2017年10月の映画  戻る


女神の見えざる手 MISS SLOANE
2017年 132分 仏/米 
監督 ジョン・マッデン 「恋に落ちたシェイクスピア」
脚本 ジョナサン・ペレラ
編集 アレクサンダー・バーナー 「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
キャスト ジェシカ・チャステイン(「オデッセイ」 ロビイスト・スローン)/マーク・ストロング(ロビー会社のCEOシュミット「キングスマン」
)/ググ・ンバータ=ロー(銃規制活動家エズメ・マヌチャリアン)/アリソン・ピル(敵方ジェーン・モロイ「エイプリルの七面鳥」)/マイケル・スタールバーグ (敵方パット・コナーズ)/ジェイク・レイシー(エスコートマン・フォード「キャロル」)/サム・ウォーターストン(敵方ジョージ・デュポン)/ジョン・リスゴー(上院議員)/ディアン・ベイカー/エニス・エスマー(味方「ブラインドスポット タトゥーの女の大金持ちのハッカー」)
メモ 2017.10.28(土)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
大手ロビー会社「コール=クラヴィッツ&W」のエリザベス・スローンはやり手のロビイスト。次々と敵を血祭りにあげている(らしい)。いまんとこ負け知らず。
感想
激しい戦いに圧倒された。容赦ない。生きるか死ぬかです。戦うと決めた時はこういう覚悟がいるんやわ。
すべてをみせないラストもよかった。
  
お話はアメリカ大国を二分する「銃規制法案」をめぐるロビイストたちの戦い。議員の奪い合い。
弱小ロビー会社は銃製造会社の潤沢な資金と既得権益を離さない人々、そして広大な国土での安全という高い高い壁に挑む。挑む側も清廉潔白ではいられない。
 
まさしく肉を切らせて骨を断つ。そして ひとりで世界と戦えない
 
お上のゆう通りの農耕土着社会の日本と、一旗揚げようとやってきた人々の子孫で「国は自分たちで作るもの」の米国の違い。日本では税金を払うのは「支払(PAY)」ではなく「納付」(しかるべきところにしまう)。
おすすめ度★★★★1/2戻る

亜人
2017年 109分 日本 東宝/プロダクションI.G
監督 本広克行(もとひろかつゆき)
原作 桜井画門(さくらいがもん)
主題歌 THE ORAL CIGARETTES「BLACK MEMORY」
出演 佐藤健(さとうたける・003永井圭)/綾野剛(001佐藤)/玉山鉄二(戸崎優)/城田優(しろたゆう・002田中)/千葉雄大(ちばゆうだい・ハッカー奥山)/川栄李奈(元AKB48、戸崎の部下・下村泉)
メモ 2017.10.21(土)TOHOシネマズ梅田
あらすじ
世界に何度も再生する新人類が現れる。
研修医の永井圭も思わぬ交通事故により衆人の前で再生し、はからずも亜人と断定される。
彼が巻き込まれた運命は生きたまま何度も切り刻まれ、再生させられる地獄だった。
3日間で手足を切られ20回以上も殺され再生を強いられるという人体実験をされていた永井圭を救ったのは、
同じ亜人であり施設からの脱走に成功した佐藤。
感想
この間地下鉄御堂筋線に乗っていたら、20代の女の子ふたりの内ひとりが「亜人よかった〜」と言ってはって
耳をそばだてる。
またしても「亜人、よかった〜」との発言。
「あそこがよかった、とか、誰それがよかった、とかの情報はないん?」
と思ったもんの、見てわかりました。
見目良い男を各種取り揃えてあって「よかった〜」としか言いようがない。全部いい。
ストーリーも原作をうまく脚色し、コンパクトにまとめられている。
ただひとつ、永井圭が生き地獄から救ってくれた佐藤に反発する理由が弱い。えらい恩人やんか。圭が人を救う医者としても苦しいところ。
 
