2015年3月の映画  戻る


特捜部Q−檻の中の女
2013年 97分 デンマーク
監督 ミケル・ノルガード
原作 ユッシ・エーズラ・オールスン
脚本 ニコライ・アーセル(ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女)
キャスト ニコライ・リー・コス(カール)/ファレス・ファレス(アサド)/ソニア・リクター
メモ 2015.3.28(土) シネリーブル梅田
あらすじ
殺人課の刑事カールは事件で同僚を失い、もうひとりの同僚は四肢麻痺となり、自分も怪我を負い最悪なことに犯人はかいもくわからない。やさぐれているカールを持て余した警察は彼を捜査資料の整理を扱う部署に押し込めた。地下室にあるカールのために作られた部署「特捜部Q」だ。部下はよくわからないムスリムのアサドひとり。
数ある「終わった捜査ファイル」の中でカールが気になったのは美人議員ミレーデ・ルンゴーが5年前に行方不明になった事件。船旅の途中にいなくなり船から転落した事故かも、もしかしたら自殺かもとはっきりしない出来事。そやけど可愛がっていた障害のある弟を残して自殺する? そんな様子もなかったのに。違和感あると刑事のかん。
感想
特捜部Q「キジ殺し」の特捜部Qシリーズ「檻の中の女」の映画化
原作に忠実でよけいなものはなく、男が女に変わっているなんてこともなく、カール、アサドの両キャラクターも想像にたがいなく原作ファンも楽しめる稀有なミステリ映画。エグさは原作のほうが上。まあ映画は97分やしね。
これぞ警察物、相棒ものの王道をいってはって好きやわ。
 
カール役の役者さんが 「真夜中のゆりかご」の売人トリスタンやったと今知って驚いた。そういやあのアゴはそうやわ。
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シェフ〜三ツ星フードトラック始めました CHEF
2014年 115分 米国
監督・脚本 ジョン・ファヴロー(「アイアンマン」「スウィンガーズ」
撮影 クレイマー・モーゲンソー
編集 ロバート・レイトン
キャスト ジョン・ファヴロー(シェフ・カール・キャスパー)/ジョン・レグイザモ(相棒マーティン)/ソフィア・ベルガラ(元妻イネス)/スカーレット・ヨハンソン(モリー)/ オリヴァー・プラット(ラムジー)/ボビー・カナヴェイル(トニー)/ダスティン・ホフマン(レストランオーナー・リバ)/ロバート・ダウニー・Jr(資本家マービン)
メモ 2015.3.21(土) TOHOシネマズ梅田
あらすじ
ロサンジェルスの料理店のシェフ・カールは、新しい料理にチャレンジしたい! が、古風なレストランオーナと衝突しブロガーにも酷評され、その上怒り心頭、リミッターがはずれた爆発シーンがSNSにアップされあえなくクビ。問題児となり雇ってもらえるところも無く八方ふさがりに陥る。
意気消沈して故郷マイアミに帰るが、マイアミの明るさと周りの助けをかり持ち直し、新規蒔き直しすべくキューバ料理の移動販売を始めロサンジェルスを目指す。
感想
相棒のジョン・レグイザモに注視。人懐っこい笑顔でいつまでもやんちゃ。はまり役。映画ではずっとこの人を見ていた。キャスティングに、主演もしている監督さんのセンスが光る。前半がいい。
 
