聴いた、観た、買った ---淡々と音喰らう日々。

1999.04

>05.01-15
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★は借りた新着、☆は新規購入。


4/4 ビセンテ・アミーゴ『魂の窓』(1995)★
フラメンコ・ギターの若きホープにして名匠マノロ・サンルーカルの弟子。何故1997年まで日本リリースはされなかったのか、という驚異のセカンド。メセニーに捧げる曲をパコ・デ・ルシアと共演するという意外性がありつつも、軸足は確乎として伝統に。

4/8 イヴァン・リンス『アウア・イオ〜魂への賛歌』
パット・メセニー・グループ『レター・フロム・ホーム』の途中で電池切れ。あああ。充電一回あたりの走行時間がどんどん短くなるううう。

4/9 てなわけで何も聴かない一日。

4/11 『ボズ・スキャッグス・スター・ボックス』(日本編集ベスト)
これ聴きながらたにぐちさんの掲示板で「AOR」とか口走ったために、あろうことか色んな人を巻き込むことに。いや本当にすまんこってす。

4/16 スガシカオ『ファミリー』
イヴァン・リンス『アウア・イオ〜魂への賛歌』
『ア・デケイド・オヴ・スティーリー・ダン』
『ジャヴァン』
(1976)
プロデューサーの意向でボサノヴァっぽい曲が集められたというデビュー盤。だがそれが図らずもジョアン・ジルベルトから彼につながるヴィオラォンの「伝統」(っていうとちょっと違うのだが。英語で言うlegacyか)を浮かび上がらせていて、これは秀逸。

4/17 スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン『グレイテスト・ヒッツ』
実は、鬱々とした気分だとこういうのは聴けない。多少ノってる時にもっとノるために聴いたりする。この日もそう。家事だ家事!
フリートウッド・マック『ザ・ダンス』
トニーニョ・オルタ『ムーンストーン』
『松平頼暁ピアノ作品集』
(コジマ、1992)
緻密に考え抜かれ、謎が仕掛けられたかのような周到な音の隙間。その空隙に聴く者を嵌めようかという油断ならない音楽。夜のしじまに聴きたくなることが時々ある。

4/18 うおおお、一体何ヶ月ぶりの大型CDショップであろうかHMV。何でオレ音楽のサイトなんかやってんのか、って話はおいおい明らかに(多分)。
ビセンテ・アミーゴ『我が心を風に解き放てば』(1991)☆
いやデビュー盤も凄い凄い。
アストル・ピアソラ『タンゴ:ゼロ・アワー』(1986)☆
やっと買いましたぜののさん。これが今まで聴いたあらゆるピアソラ(自演、他演とも)の中で最高です。ゾクゾクする。

4/19 マリーザ・モンチ『マイス』(1991)☆
TFJさんやりんぼうがいさんの推薦盤だが、うおおっという感じはなくて、聴けば聴くほど味が出るような。いわゆる欧米のポップスとの接点を大きく取っているということなのだろう、カエターノのような毒は感じず、かといってイヴァンのような突飛なメロディでもなく。
イヴァン・リンス『アウア・イオ〜魂への賛歌』
アストル・ピアソラ『AA印の悲しみ』
(1972)☆ から抜粋で。

4/21 ボズ・スキャッグス『サム・チェンジ』(1994)
6年くらいブランクがあって、すっかりAORらしくなくなったボズ。だが音を削り込んだ、寡黙ともいえる語り口は何とも言えず良い。

4/22 矢野顕子『スーパーフォークソング』(1992)
これに収録されている「Someday」と 「スプリンクラー」を聴くと放心します。原曲のイメージさらさらなし。すごいです。
パット・メセニー『シークレット・ストーリー』(1992)
これってアルバムとしてはやっぱり駄作かな、と思わなくもないながら、この季節に気持ちのいい曲が多いので、つい。

4/23 スガシカオ『ファミリー』
マーカス・ミラー『テイルズ』
(1995)
カッコいいよなあ、これ。でもこの前2枚くらいはヘンな打ち込みソウルだったんだよなあ、この人。ベーシストに徹した本作は必聴。

4/24 矢野顕子『ウィウィ』
マリーザ・モンチ『マイス』
ビセンテ・アミーゴ『魂の窓』

これも久々のHMVの際に購入していたもの。
ドゥービー・ブラザーズ『ミニット・バイ・ミニット』(1978)
AOR、AORと唱えつつ、やっぱ違うなあと思って聴いているドゥービーズ。

4/25 ジャヴァン『ベスト・コレクション』(日本編集盤ベスト)
ここからジャヴァンに入門して、ヴィオラォンのテクスチャの楽しみを見いだすのは難しかった。ポップミュージックのテクノロジーにむしろ呑まれている気がする、CBS移籍&世界リリース後のジャヴァンではある。

4/27 パット・メセニー&ライル・メイズ『ウィチタ・フォールズ』(1981)
チック・コリア『チルドレンズ・ソングス』(1984)
これも隙間の音楽、ではあるのだが、松平頼暁と違うのは、その隙間にぼおっとしてなさい、という趣旨で演奏されていること。というと語弊があるか。だがそのせいだろう、結構トラックによって出来のムラがあることを再確認。

4/29 ジプシー・キングス『モザイク』(1989)
初めて近所の中古屋に行った。とはいえチェーン店BOOK OFFなのでメジャーなものしか期待できないのだが。でもソウル系はメジャーなものさえ品薄だった。大型チェーンのメリットって何。まあいいけど。
で、ケイト・ブッシュ『レッド・シューズ』☆とか、ディック・リー『マッド・チャイナマン』☆など、借りてて買えてなかったものと一緒に、宮沢和史『アフロシック』(1998)☆を購入。実はあまり期待していなかったが、すごく肩の力が抜けていてよい。レニーニ&スザーノも近々購入してみよう。でもやっぱりカルリーニョス・ブラウンとやったトラックが秀逸。カルリーニョスの方法論には、ブラジルの特にバイーアや北東部(ノルデスチ)の伝統的打楽器とリズム構造を全面に出すという、ある種セルフオリエンタリズム(というか自己観光化)がないとは言えないのだけれど、そう知りつつも敢えて差違を明瞭に保つことを選んでいる、とも思える。これに比べるとスザーノなどは産業的な意味での世界化/均一化の波に呑まれる寸前のようにも聞こえる。

この後数日、『アフロシック』ばっか聴いてたような。



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