紅一点の川栄李奈(かわえいりな/三太郎の織姫)の演技はたどたどしいが、アクションはがんばっていた。
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ユリゴコロ
2017年 128分 日本
監督・脚本・編集 熊澤尚人
原作 沼田まほかる
出演 清原果耶(美紗子)/吉高由里子(美紗子)/松坂桃李(亮介)/貴山侑哉(亮介の父)/松山ケンイチ(洋介)/佐津川愛美(みつ子)/清野菜名(亮介のいいなづけ千絵)/木村多江(細谷)
メモ 2017.10.14(土)なんばパークスシネマ
感想
前半すごくいい。
 
心のない美沙子は何も感じることができない。世の中とかかわることは苦痛でしかない。
唯一興味を持ったのは”死”。その結果周りに災いをもたらしていく。
見ているとこっちの心が冷たくなっていく。怖い。
みつ子(佐津川愛美)のうつろな心も洋介(松山ケンイチ)のせつせつとした心もとてもよかった。ふたりともうまいー。
 
ところが、
後半、失速する。もともと子供の頃、中学時代、20代に比べて現代がどこかぎこちない。
最期なんて二時間サスペンスの断崖絶壁の様。
 
  泣くな〜  説明するな〜  松山ケンイチをだいなしにするなー
 
とわめきました(心の中で)
(原作読んでないんですけどね)
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僕のワンダフル・ライフ A DOG'S PURPOSE
2017年 100分 米国
監督 ラッセ・ハルストレム
原作 W・ブルース・キャメロン「野良犬トビーの愛すべき転生」
撮影 テリー・ステイシー
編集 ロバート・レイトン
キャスト ジョシュ・ギャッド(ベイリー、エリー、バディ)/ブライス・ガイザー(8才のイーサン)/K・J・アパ(ハイスクールのイーサン)/デニス・クエイド(50代のイーサン)/ブリット・ロバートソン(ハイスクールのハンナ)/ペギー・リプトン(ハンナ)/ジュリエット・ライランス(イーサンのママ)/ブライス・ガイザー(イーサンのパパ)/ジョン・オーティス (警察犬ジャーマン・シェパード・エリーの飼い主カルロス)/カービー・ハウエル=バプティス(コーギーの飼い主マヤ)
メモ 2017.10.7(土)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
名前なし→ベイリー→エリー→ティノ→バディと50年の間に5回前世の記憶を持ったまま転生する犬生。ベイリーには心残りがあった。
犬生は人間に左右され幸せな時も不幸な時もある。
幸せな犬生は空気の臭いをいっぱい感じ、やたらそこらを探索し、広いところを意味なく走りまわり、飛び、ボールをキャッチする。そして人間の相棒。
感想
ベイリーが麦畑を走るシーンがすごく良かった。
 
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ 」 「やかまし村の子どもたち」 「ギルバート・ブレイク」のラッセ・ハルストレム監督作品。
 
ウチが住んでいるマンションは老い、それにつれて子供は少なくなり年寄りが飼う犬が多くなった。それほど犬好きでもなく、一部の飼い主とそのお尻のゆるい犬に日々殺意すら覚えるさぼてんでさえ、しみじみいい映画と感じる。「とらわれて夏」みたいな趣かな。
 
「犬との別れ」を経験した「犬は家族の人たち」は自分たちより短命な飼い犬がこうであってくれたらと願うと思う。生まれ変わりと思えるのか同じ犬の種類を飼いつづける人も多いみたいやし(単にその犬種が好きなのか)。会社の先輩はゴールデン・リトリバーを飼いつづけてはる。その先輩の北海道の知り合いはセント・バーナードらしい。一方会社の知り合いの人は子供の頃から飼っていた犬に先に逝かれて「二度とあんな思いはしたくない。」ともう犬を飼いはれへんみたい。
そうゆーたら飼い犬の寿命がつきそうといういう人が「じっちゃん、ばっちゃんが亡くなった時より悲しいのは何故?」とつぶやきながら帰って行かれたな。それは相棒やから? それとも自分より若いはずの弟やから?
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