廃プラスチックであると虚偽の申告をした。ゴミのあるものは処分されたが、電子機器廃棄物、及び使用済みオムツを含む腐敗した家庭ゴミの69コンテナーはフィリピンの二つの港に残されていた。


訳注:関連情報



化学物質問題市民研究会
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