ネットでどん底に落ち、ネットで復活する。急に上がったり下がったりどっちに転ぶかわからず大変な世の中やわ。世の中が変わったとはいえ、それでも料理人と髪をカットできる人はどんな時代でもどんな世界でも生きていけると思う。(腕がよかったら)
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
2014年 115分 英国/イタリア
監督 モルテン・ティルドゥム
原作 アンドリュー・ホッジェズ
脚本 グレアム・ムーア
撮影 オスカル・ファウラ
編集 ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽 アレクサンドル・デスプラ
キャスト ベネディクト・カンバーバッチ(アラン・チ)/ューリングキーラ・ナイトレイ(ジョーン・クラーク)/マシュー・グード(ヒュー・アレグザンダー)/ロリー・キニア(ロバート・ノック刑事)/アレン・リーチ(ジョン・ケアンクロス)/マシュー・ビアード(ピーター・ヒルトン)/チャールズ・ダンス(デニストン中佐)/マーク・ストロング(スチュアート・ミンギス)
メモ 2015.3.14(土) TOHOシネマズ梅田 TOHOの日
あらすじ
1939年英国が独に宣戦布告し、英国は第二次世界大戦に参戦する。
連合軍が銃後で取り組んだのは占領されたポーランドから引き継いだエニグマの解読。最強と言われたドイツ軍の暗号だ。英国ではブレッチリー・パークに精鋭を集めて解読に挑むが、若き数学者アラン・チューリングは、ノートと鉛筆ではなく機械を組み立て始める。
感想映画
「掟−ブレイキング・ザ・コード」は、数学者アラン・チューリングの戦後に重点を置かれていたが、「イミテーション・ゲーム」は戦争中、抵抗を跳ね除けマシン(コンピュータ)を作り総当りしながら解読を進める姿を描く。24時間で暗号表が変わるので、午前0時になると一日の成果はご破算となる。そんな賽の河原の石積み作業をチームは繰り返す。毎日暗号が変わるといゆう事は「今日の暗号表」がどこかの通信に紛れ込んでいる訳で、無数の傍受記録からそのキーを見つけマシンに設定し解読する。
解読ができたら「バンザイ!」ではなく、ここからが非情な戦争となる。相手に気取られないように、わかっていながら味方を救わず徐々に戦況を有利に進めなくてはならない。今でいうビッグデータを解析して、どの戦いを捨てどの戦いを救うか作戦を練る。
なかなか見応えのある映画やった。ドイツ軍は最強の暗号を持ちながら勝てなかったのか。技術だけではだめなんやね。技術もひとつに頼りきっていてはだめなんや(シャープやね)。そしてアベノミクスの3本の矢になるんやね。
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おみおくりの作法 STILL LIFE
ヴェネチア国際映画祭監督賞
2013年 91分 英国/イタリア
監督・脚本 ウベルト・パゾリーニ(「パルーカヴィル」  「フル・モンティ」
撮影 ステファーノ・ファリヴェーネ
編集 トレイシー・グレインジャー/ギャヴィン・バックリー
キャスト エディ・マーサン(ジョン・メイ 「シャーロック・ホームズ」レストレイド  「アリス・クリードの失踪」)/ジョアンヌ・フロガット(遺児ケリー)/カレン・ドルーリー(メアリー)/キアラン・マッキンタイア(ジャンボ)/アンドリュー・バカン(プラチェット氏)/ニール・ディスーザ(シャクティ)/ポール・アンダーソン(ホームレス1)/ティム・ポッター(ホームレス2)
メモ 2015.3.4(水) シネ・リーブス梅田
あらすじ
ロンドンのケニントン地区の民生係ジョン・メイの仕事は、ひとりで亡くなった人の身寄りを探し見つからない場合はひとりで葬儀をあげ葬る事。ジョンは40代半ばの一人暮らしで規則正しい毎日を静かに送っていた。
ある日、ジョンの真向かいのアパートでビリー・ストークというアルコール依存症の年寄りが亡くなり1か月後に見つかる。近くに住んでいながら知らなかった事にショックを受けるジョン。さらに上司から「仕事の効率化」を図るため解雇を言い渡される。ビリーの案件が最後の仕事となった。ビリーはどんな人生を送った人なんだろう。
感想
主人公は「死」を忌みせず、死者に取り憑かれる恐れもいだかず、死者を見守っている。
ええなあ(ため息)。こういう丁寧な仕事ぶり。
 
身よりもなくひとりで死を迎える話でありながら、「案外えー人生送ってはったんとちゃうかな」と思わす明るさとちょっとブラックなユーモアもある。
ラストがいい。功徳を積みはったんやね。
 
「孤独死」って悪いみたいな言葉やね。そうなんかな。係の人に苦労かけるのは申し訳ないから、早く見つかるようなシステムができればいいのにな。
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