2016年3月の映画  戻る


探偵なふたり 
2015年 120分 韓国
監督・脚本 キム・ジョンフン
撮影 キ・セフン
キャスト クォン・サンウ(探偵おたくカン・デマン)/ソン・ドンイル(刑事ノ・テス)/ソ・ヨンヒ(イ・ミオク)/パク・ヘジュン(友達イ・ジュンス)
メモ 2016.3.26(土) ビッグステップ シネマート心斎橋
あらすじ
漫画喫茶の経営そっちのけで推理に没頭しているデマン。未解決殺人事件のサイト運営にのめりこんでいる。仮想空間だけでは飽き足らず親友の刑事ジュンスを追いかけては、警察に出入りしてあれこれ口をはさみ排除される毎日。それなりに平和な毎日だったが、親友のジュンスが殺人の容疑で捕まる。めった刺しされた被害者は先輩の妻だった。親友のため、そしてなにより自分の生きがいのため捜査を始めるデマンの前に立ちはだかる鬼刑事テス。素人はひっこんどれと一喝される。
感想
ガタイがちゃっぽんしたのにケータイは無事なの? あんな人最初からいたっけ? 結局あのおっちゃんは事件と無関係やったわけ?
と、多少わかりにくく全部わかったとは言われへんけど、コミカルさの陰でそれなりの推理してる。 面白い♪  ぼーっと見ててはいけないんやわ。
下ネタはいただけないが、大好きな相棒探偵物語。
ジージー鳴る懐中電灯には「あほー」とクスクス笑った。
クォン・サンウがこんなに面白いとは。 鬼嫁が「チェイサー」のはかなそうなミジン役の人やったとは。
 
  女はみんな肉食動物なのだ!  (やつらと平和に生きるすべはない)
 
お薦め度★★★★戻る

サウルの息子 SAUL FIA
2015年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
2015年 107分 ハンガリー
監督 ネメシュ・ラースロー
脚本 ネメシュ・ラースロー/クララ・ロワイエ
撮影 エルデーイ・マーチャーシュ
字幕 齋藤敦子
キャスト ルーリグ・ゲーザ(サウル)
メモ 2016.3.20(日) シネ・リーブス梅田
あらすじ
6月6日Dデイから4ヶ月、1944年の10月ボーランド南部アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で雑務を行っているサウル。<ゾンダーコマンド(特別労務班員)>サウルのその雑務とは貨車で送り込まれて来た同胞のユダヤ人たちをシャワー室という名のガス室へ送り込み、事が終わった後は体を焼却炉へ運び、灰を始末し、シャワー室を清掃する事だ。強制収容所内にヒエラルキー(ピラミッド型の組織)がある。カポ(収容所監視員)に監視され口封じのため、数カ月後にはシャワー室送りとなる運命。ある日変事が起こる。重なる死体の下の少年にまだ息があった。医者が様子を見るが虫の息の少年は口と鼻を押さえられ事を完遂されてしまう。一部始終を盗み見ていたサウルに天啓が下りる。少年には教義に則った葬儀をしなければならない。  (ユダヤ教では火葬は死者が復活できないとして禁じられている)
感想
WOWOWやDVDでは絶対見ないなと感じたので映画館に見に行くことにする。
狂気の日々に常軌を逸して崩壊し少年をいるかいないかわからない息子と思い込み、葬儀に執着する話なのかと思ったら、「最期まで<人間>であり続けるために−」であった。
死体にはフォーカスがかかり、サウルたちはボロながらこざっぱりした格好をしており、小鳥がさえずり森がみずみずしく、幼い少年が現れ、どこか寓話の様。
手を変え品を変えホロコーストを伝え続ける、許さない、決して忘れないという強い執念が感じられる。
 
「マンガでわかる イスラムVS.ユダヤ 中東3000年の歴史」を最近読んで複雑すぎてよくわからないんやけど、吉村作治先生が巻末で「有史後何百という民族が滅亡したが、宗教と教義で結びついているユダヤ民族は滅ばない」という様な事を断定されていた。(教義:ある宗教・宗派が真理と認めている教えの内容 ・体系)
お薦め度★★★1/2戻る

