Updated at

asahi/ga/okaの味噌造り


9. 2006年の味噌造り

今年の結末はこちら

9-1. 悲惨な幕開け 2006/2/10

2005年に沢山作った味噌が今年もかなり後まで持ちそうなので、 今年の味噌仕込みは小さい甕に大豆2kgでよいことにしました。 1月中旬に一度、糀まで用意したけど、住人達が風邪で延期。 改めて糀を買い直し。なにやら波乱の予感・・・。

そして昨日木曜日、Fちゃんが大豆を水に漬けました。今年は量も少ないし、 一人でなんとかなるもんね。

ところが!

朝、A君を送り出したFちゃんが、水を吸って膨れ上がった大豆をみると

なんと、黒褐色の斑点が沢山! え゛っ

中には虫が齧った痕がしっかり残っているものもあります。 このまま煮て味噌にして、半年後に味がヘンだったら、目も当てられません。

覚悟を決めたFちゃん、膨れ上がった大豆をひとつひとつ検査して、 駄目なところを包丁で削ぎ落とす作業を始めました。 2kgの大豆、いったい何粒あるのかしら。 いつまでたってもまだまだ沢山残ってます。げっそりしながら、Fちゃんの作業は続きます。 始めは台所に立って、そのうち疲れ果てて椅子に座って・・・


実はね、今年の大豆は、これまでとは別のところで買ったものでした。 こちらも無農薬栽培でしたが、結構安く手に入ったのです。 でも、こうして選り分けてみると半分・・・まではいかないけど1/3以上ははねられちゃいます。 ちっとも安くないじゃない!

でも、まてよ・・・。そういえば昔、おばあちゃんが、煮る前の小豆を、 時間をかけて丹念に選ってましたっけ。今回の大豆は、それと同じだったのね。 昔ながらの無農薬の大豆。当然、虫もついてるし、黒いのもついてます。 選り分ければ分量が減るし、選り分ける手間もかかります。 昨年までの大豆が高かったのは、つまり選り分ける手間賃と捨てた分まで考えれば、 当然だったんです!

豆単位で選り分けるんじゃなくて、ふやかした大豆を包丁を使ってさらに半分以上を残す。 これは、丹精こめて作ってくださった農家の方々に対する、食べる側の精一杯の努力よね!

そう考えて、気を取り直して、Fちゃんの難行苦行は深夜まで続いたのでした。 (A君ったら呑気に記事なんか書いてて、もう!)

どうぞ大豆様、Fちゃんの努力に免じて、美味しい味噌になって下さいまし!

9-2. 終わり良ければ・・・ 2006/10/9

大豆様は、Fちゃんの願いを聞き届けてくれたようです。

初夏にやるはずの「天地返し」。asahi/ga/oka では秋も深まった本日、ようやく執り行われました。 (これって普通「蔵出し」って言わない?)(いいの!まだ仕舞っとくんだから!)

時期が時期ですから、もちろんもうすっかり味噌は出来上がってました。 天地返し省略で放っておいたから、一番上には滲み出した醤油がたっぷり。そのせいか黴はほとんどなし。

そして、そして!! Fちゃんが一生懸命選り分けた大豆は、見事に茶色のいい匂いの味噌に、 変身していたのです!! 嘗めてみると、しっかりした味にほのかな甘味まで含まれて、本当に上出来の味噌です。

遅まきながら天地返しをしました。中のほうは、麹が吐き出した空気がたっぷりで、ふわふわしてました。 選り分けられた良い大豆で、麹も張り切ってくれたのね。嬉しいな!(F) (仕込みの時だけじゃなくってぇ、その後もぉ、ちゃんと世話してよねー。)(大豆と麹 談)

もうじき2005年の味噌がなくなります。そしたらいよいよこの選り分けられた大豆製の 2006年味噌の登場です。早春のFちゃんの努力は十分報われたのでした。

後記:11月初めから、この努力の成果の味噌を食べ始めました。 なんとこの味噌、バターのような味がするのよ!色などは普通のと変わらないんだけどね。 asahiga/oka 住人たちは目下毎日、ちょっと洋風な味噌汁を楽しんでいます。 さて、来年はどうしようかなー♪(F)


どうです?みなさんも“自家製味噌”やってみませんか?
ご感想、ご質問は ご記帳所へどうぞ。

1. 序 2. 当日になって 3. "asahi/ga/oka"の味噌造り 4. 目下熟成中 5. 今年の味噌の出来 6. こぼれ話
7. 2003年の味噌造り 8. 2005年の味噌造り 9. 2006年の味噌造り 街路へ戻る