抗議・要請文

 日本被団協は9月28日、米国が行なった未臨界核実験に対し、首都圏の被爆者とともにアメリカ大使館前で抗議行動を行ない、大統領あての文書を職員に手渡しました。

2001年9月28日

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ殿

日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 坪井 直
代表委員 山口 仙二
代表委員 藤平 典
事務局長 田中

臨界前核実験に抗議し、テロ「報復」戦争に反対する
戦争を止めよ! 核の使用と威嚇に反対する!

 米国は、9月26日、通算14回目の臨界前核実験を、ネバダの核兵器実験場で実施したことを明らかした。
  広島・長崎で初の核戦争地獄を体験したわれわれは、悪魔の兵器である核兵器の維持・開発・使用に結びつくこのような実験に断固反対し、きびしく抗議する。
テロリストたちが、9月11日、米国の心臓部ワシントンとニューヨークに乱暴極まる不意打ち攻撃を加え、数千人の市民を殺傷した。われわれはテロの犠牲となった人々と米国民に心からの哀悼の意を捧げるとともに、テロリストたちの卑劣な行為を厳しく糾弾し、法の下での公正な裁きを要求する。
  しかし、同時にわれわれは、テロ行為にたいする米国の「報復」に軍事力が用いられることにも断固反対する。
  暴力にたいする暴力的報復は限りない報復合戦を招き、全世界を重大な破壊と混乱に導く恐れがある。しかもあなたは、あらゆる戦闘能力をテロ攻撃の選択肢にいれると宣言し、核兵器の使用を示唆している。このことは、今回の臨界前核実験とともに、国際司法裁判所が国際法違反と断定した核兵器による威嚇そのものであり、全人類を限りない恐怖に陥れるものである。
  われわれは要求する。
  テロにたいする「報復」戦争を止めよ。
  核兵器を使うな、脅しにも使うな。
  臨界前核実験を止めよ。
  テロに対抗するために、テロ反対の世論を結集し、あらゆる平和的手段を追求せよ。

「被団協」新聞10月号  核兵器廃絶