オーディオ日記 第39章 扉を叩け、開け(その12)2017年1月16日


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PCオーディオに関して究極(?)を目指して思いつくことはいろいろと やってみた 。だが、Dante Audio NetworkによるUSBやS/PDIFを使わないという構成を 経験 してから、現状に今ひとつの納得感を求めたくなってきた。もちろん、PCオーディオにおけるUSB接続の課題やS/PDIF介在のことを云うのであれば一足飛びにDante Audio Networkへ移行すべきなのは重々判ってはいる。Dante Audio NetworkではPCと後段のDACはLANケーブル一本のみで接続が可能なのだ。だが、Danteはアマチュア用としてはオーバースペックのところもあり、PCに内臓するDante用PCI-Eカードだけでも15万円程度もしてしまうのだ。これに後段のマルチチャネル用DACを組み合わせるとなると、現状のデジチャン(DF-55)よりも高価になってしまうので二の足を踏んでいるというのが実情である。それはやむを得ないことなのかもしれないとも思うのだが、、、

Dante Audio Network比較試聴用構成図:(Danteでは機器構成は非常にシンプルになる)
Dante Audio Network

一方で、現状のPCオーディオ環境に関して「ファイナルな」構成かと改めて考えればまだまだやるべきことはあるはずだと思っている。USB回りにしろ、PCオーディオ全体としてもう少しやれることはとにかくやってみた上でどこまで行けるのか見極めてみたいのだ。具体的な内容は以下のようなものなのだが、どちらかと云えば些細と思われることであって正直効果の程は判らないし、過大な期待は禁物だとは思いながらもやってみることとした次第。

もちろんこれらの施策に関して、ここまでやる必要があるのか、やって効果があるのか、多少えいや~の気分ではある。従来の各種対策もそう思うところがあったのだが結果「やって良かった」という実感もあったので、ちょっとした手間でできることなので何事もチャレンジと割り切って考えた。

1.USBプラグ(Aプラグ側)
USBケーブルのプラグ(特にPC側のAプラグ)は何故か僅かな緩みが感じられて、常々気持ち悪いと思っていた。接続部分が多少なのだがグラグラするようなことは精神衛生上も良くない。オーディオ用のプラグというものがあるのかどうか知らないのであるが、今まで試したものは多少なりとも総じてこのような緩みがあるのだ。やはり接続部はカチッとさせたいもの。一番単純な方法であるのだが、このAプラグに対して銅箔テープを巻くということをやってみた。差込がきつくなり過ぎるかな、とちょっと心配したが、そのようなこともなく丁度良い塩梅のカチッとしたホールド感となった。

2.USB拡張ボードに対するシールド(再実施)
我が家のPCオーディオに於いては INTONA USBアイソレータ を採用している点が構成上の前提なのだが、マザーボード上のUSB 2.0ポートでは電源供給量が不足する怖れがあることからUSB DDCに対する経路として使用していない。これはINTONA USBアイソレータがそこそこ電力消費をする仕様であることに起因している。世にはJCATの高価なUSB拡張カードもあって評判も良いのだが、当方は廉価な一般のPC用のUSB3.0対応のものを 使用 して電源供給を行っている。さて、このUSB拡張ボードであるが、PCのシャーシを変更してから、シールド対策は施していなかった。これは現在のシャーシがライザーケーブルを使用して横向きに設置するような構成になっていることから、後で対策を考えようと一旦やめてしまっていたのだ。徹底するという意味からも改めて再実施してみた。合わせて、この拡張ボードのPCシャーシ取り付けにおけるガタも徹底的に排除するように細工してみた。

右上方がUSB拡張ボード用シールド、その下側がライザーケーブルのシールド: PCIE Riser Cable

(参考)使用しているUSB 拡張ボードは こちら のもの:
PCIE Card

3.USB拡張ボード用ライザーケーブルのシールド
USB拡張ボードはPCのシャーシの構造上の理由からマザーボード直挿しではなくライザーケーブルを使用するのであるが、不思議なことにこのライザーケーブルには元々ノイズ対策が行われていないのだ。そこで、このケーブルに銅箔テープでのシールドを施した。(ここも、まっ、やるからには徹底という意味で。銅箔テープ大活躍の所以であるのだが、、、)

