聴いた、観た、買った ---淡々と音喰らう日々。

2000.01.01-15

>01.16-31
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★は借りた新着、☆は新規購入。


1/3 元旦より実家に世話になる。この日の夜、妻子を残して一足先に帰宅。賀状書きなどに取り掛かる。スペイン旅行の余韻を楽しむために、Manolo Sanlucar: "Tauromagia" (PolyGram Iberica, 1988)を聴き、次いで最近の深夜の友であるJoni Mitchell: "Mingus" (Asylum, 1979)など流しつつ。

1/8 Y2Kは自社、取引先とも何もなく、心穏やかに迎える3連休。というわけで、
『春の海/箏の名曲』
1991年ビクターからの宮城道雄作品集。よーく考えてみると、東儀秀樹のやっていることなんて、この路線上にあるものだと思えばいいのかも知れない。宮城の「さくらさくら変奏曲」など、古謡「さくら」に西洋風アレンジをかまして箏で弾かせる趣向はケレンも甚だしい(個人的にはこれは駄作だと思う)。一方で「瀬音」のように西洋音楽的なリズム処理やモードの転換が劇的な効果を生んで成功している例もある。

息子の希望により久々に図書館。連れ合いと交代で本を読み聞かせる。もちろん自分がフリーな時はCD探しに掛かりっきり。

1/9 TV「N響アワー」で、譚盾(タン・ドゥン)の委嘱新作『オーケストラル・シアターIV: 門』を聴いてみる。この人、毀誉褒貶は激しいし、その分レビューも豊富なので、大体の傾向は知っていたつもりだが、まだ実際には聴いていなかったのだ。
そしてその結果は...惨憺たるものであった。いやはや。終演後、檀ふみに「んー、なかなかわかりやすくて」と言われるくらいだから相当なものである(普通、番組内ではここまで言わない)。
京劇の旋律とオーケストラがケンカしてるところなんかは面白かったのだが、その後も単線的な流れで間延び感著しい。おまけに、結論があれでは...。虞美人、ジュリエット、『心中天網島』の小春の3人にさんざ自死に至るいきさつを述べさせた挙句、「もう一度生きる勇気があるか? 」との問いかけ(指揮者自らが演じる"The Judge"の科白)はいくら何でも失礼だろう。彼女らは何よりも社会制度そのものに翻弄され、恋を断ち切られ、自ら死を選んだ訳でしょう? 譚盾は相当男尊女卑なヤツだと確信する。
譚盾と言えば、昨年暮れに初演された『ウォーター・パーカッション協奏曲』が結構方々で絶賛されてたけど、本当にそんなにいいのか? との疑問がムクムク。

1/10 『フラメンコ・ベスト』(キング、1992、2枚組)
おやおや、これは珍しくキング音源のコンピなのに当たりだったんだ! と今更気が付く。DISC 2のほうはかつての名バイラオール(踊り手)、グラン・アントニオのサパテアード(ステップ)やカスタネットを収めた音源で、中にはアルベニスのピアノ曲(連弾)に合わせて踊っているのもあり、実はこれが味わい深かったりする。

SMAP特番を途中から見る。新曲のプロモを自分たちで撮るという趣向はまあどうでもよくて、相変わらずの素な会話のハズシ具合を楽しみつつ、その新曲を待つこと数十分。...おい、タイトル「Let It Be!」は無いんじゃないの。歌詞では "Let it be your life!" としてるんだから、それ丸々タイトルにすればいいのに、何でまたこんな自分を安く見せるようなことするかね。曲がかなりいい線なだけに惜しまれる。この曲、実はサビが一回も主和音(ドミソをベースにしたコード)に着地しないという、歌謡曲としてはかなり大胆な作りなのだ。ソウル-R&Bでは定番だが、ドをルート音にしたコードは一切使わず、レ・ミ・ソ・ラのルート音の中だけで回していく展開。

1/11 DISCMANの電池切れにめげる。長いこと放り出してあったのだから、充電のもちが悪いのは当然と諦める。

1/12 ミルトン・ナシメント&ロー・ボルジス Milton Nascimento/Lo Borges: "Clube da Esquina"
スティービー・ワンダー Stevie Wonder: "Talking Book"
(Motown, 1972)★
冒頭「サンシャイン You Are The Sunshine Of My Life」に、耳に馴染んだあのコーラスワークとホーンセクションがない。シングルとのバージョン違い? そのこと以外は良かったのだが。というより、実はこの段階でもう"Songs In The Key Of Life" (1976)の方法論とか技巧はほぼ出揃ってるのね、22歳だっつうのに。やっぱり化けモンつうしかないのかな、この人だけは(もっとも近年はちょっとどうかと思うが)。

1/13 再びの電池切れに憤る。ここ2日、随分充電してやったじゃないか、コラ。寒いせいか?

1/14 イヴァン・リンス Ivan Lins: "20 Anos" (Som Livre, 1990)

1/15 土曜。息子は風邪。楽しみにしていた児童会館行きが延期になるのが諦め切れず、元気なふりをしてはいたが、嘔吐するに至って観念、自らやめると断言した。んーオトナになったものねえ。
で、看病しつつManolo Sanlucar: "Tauromagia"『BEST NOW フラメンコ』(東芝EMI、1991)、『すくすくどうよう 2〜4才児向け』(日本コロムビア、1987)、ビセンテ・アミーゴ Vicente Amigo: 『我が心を風に解き放てば De Mi Corazon Al Aire』(Sony, 1991)『魂の窓 Vivencias Imaginadas』(Sony, 1995)など。息子もフラメンコ慣れしたのか、延々掛けてても文句を言わなくなった。だもんでビセンテの2枚など各2回ずつ掛ける。というか、息子構ったり家事したりしながらなのでちゃんと聴いてなくて、ついもう1度、とやってしまうのだった。

本日の判定:
×ハロー(Alfa, 1990) 
元Pinkの福岡ユタカと矢壁アツノブによるユニットの1st。



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