2015年月の映画  戻る


真夜中のゆりかご
2015年 102分 デンマーク
監督 スサンネ・ビア(「「未来を生きる君たちへ」)
原案 アナス・トマス・イェンセン/スサンネ・ビア
脚本 アナス・トマス・イェンセン
キャスト ニコライ・コスター=ワルドー(刑事アンドレアス)/マリア・ボネヴィー(アンドレアスの妻アナ)/ニコライ・リー・コス(麻薬の売人トリスタン)/リッケ・マイ・アナスン(トリスタンの連れサネ)/ウルリク・トムセン(アンドレアスの同僚シモン)
メモ 2015.5.16(土) 大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
刑事アンドレアスの毎日は充実している。家に帰れば美しい妻アナ、7ヶ月のかわいい息子アレキサンダーが待っている。湖畔の木の家は美しい。幸せいっぱい。ただ息子の夜泣きにはちょっと弱っている。
反面仕事は厳しい。通報で駆けつけてみれば、ヤクの売人トリスタンのアパートはゴミだらけ、愛人のサネはだらしなく赤ん坊は戸棚に閉じ込められ、おしめも換えてもらえず放置されていた。大切にされている息子との違いにアンドレアスの胸は痛む。
そんなある夜、悲劇が襲いかかる。
感想
スリリングな展開でどきどき。よく出来た脚本と北欧の冷たく深く暗い夜の映像やった。橋の上で車のライトに照らされるゆりかごのシーンは鬼気迫る。
アンドレアスの決断は思ったようにはならない。人の心は読めず、悲劇が形を変えて何度も襲いかかり、見えていたことと本当のことは違っていて二転三転する展開に目がくぎづけ。
人生何が待ち受けているかわからず、手に入れるのには時間がかかるのに、失うのは一瞬なん。
 
私はアンドレアスの決意は間違ってはいなかったと思う。
以下ねたばれ
あそこに置いてくるのはできるこっちゃない。心がキリキリする。でもひとりは救われたと思う。
お薦め度★★★★1/2戻る

ブラックハット
2015年 123分 米国
監督 マイケル・マン
脚本 モーガン・デイヴィス・フェール/マイケル・マン
撮影 スチュアート・ドライバーグ
出演 クリス・ヘムズワース(ハサウェイ「アベンジャーズのマイティ・ソー」)/タン・ウェイ(チェン・リエン)/ワン・リーホン( チェン・ダーワイ)
メモ 2015.5.9(土) TOHOシネマズ梅田
あらすじ
サイバーテロにより香港の原子炉が攻撃され、米国の金融取引がズタズタにされる。
最後の対抗手段として当局が担ぎだしたのは「毒を持って毒を制す」。ハッキングで長期服役中のプログラマーハサウェイは釈放と引き換えに犯人を追うことになる。中国当局を率いるチェンとは大学時代のルームメートだ。チェンにはきれいで賢い妹がいた。
感想
便利さの裏の「今そこにある危機」を題材にスマッシュヒットのアクション映画。
ものすごく真面目やねん。映画も登場人物も作り手も。悪が案外チンケなヤツやったのが更に恐ろしい。こんなヤツでもお金があれば世界を繋ぐネットを使って悪いことできるんやわ。
あのきれいな打ち上げ花火もコンピュータ制御やねんね。
お薦め度★★★★戻る

龍三と七人の子分たち
2015年 111分 日本
監督・脚本 北野武
出演 藤竜也(龍三)/近藤正臣(マサ)/中尾彬(はばかりのモキチ)/品川徹(早撃ちのマック)/樋浦勉(ステッキのイチゾウ)/伊藤幸純(五寸釘のヒデさん)/吉澤健(カミソリのタカ)/小野寺昭(神風のヤス)/安田顕(京浜連合の西)/矢島健一(京浜連合の北条)/下絛アトム(京浜連合の徳永)/勝村政信(龍三の息子龍平)/萬田久子(ママ)/北野武(刑事)
メモ 2015.5.5(日) 大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
引退した元ヤクザの親分龍三(藤竜也)。今は息子一家に身を寄せている身分。弟分のマサ(近藤正臣)と話をする内に、元暴走族の半グレ、新興の京浜連合が老人相手の悪徳商法、オレオレ詐欺で荒稼ぎをしているのを知る。対抗するため年賀状をやりとりしている元ヤクザ達に連絡をとり、新しい組をつくる。
世直しのためではなくあくまで自分たちのため。要するに暇。龍三とその子分は男の花道を飾るため突撃する。警察は漁夫の利を狙う。
感想
「男はほんまにかさ高い」って映画。年取っても男のプライドは衰えず、流されず、好々爺にはなれず。
北野武監督はヤクザを描きはるね。暴力と血、仲間、そして刹那的な生き方に惹かれるんやね。
一番印象深いショットは、教え子の同窓会へ招かれたと思った恩師が看護師さんふたり引き連れて駆けつけるところ。監督さんの恩師への愛情なのか、「先生って生き物は」っていう嘆きなのか、ただ面白いから入れたのかどうなんかな。
老い先短い老人という「本当の命知らず」を知った京浜連合の西(安田顕)の狼狽ぶりが面白い。この人お気に入りなんやわ。
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マジック・イン・ムーンライト MAGIC IN THE MOONLIGHT
2014年 98分 米国/英国
監督・脚本 ウディ・アレン
撮影 ダリウス・コンジ
衣装デザイン ソニア・グランデ
編集 アリサ・レプセルター
キャスト コリン・ファース(マジシャン・スタンリー)/エマ・ストーン(霊媒師ソフィ)/アイリーン・アトキンス(スタンリーのおばヴァネッサ)/マルシア・ゲイ・ハーデン(ソフィの母ベイカー夫人)
メモ 2015.5.3(日) なんばパークスシネマ
あらすじ
1928年のヨーロッパ、南フランスの富豪の家に入り込んだ霊媒師の正体を暴こうとマジシャンのスタンリー(コリン・ファース)は乗り込む。ところが目を見開いてもトリックはなく、霊媒師は身内しか知らない個人的なことを語り、ミイラ取りはミイラになり霊界を信じる。
感想
マジシャンでありながら「夢を売る人」ではなく、現実主義者でペシミストで皮肉屋の英国人スタンリー。お前さん、マジック演じてて楽しい? という鼻持ちならぬ男が罠にはまっていく姿が愉快。ガミガミゆうコリン・ファース、ジレンマに陥り煩悶するコリン・ファース。目を見開いて無邪気さを装うエマ・ストーン。きどったマルシア・ゲイ・ハーデン。英国と米国の役者が楽しい。
お薦め度★★★戻る