(注記)USB拡張ボード用にはUSBデバイス用に別途SATA電源を供給する必要があるのだが、ここにはフィルター(ファインメットビーズと5穴フェライト)を従来から挿入している。なお、このSATA電源ケーブルについては、大元となる電源部から別の系統の電源線で供給しておりシステムSSD用の電源線とは共用はしていない。(ただし、外部の電源を使用している訳ではない)

4.システム用SSDの制振対策とシールド(上記画像の左側上部)
従来システムSSD(32GB)に対しては、SATA電源用のフィルター対策(ここもファインメットビーズと5穴フェライト)のみ行っていたが、ここにもシールドと制振対策(金属塊の重石をのせただけというレベルに近い、、、)を実施した。これは実はやってみたかった実験である。ただし、もう少しましなスタイルで実施すべきであると思うので、適当なサイズの厚みのある銅板を改めて入手したいと考えている。

5.その他の追加施策(予定)
PC周りとは別の施策であるが、USB DDCからデジチャンまでのRCA同軸ケーブルに対してコモンモードノイズ対策を実施しようと考えている。これは従来のS/PDIF用の同軸ケーブルにノイズフィルターを挿入した短いケーブルを足すという方法で行う予定である。

この対応は以前に、アモルファスコアによるデジタルアイソレータ機能+ノイズフィルター機能を持つケーブルを挿入した実験も 実施した のであるが、結局こちらは若干ながら接続が不安定(つまりS/PDIF信号が減衰していまっている?)となることもあって採用はしなかったもの。今回のものはコモンモードノイズに対する対策だけのものなので、接続が不安定となるようなことはないと考えている。

オーディオに求めているのは、「震撼するほどの静寂感の表現」である。デジタルオーディオにおいておそらくこの部分がアナログに比して(物理的な意味でのS/Nということではなくて)ビハインドしている点だと考えてきた。音として至極自然であるのに、果てしない透明感が感じられるようなある種官能をも刺激する音。音であって音ではない美。(究極的には一切のデジタル的雑味を排した音と云えるのかもしれない)もちろん我が家では未だこれは実現できてはいない。だが、世にはそのような音を実感させてくれるオーディオシステム(部屋も含めての音だと思うが)は確かに存在している。そしてそれを目指したいのだ。

さて、今回の施策の実施後に試聴する構成はJPLAY Dual PC(Windows Server 2012R2ベース、Audio PCのみCoreモード)で音源は44.1KHz/16bit、サンプルレート変換等はしていない。今回の一連の施策を自画自賛で云えば、「半歩ほど」前進できたのかな、、、というレベル。大きな半歩?小さな半歩?それは判らないが、不思議な高域感の向上があって上述したような理想として求めている音の方向性には適合していると感じられる。

まだまだやるべきことはあるかもしれない。PCオーディオではハードウエア領域(構成自体、各パーツ、ノイズ対策など)、ソフトウエア領域(OS、再生アプリ、チューニングなど)の双方からのアプローチも必要だと思う。特にソフトウエアの面ではJPLAYによって進化を実感している部分はあるのだが、一方でソフトウエア領域は具体的な中身が判らずブラックボックス化してしまっている感もある。ソフトウエアベンダーは効能を謳うがその理論的説明をしていない(意図的?あるいはできない?)。単にCPUの処理負荷を減らす?ということも意義があることだとは経験から理解しているが、OSやシステム全体の安定性やシンプルな運用を損なうようなアプローチもあるので、それらが本当に良いのかどうか当方の駄耳で判断できるのか疑問無しとはしない。

だがしかし、あれこれ考えた結果としてPCオーディオもここまで来てしまった、と云える。CDトランスポートの音について先に 記載した が、我が家のロートルのCDトランスポートではどうやってもこの音は出ない。そして少しづつではあるが望む方向の音が出るようにもなってきたことは実感できるのである。


4way構成の設定備忘録(2017年1月16日現在)

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -4.0 0.0 -10.0 -7.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 -12.0 0.0
L-PAD抵抗
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +2.0 +6.0
Analog Att
OFF
スピーカーの
出力(想定)
dB 93.0 90.0 90.0 92.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

250
250

900
900

6300
6300

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 96-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 25.0 37.0 0 36.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Normal Normal Normal Normal JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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