2006年8月11日

原爆症認定訴訟広島原告団
原爆症認定訴訟広島弁護団
原爆訴訟支援広島連絡会
日本原水爆被害者団体協議会
原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

 厚生労働大臣は、8月4日に広島地方裁判所民事1部が言い渡した判決(原爆症認定申請却下処分取消等請求事件)に対して、本日控訴した。
  われわれは、全国26万弱の被爆者とともに厚生労働省に断固抗議する。
  広島地裁判決は、全国15の地方裁判所で183名の原告が提起した原爆症認定集団訴訟のなかで被爆地における初めての判決として、5月の大阪地裁判決の判示をさらにすすめて原因確率の適用を事実上排したうえで、認定疾病を著しく狭く限定し、遠距離・入市被爆を切り捨ててきた原爆症認定行政を厳しく批判するものであった。
  厚生労働大臣の認定却下処分は、これまで、長崎松谷原爆訴訟、京都小西原爆訴訟,東京東原爆訴訟さらには、大阪地裁判決ならびに広島判決と合計53人について取り消され連続敗訴しているのであるから、これまでの原爆症認定行政を真摯に反省し改めるべきであった。判決を受けて、多くの国民は国の認定基準を改め、被爆者の早期救済を求めていたのである。
  それにもかかわらず、厚生労働大臣は、原告らと会おうともせず、被爆者の切実な声に耳を傾けることなく、控訴の暴挙に至ったもので、われわれは、断じて許すことができない。
厚労省の控訴は、被爆者の切なる願いを踏みにじり、被爆の苦しみをさらに増大させるものであるばかりか、多くの国民を裏切る行為である。
  全国の原爆症認定集団訴訟原告のうち、すでに25名もの原告が死亡している。被爆者に残された時間は少ない。今、厚生労働大臣がなすべきことは、控訴ではなく、問題点を指摘された認定行政を抜本的に改めることである。
  私たちは、国が全ての原告を原爆症と認定し、認定制度を抜本的に改めるまで、裁判所の内外で、断固として闘い続けることを決意する。