オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その10)2016年7月5日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

JCAT USB拡張カードに対抗すべく手持ちのUSB 3.0拡張カードで行った テスト ではほとんど差を認識できなかったのだが、今般USB DDCをKernel Streamingに対応したエレクトロアートのUDA Mini HDMI2基板に 換装 したことを受けて、改めてUSB 3.0拡張カード+電源ノイズフィルターのテストを行った。前回はJAVS X-DDCを使用したテスト構成であったため、INTONA USBアイソレータからUSB DDCまでのUSBケーブルには電源線無しのものを使用したが、今回は電源線有り(+アモルファスコアによる電源フィルター)のUSBケーブルを使用している。これはUSBの電源線が無いとUSBデバイスを認識しないというUDA Mini HDMI2基板の仕様(これが本来のUSBの仕様?)による。

USB3.0拡張カードとUDA Mini HDMI2基板のテスト構成:


元々、XMOSベースのJAVS X-DDCとFPGAベースのUDA Mnini HDMI基板では受ける音楽の印象が微妙に異なっていて、前者の方が明るく明晰である。比して後者は落ち着きがあり優しい感じ。当方の好みは後者の方なので、今回テストした結果の判断には贔屓目があるとは思うのだが、このUDA Mnini HDMI基板をベースとしたUSB DDCにおいては、USB 3.0拡張カード+電源フィルターの効果が実感できた。この辺りは、X-DDCの場合は電源線がそもそも無いことによって電源系ノイズの影響をあまり受けていない、と考えて良いのかどうかは正直分からないのだが。

今回のテストの結果から、我が家の標準環境として、USB 3.0拡張カード+電源フィルター経由INTONA USBアイソレータという接続構成を採用することとした。基板変更によるJPLAYのKsernel Streamingモードの恩恵と相俟ってだと思うが、我が家のPCオーディオもだいぶ納得の音に仕上がってきたのではないかとしばし自己満足している。

なお、テストはJPLAYのAudio PC(Windows Server、コアモード)で行ったのであるが、念のためにVoyageMPDでも若干のテストしたりといろいろやってみたのだが、このUSB 3.0拡張カードに対してSATA電源を別途供給しないとINTONA USBアイソレータを経由したコネクションが確立できない、ということが起こるのだ。マザーボードからPCI express経由の直電源のみでは容量不足がどうも起きてしまうらしい。このINTONA USBアイソレータはそこそこ電力消費をするために電源容量不足によってUSBコネクションが確立できないという事例も報告されているので、おそらくはPCI express経由でのUSB電源容量はかなりぎりぎりのものと推測される。これに対して、USB3.0拡張カードは本来はSATA電源ケーブル経由で電源供給する仕組みもの。(USB3.0ではUSB2.0より電源供給容量が大きくなければならないという仕様がある)従って、このUSB3.0拡張カード(+SATA電源)という構成であれば電源の余裕をもってINTONA USBアイソレータを駆動できる、ということが(音質的にも)隠れたメリットになっているのかもしれないと思う。

USBの電源の質、ならびに量の問題はPCオーディオにおいてはどうにも避けがたい課題であると再認識せざるを得ない。一方で、そこに対して適切な対応を行えば、それに伴って音質も向上していくのだが、現時点では「確立された」手法やテクニックがあるとは云えず、手探りで実験し、結果を取り入れていくしかない。一般論としては、ここまでやるか? というものもあるかもしれない。だが、オーディオである以上、妥協してしまえばそれ以上を望めない。やるからには徹底して最上を目指したいのだ。


next index back top