オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その13)2016年8月24日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

かねてより自宅試聴を希求していたDante Audio Networkを我が家の4way環境でテストすることとなった。テスト用の機材としてはDante用ネットワークカードを組み込んだFanレスPCと8chマルチDAC(それにHUB)である。これらの機器は S&K Audio のご好意により借用させていただきしばし我が家で実験できることとなった次第である。もう本当にドッキドキである、、、、

左:FanレスPC、右:Dante 8ch Dac(VT-EtDAC)


今回のDante Audio Networkのテスト構成は、「デジタルファイル音源の再生」という点に特化してなるべくシンプルな環境となっている。一見複雑な様であるが、「既存環境との比較テスト構成図」を参照していただければ一目瞭然、機器構成は非常にシンプルである。なお、今回のテストに際してはデジタルボリュームを使用することも可能ではあるのだが、8chマスターボリュームを介在させており、以後のパワーアンプ、スピーカー周りの構成を含めて全く同一としている。

テスト環境構成図


PCにおけるソフトウエア構成であるが、再生アプリはJRMCを利用する。JRMCから見ると「Virtual Audio Cable」がサウンドデバイスのドライバーとなり、WASAPIでの駆動となる(ASIOは利用できない)。また、Dante Audio Networkの特徴としてはサンプルレートは固定となるため、全ての音源はJRMCにて176.4KHz/24bitへ変換(DSD音源も含めて)させている。JRMCの新しいバージョンではではサンプルレート変換に高品位なSoXが使えるので、この点は相性が良いと思う。

(注記)再生アプリはその他foobar2000など一般的なものが可能であり、これらのアプリの音源管理を含む多機能なところを使えるのがありがたい。もちろん、iPAD等からのリモコン操作も可能。ただし、ASIO対応のみのもの(Bughead)やJPLAYのStreamingなどは対応不可なので注意が必要である。(本件誤情報、下記参照)

2015年8月25日追記:
JPLAY Streamerによる再生は可能であることを 確認 したのでここに謹んで訂正申し上げる。

この「Virtual Audio Calbe」を経由して、MPP,DSPというデジタルチャネルデバイダー等の機能を持つソフトウエアにデジタルデータが渡される。MPP、DSPはFIRによるチャネルデバイダー機能の他、測定、補正などの機能も持っている。チャネルデバイダー設定は視覚的にもよく整理されておりシンプルで、全く戸惑うことなく既存の4way設定の移植が可能であった。MPP,DSPからはASIOインターフェースで4way、8ch分の出力がPCに内臓されたDante PCI-e Rカードに対して行われる。Dante PCI-e RカードからはLANインターフェースで後段の8chマルチDACへデータが送られる仕組みである。この部分の結線はLANケーブルのみなので、非常にシンプルで他のオーディオケーブルと違ってあまり距離も気にしなくて済む点は大きなメリットだと思う。マルチアンプのユーザーはいずれこの構成に切り替わっていくのでは、と予感のようなものもよぎる。

既存環境との比較テスト構成図


比較試聴用に用意した環境はJPLAYの単体PCモードで、OSはWindows Sever 2012Rである。音源はDante Aduio Networkと同一環境のNAS(ネットワークドライブとして読み出す)に置く。さて、この二つの構成でどのような音を聴かせてくれるであろうか。4wayのクロスオーバー、スロープ、レベルなどは設定値上は全く同一であり、補正は行っていない。聴き較べる。Dante Audio Networkからの音は明るく明晰でありシャープである。音離れも良くディーテールの表現も申し分ない。これは謂わば現代的ハイエンドかつ「プロの世界」の音なのかもしれないと思う。ただ、この辺り、Dante Audio Networkの機能そのものによるものなのか、JRMC、MPP,DSPを含めたソフトウエア機能の部分、またDACの違いに起因しているのか、現時点ではまだ判然とはしない。比すればJPLAYはガッツのある音のようにも思える。この先さらにVoyageMPDを含めた三者での比較も進めてみようと思うが、やはりそれぞれに個性が感じられてとても面白い。やはりオーディオはこうでなくちゃ~。

Dante Audio Network用PC(Windows10 Pro)の環境設定であるが、リモートデスクトップで各種設定操作したが、JRMCならびにMPP,DSPをスタートアップに登録すること、NAS(ネットワークドライブ)の自動マウントを行わせることにより、スイッチオン以外の操作は基本不要となるので、モニター、キーボード、マウス等は接続していない。また、シャットダウン用のショートカットアイコンを作っておけば、iPADからのリモートデスクトップ接続によりリスニングポイントに座った状態で電源オフもできるなど、使い勝手の面で困るようなことも無いと思う。まだテスト時間が浅いのであるが安定性に不安があるというもともない。

なお、Dante PCI-e R搭載状態でお借りしたFanレスPCは StreacomのFC10シャーシ で、偶然にも我が家で使用しているものと同じ。揃い踏みで記念写真をパチリ。このFanレスのシャーシ、本当にカッコ良く出来も秀逸なので国内で手軽に買えればいいのにと思う。ま、インターネットの時代なので、海外への注文にもそれほどもう抵抗はないとは思うのだが、、、

左:当方のPC、右:お借りしたDanteテスト用PC


next index back top