※今年はA君が写真班も兼務で張り切ったので、 ちょっと重いページになりました。 詳しい説明は2002年のページもあわせてご覧下さい。
イージーゴーイングの2003年、中止の2004年の後だけに、 今年の"asahi/ga/oka"は新年早々から、 味噌造りの気運がどんどん高まり(え?)、 花粉飛散開始前に仕込もうと、早々と相談がまとまりました。 (えー?)(何か?)(何も…)
幸い、糀屋三郎衛門さんのところの、糀の蔵出しの予定ともうまく合いましたので、
本日無事、塩切り糀2sと国産大豆4sが届きました。
当初の予定どおり(え?)、
夕食の済んだ後、最初の仕事に取り掛かります。
・・・といっても、要するに大豆を水に漬けるだけ。
これで明日には充分水を吸った大豆を、煮ることが出来るでしょう。
手前が、明日に備えて待機する圧力鍋です。
仕込みの準備は腹ごしらえから。 主担当者Fちゃんの負担軽減のため(え?) 宅配ピザを頼みました。(書いちゃダメ!) 昼食の後、いよいよ仕込みにかかります。
半日で充分に水を吸って膨れ上がった大豆を、圧力鍋で煮始めます。
同時に、甕やミンサーなどの準備を進めます。
"asahi/ga/oka"で豆を潰すのに使うミンサーをご紹介します。
右は、最後に分解洗浄して干しているところ。この後、油を引いてから仕舞います。
最初の1鍋分は幾分柔らかめに煮上がりました。 それが今回最大のトラブルの原因となりました。 まだミンサーが乾いて冷えているところに、柔らかな豆がなだれ込んだので、 漏斗の先から出口の間で、豆の形が崩れてくっ付き合い、詰まってしまいました。 やむなく一旦ミンサーの中を洗い直すハメに…。 この柔らかさならミンサーなぞ要らず、手で潰してしまえばよかったのでした。 やっぱり2度も仕込みをパスしたためか、こういった感覚を忘れちゃってましたねー。 (反省!)
今回の分量の大豆だと、鍋5回ではちょっと余る量になりました。 2回目からは圧力鍋の時間を12分から11分に変えて、丁度いい柔らかさの 煮上がりにしました。これでミンサーは順調に豆を潰してくれるように なりました。
潰した豆は、糀と合わせます。
今回はもう塩を混ぜ込んである「塩切り糀」(右図)を使いました。
潰した豆と糀を合わせるのに、"asahi/ga/oka"では
ビニール袋を使います。混ぜるのに体重を掛けられるように、
大きくて厚手の丈夫なものがよいので、
今は左図の漬物袋を使っています。
ミンサーで潰した圧力鍋1回分の大豆を、ビニール袋に入れたところ。
これに、大豆の煮汁を加えて、冷まします。
塩切り糀と合わせる前に人肌の温度になっていないと、糀が死んでしまうんです。
大豆を全部潰し終えて、煮汁と共に「触って暖かい」くらいまで冷めたら、
塩切り糀を加えます。(下図)最初は糀と大豆がバラバラです。
これを、ビニール袋をひっくり返しては、その外から体重をかけて、
糀と大豆を混ぜていきます。
長くても10分もすれば、上の図のように糀(白い粒)と豆(薄茶色)が
馴染んで来ます。焼く前のハンバーグくらいの固さが良いようです。
糀だけの部分がなくなれば、「仕込み味噌」の出来上がりです。
仕込み味噌を甕に詰めていきます。今回は大豆4sなので、
大きい甕だけを使います。後ろに見えるのが、2003年に
仕込んだ(詰め替えた、でしょ!)ときの
小さい甕です。
甕は予めよく洗い、焼酎で消毒しておきます。
(誰だっ、ブランデー使ったの!)
仕込み味噌を片手で掬って、中の空気を逃がしながら丸めます。
これを甕の底にエイヤッと叩き込みます。(下左図) これも中の空気を追い出すためです。
さらに手で押さえて隙間を潰していきます。(下右図)
大豆4s、糀2sに水で、仕込み味噌は8kgくらいあります。
これを全部、叩き込んでは押さえていきます。丁寧に、丁寧に。
全部入りました。お疲れ様!
雑菌の侵入を抑えるために、まず塩で蓋をします。
こんなに塩を敷いたら、味噌が塩っ辛くなりそうに思っちゃいますよね!
でも使った塩の量は、実は大したことないんですよ。
ラップで表面を覆って空気を遮断します。
そんなに神経質にならなくても大丈夫みたい。
落し蓋と重石を載せます。
甕には仕込みの記録を貼り付けておきましょう。
最後に新聞紙で甕の口を覆って紐で縛ります。
これを保存場所(味噌造り場の床下、上げ蓋を開けた下の収納庫)に収めて、
味噌の仕込み作業は全部終わりです。
普通なら4月末か5月には「天地返し」をして、全体を馴染ませます。 でも、今年は諸事情により(ポリポリ ^^;) asahi/ga/oka の味噌造り場は6月にずれこみました。 (えー、だってラッキョもあるし梅もあるし、忙しいのよ!)
甕を出して蓋を開けてみると、あらま。いつもよりずっと、黄色味が残っています。 今年は遅くまで寒さが残ったから、糀さんたちがあんまり頑張れなかったのかしらね。 黴のつき方も、例年よりずっと少ないし。
ともあれ一回、甕の下の方まで掘り起こして、また均して、元通り蓋をして味噌蔵に戻しておきます。 この調子だと、夏が過ぎて秋になってからが、賞味期間の始まりかもね。
いよいよ蔵出し。天地返しも遅かったし、発酵の進み具合もゆっくり気味だったので、 秋もだいぶ深まってからになりました。 (えー? 住人がゆっくりし過ぎただけでしょ!) (それ言っちゃ駄目!)
夜、4ヶ月ぶりに蔵から出てきた甕。外見は大丈夫そうです。
でも、あけてみるとさすがに黴が!白いのやら黒いのやら、 表面のラップの周辺から中にも発生しています。 つまり、黴菌にとっても美味しい味噌だってことよね!
天地返しのときに味噌の表面を覆ったラップと、今の味噌の 表面の間に、1cm近い隙間ができています。発酵が進んで 体積が減っちゃったのかしらね。その隙間に黴が入り込んでます。
丁寧に黴を取り除いていきます。(下図) 味噌の表面の黒ずんでいるところも、5mmから1cmくらい削ぎ取ります。 もう、あたりには味噌の美味しそうな香りがたち込めてきます。
黴をとった後はもういちど 焼酎で消毒して、蓋をしておきます。
おっとその前に、これから暫く使う分を、 普段使いの容器に移さなきゃね。これから春くらいまで、 こうして何回かに分けて、甕から出して食べていきます。 (誰ですか?指で掬って舐めてるの!)
早速、味噌汁にしてみました。糀のせいか、気温のせいか、 比較的あっさりした味。八丁味噌とあわせるとよさそうね。 これから先、どんなふうに味が深くなっていくのか、楽しみです。
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