オーディオ日記 第34章 ブレークスルー(その17) 2014年12月30日


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さて、今年も残すところ今日と明日。この一年で我がオーディオの進展は多少なりともあったのだろうか。年末にあたりちょっと振り返ってみようと思う。

今年前半は昨年からの続きとして、ミッドローを加えた4wayマルチへのチャレンジを行い、いくつかの至高のユニット達を試す機会を得た。しかしながら、3wayでもまだまだ完成の域に達していない状況においての4way化の試行であったが故に、良くなった部分もそれなりにあったとは思うが、総合的な観点からは、自分のシステムの音として纏め切れなかったと言わざるを得ない。これはひとえに当方の力量不足だと改めて痛感している。しかしながらこのチャレンジを通じで、微妙に音の満足度を下げている要素がどの辺りにあるのかおぼろげに理解できたような気がして、まずはその部分を現行の3wayマルチアンプシステムで改善することが最優先事項であると考えるに至った。

自分なりに気がついた微妙に音の満足度を下げる要素は以下の2点であった。

1.低域(80Hzあたり)のディップに対してデジタルイコライザを使用していること
(これは単に当方の所有機器の音質的な問題でもあると思うのだが)
2.音量操作をデジタル領域で行っていること
(いわゆるデジタル絞り、4wayの試行において現有機器の構成上やむを得ない措置であったのだが)

これに加え、
1.3way構成におけるクロスオーバー周波数とスロープ特性の設定の詰めが足りていない
(まずはこの状態で納得できる音が出ていなければ、4wayなど無理)
2.デジタル信号の送り出しに関して音質改善のための電源系の考慮がなされていない
(ちょっとおろそかにしていた部分、自分でも分かってはいたのだが)

という課題もあり、年後半はこれをひとつづつ改善していくプロセスとなった。それぞれのテーマはその都度詳細を記述してきたが、簡単に纏めると、

1.3wayの設定の変更
(1)ウーファーユニットの受け持ち帯域を従来より高く(560Hzから710Hz)し、あわせて高次のスロープ特性(-24dB/Octから-96dB/Oct)を採用する。
(2)中域、高域のクロスオーバー周波数を少し下げ(11.2KHzから9KHz)、ホーンドドライバーは-6dB/Oct、ツィータは-24dB/Octという変則的なスロープ特性とする。

2.デジタルイコライザの使用停止
デジタルイコライザによる低域補正は行わず、ディップとなる部分の周波数帯域(80Hzあたり)をサブウーファー的な感覚でユニットを追加し量感を補う。 (結果的にサブウーファーを加えた4way構成にはなるが、受け持ち帯域は50~90Hzとかなり限定されている)

3.デジタル領域での音量調節は使わない
従来はともすれば(弊害を理解しつつ)安直なので、デジタル絞りに頼っていたが、これを厳禁とした。また、デジチャンにおける(ホーンドライバーの)出力レベルもデジタル絞りとなるので、これを最小にするため、 L-PAD型固定アッテネータ を使用し音量を減衰させて出力レベルのバランスをとる。ただし、デジチャンでのホーンドライバーのレベル調整は-2.7dBだけは残ってはいる。

4.PCオーディオ部分に対しする手当
USB DDCに対する外部12V電源はスイィッチング電源であったが、これを良質なアナログ電源に変更した。あわせてUSBケーブルは約30cmから、 15cmのもの(電源線はカット) に変更した。また、サブとしているVoyageMPD用のALIX3D2にも同じ電源ユニットから12Vを供給する。

こうやってまとめてみると、それなりに時間はかかってしまったのだが案外たいしことない施策である。しかし、一歩一歩の積み重ねも大事だと思う。主眼にした点はとにかく音がほんわり溶け合って音楽を気持ちよく聴けること。そして何より音色が美しいこと。そんな中でも空間的な定位や解像度、透明感というオーディオ的快感を失わない音。現時点でこの理想がすべて到達でき満点になったとは決して思わないが、これらの施策を実施する以前の音と比すれば自分の求める方向への着実な進歩(遅々とはしているが)はあったと確かに思う。

ただ、まだまだ課題は多い。

機器に関しては以前からの懸案事項もあり以下の2点をしっかりと考え、吟味していかねばならない。
1.8ch仕様のマスターボリューム
2.4way化への対応

また、取り組みの方向としてはデジタル音源(主となる44.1KHz/16bit音源)に対する更なる改善策のチャレンジ。ひとつはPCMtoDSDの試行の継続である。もうひとつはPCオーディオにおける音楽再生ソフトウエアの追求。PCM音源を改めてアナログ音源と比較するとどうしても好みはアナログに寄ってしまうのだが、これをやはり何とか打破したいのだ。

PCMtoDSDについてはチャレンジを開始したのだが、初手はちょっと残念な結果になってしまっているので、打開策を模索しているところ。音楽再生ソフトウエアに関しては、Bug Headが今も至高と思っているが、我が家の音楽再生専用PCのハードウエア、OS環境が古いため最新版に追随できないでいた。今般メインのPCをまずWindows7 64bitに変更し、Bug Headの最新版であるInfinity Blade 4.20のテストを遅まきながら開始したところ。Bug HeadはすでにDSD再生にも対応しているし、何よりアルバムカバーアートの表示という、音楽再生における視覚的楽しみにも対応するようになっている点が個人的にはとても嬉しい。遠からず再生専用PCでも最新版が利用できるようにしようと思う。


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