ヘイトフル・エイト THE HATEFUL EIGHT
2015年 168分 米国
監督・脚本 クエンティン・タランティーノ
撮影 ロバート・リチャードソン
小屋を作った種田陽平
編集 フレッド・ラスキン
音楽 エンニオ・モリコーネ
キャスト サミュエル・L・ジャクソン(1.賞金稼ぎマーキス・ウォーレン少佐、元北軍騎兵隊)/カート・ラッセル(2.賞金稼ぎ”首つり人”ジョン・ルース)/ジェニファー・ジェイソン・リー(3.お尋ね者デイジー・ドメルグ)/ウォルトン・ゴギンズ(4.新任保安官クリス・マニックス)/デミアン・ビチル (5.メキシコ人の店番ボブ)/ティム・ロス(6.絞首刑執行人”小さき人”オズワルド・モブレー)/マイケル・マドセン(7.カウボーイ・ジョー・ゲージ)/ブルース・ダーン(8.サンディ・スミザーズ南軍の将軍)/ジェームズ・パークス(御者のO.B.)
メモ 2016.3.19(土) 大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
南北戦争の後の米国ワイオミング州。お訪ね者を捉え(撃ち殺し)賞金を得るため3死体を運んでいる最中、雪深い山中で馬が倒れてしまったマーキス。そこに通りかかった駅馬車に乗っていたのは同じ賞金稼ぎのジョン・ルース。手錠でつないでいるのは女。デイジーという賞金1万ドルのあばずれだそうだ。生きたままとらえ吊るすのがポリシーのルースにマークスはなんとか駅馬車に乗せてもらう。途中でまた新任保安官と名乗るクリスを拾う。ルースはクリスを黒人殺しで有名な南軍崩れと知っていた。しかし揉めるには時は急を要していた。猛吹雪が追ってきているのだ。とても町まで逃げ切れない。駅馬車は中継地コーヒーとシチューのうまい「ミニーの紳士洋品店」に避難する。
「ミニーの紳士洋品店」に着くと見知らぬメキシカンが馬の世話に現れる。ミニーは母親に会いに行き店番を頼まれたと言う。店には3人の先客がいた。男七人と女一人プラス御者は吹雪の山荘に閉じ込められる。
感想
面白い。嵐に追われ駅馬車が疾走するシーンもいい。 密室劇は70ミリという超横長画面らしい。
見せ場たっぷりにみんなが自分の役を楽しんでいる。間合いたっぷりのマイケル・マドセン。得々と復讐譚を話すサミュエル・L・ジャクソン。デイジーが何か言うたびにボコにするカート・ラッセル。物腰は洗練されているがうさんくさいティム・ロス。まだまだお元気な姿のブルース・ダーン。
その中でも特に印象的なのが紅一点。殴られて目に痣を作りながらも減らず口をやめないジェニファー・ジェイソン・リー。ビッチを楽しそうやわ。ギターの弾き語りまで披露する。
 
カート・ラッセルが出ているせいかもしれへんけど、「THE THING(遊星からの物体X)」に似ている。
 
     なかなか楽しいダンスだったな。 
 
お薦め度★★★★1/2戻る

キャロル CAROL
2014年 119分 英国/米国/仏
監督 トッド・ヘインズ
原作 パトリシア・ハイスミス
脚本 フィリス・ナジー
撮影 エド・ラックマン
キャスト ケイト・ブランシェット(キャロル・エアード)/ルーニー・マーラ(デパートのおもちゃ売り場の売り子テレーズ・ベリベット「ドラゴン・タトゥーの女」)/サラ・ポールソン(キャロルの親友アビー)/カイル・チャンドラー(キャロルの夫ハージ)/ジェイク・レイシー(テレーズの男友達リチャード)
メモ 2016.2.28(土) TOHOシネマズ梅田
あらすじ
朝鮮戦争後アイゼンハワー大統領の時代、クリスマスシーズンのアメリカ・ニューヨークのデパートは裕福な人たちでごった返していた。おもちゃ売り場の売り子テレーズに、豪華な毛皮をまとったゴージャスな女性が話かける。それは4歳の娘へのプレゼントの相談。「あなたが4歳の頃、どんなお人形を持ってたの」 「あまりお人形は持っていなかったんです。」 「あなたならどんなプレゼントが欲しい?」 「レールセット(電車)」
美女キャロルが忘れていった手袋を郵便で送ったことから、キャロルの家に招かれキャロルとテレーズの交友が始まる。
それは美貌と富に恵まれながら、幸せではないキャロルの姿を垣間見る事だった。
感想
1950年代を彩るファッション、メイク、車、街並み。 カットバック(2人を交互に写す)、ズームイン、クローズアップなど(よくわかんないけど)技巧を凝らし、すべての場面がフレームを通して観てるようで(実際そうやねんけど)絵になっているのが感じられる。テレーズをカメラマン志望に設定して、流れていく映像とはまた違う「その時を切り取り」 「無防備な生の姿を表す」ショットがいい効果を出してた。