■万燈町駅第2展示室

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19.12.22
新性能電車(1)-1980年までにデビューした車両-
153系低窓
冷房がなく、クハ153では原型に近い74号

151系(当初26系)特急「こだま」に続く新性能急行、準急電車153系(91系)が1958年に登場しました。正面がオレンジ1色のため、「赤鬼」と呼ばれました。
 撮影当時153系は冷房改造が実施されていましたが、この74号は非冷房のままで、原型に近い車でした。
 この頃は冷房車と非冷房車が混成されており、夏場に電車が入線して来ると編成を素早く読み取って、冷房車の方に走ったのも今は思い出です

153系高運転台(Tc153500
高運転台のクハ153-500番台

153系などの製造当時は、運転席が高い方が障害物の発見が早く、踏切事故の防止に効果があるとの考え方がありました。クハ153もモデルチェンジによって運転席が高くなり、窓が細長くなった500番台に移行しました。基本型よりもキリッと精悍な面構えになったと思います。塗装は変わりましたが後継の113系や165系なども構造は大きく変わらず、この形は国鉄電車の顔として以後20年くらい製造が続きました。
 写真の535号はヘッドライトが小型で照度の高いものに改造されており、それでカメラを向けたようです。

クハ153-76
関西新快速塗装のクハ153-76(低運転台)

京阪神の新快速に117系が投入され、余剰となった車両の一部が大垣電車区に転入してきました。3両連続で編成に入ったのはこの編成のみで、長くは続きませんでした。もっと多くのブルーライナーの転入を期待していましたが、東海道線で見られたのは8両だったとノートに記載があります。

クハ153500ブルーライナー
ブルーライナー塗装のクハ153-553先頭の快速

クハ153-76を撮影した日、もう1本のブルーライナー入り編成を撮影できました。
 この年の6月21日、この車両を見かけて折り返しのダイヤを調べ、共和まで乗車しました。駅で偶然会ったY君が同行してくれました。
 乗ってしまえば同じなのですが、塗装が違えばそれに乗ってみたいと思うのが鉄道ファンの心理なのです。
 また、この頃はまだ我が家にズームレンズが導入されて間もない頃で、訳もなくロングで引っ張った作品が目立ちます。

155系
153系に準ずる塗り分けで湘南色となった155系

153系をベースに関東、関西地区の修学旅行電車「ひので」、「きぼう」用に製作された電車です。153系よりも屋根が低く、平らに近い形状が特徴でした。登場当時は右のようなオリジナル塗装でした。
両地区は修学旅行の需要がいち早く新幹線に移行し、余剰となったものの一部が中京地区に流れてきました。その際5列の座席を標準の4列のものに置き換え、塗装も湘南色に塗り替えられました。
 主に快速の運用に使われましたが、冷房改造の対象とはならず、159系と共に冷房車に置き換えられて姿を消しました。

159系
湘南色に塗り替えが始まった159系

愛知、岐阜地区の修学旅行電車として使われるために大垣電車区に投入されたものです。155系との違いは座席が最初から4列になったことです。
 春から初夏にかけてと秋の159系は本業の「こまどり」号で多忙でしたが、オフシーズンには時折定期の快速列車に運用されていました。
 湘南色に塗り替えられた車両との混結ですが、先頭車のクハ159-2は翌年早々廃車となり、湘南色となることはありませんでした。

159系湘南色
両端が湘南色となった159系の普通列車

ある日、Y君が159系の先頭に113系(クハ111)が付いているのを見たと言いました。それを聞いて、113系はドアの数が違うし、制御回路は合うのだろうかと疑問に思いました。数日して疑問は解け、その正体がわかりました。155系とは違い、塗り分けがそのままで湘南色に塗り替えられたクハ159が登場したのです。
 しかし、翌1980年には159系は全車廃車となったため、クハ111もどきのクハ159は短命に終わりました。

165系
飯田線の急行「伊那」となる165系4両を併結した快速

全国の主な直流電化区間で見られた急行型電車です。大垣電車区の快速運用には153、155、159、165の各系列が共通で使用されていましたが、(ただし159系は修学旅行オフシーズンのみ)写真の3132Mは基本の8両の後部に豊橋から急行「伊那」となる4両を併結しており、それには165系が限定で運用されていました。

クハ165-128
新快速ブルーライナー塗装のクハ165-128先頭の快速

1975年、踏切で列車を待っていると目を疑う電車が近づいてきました。なんと京阪神地区の新快速塗装のクハが湘南色の快速の先頭に立っていたのです。それ以来、同車、クハ165-128を見かけるたびに時刻表で折り返し電車の当たりを付けて撮影に出かけました。
 大垣での活躍は短く、後に神領へ転属して湘南色に戻り、さらに静岡へ転属して373系の投入まで急行東海や大垣夜行に使用されました。

クハ164
クハ153改造の165系、クハ164

165系の先頭車が不足したため、低運転台のクハ153の8両が165系クハ164に改造されました。下り勾配で過速を防ぐ抑速ブレーキの回路を取り付けるものでしたが、一見したところ変化はありません。その結果、153系が乗り入れない中央西線や飯田線でもクハ153の顔を見ることができました。(ほとんどは抑速ブレーキ不要の東海道本線の運用でした。)

113系
関西から転入のクハ111-343(非冷房、ヘッドライト大目玉)

80系の置換用に関西から113系が転入してきました。大型のヘッドライトで冷房もない原型に近い頃です。吊り掛け式の揺れや振動に慣れた身にはすごく静かで揺れない電車に思えました。
 他地区のお古ばかりかと思われましたが、1978年には念願の冷房付き、シートピッチを拡大した113系2000番台が新製で大垣電車区に配置されました。
 私も名古屋市内に通った2年間、毎日お世話になりました。

113系スカ色
湘南色、スカ色混結の113系

113系は各地からの転入があり、スカ色は時折見ることができました。しかし、これも車検のため工場に入場すれば湘南色に塗り替えられていきました。
 写真は静岡運転所(静シス)の編成で、2000年の時点でクハ111の1000番台の車両が配置されていたのは横須賀線から転属した車両があった証です。


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参考文献
 旧性能電車関係:国鉄電車ガイドブック(誠文堂新光社)
159系:鉄道ファン1993.1月号(381)「修学旅行電車のあゆみ-その3−
鉄道ファン2000.11月号」

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