歴史のシリア〜ハマ
 
Hama
 
 
ハマ
 

 
水車の街
 


   
庭園都市
オロンテス川が街の中心を蛇行し、そのほとりにいくつもの巨大な水車が回っています。ハマを代表する風景です。河岸の緑も美しく、砂漠の景色を見慣れてきただけに、外国にでも来たかのような錯覚にとらわれます。しかし歴史は古く、旧約聖書の時代から人々の活動の舞台になってきました。
   

   
美しい街の悲劇
1982年、対立するイスラム同胞団を殲滅するためシリア政府はこの街に大規模な爆撃を行いました。20万人弱の人口のうち1万人から2万5千人が犠牲になり、そのほとんどが一般市民だったと伝えられています。街をざっと歩いた限りはそんな悲劇の跡は見当たらず、穏やかな時間が流れていました。
   

  ギィーッ、ギィーッ、ギィーッ、ガタン。     重い音をきしませ、水車が回ります。  

   
時計塔
水車越しに川を挟んだ対岸がハマの中心街です。白を基調とした建物の合間に青々と葉を茂らせた木々が見え、どこか南欧のような風情も感じられます。屹立する時計塔がランドマークとして、時間とともに自分の現在位置を知らせてくれます。このお洒落な感じもヨーロッパっぽい。
   

   
水の利用法
これだけ水車があるということは、よっぽど水を使いたいニーズがあったはず。で、引かれた水の行方をたどっていくと、河岸にある庭園の池につながっていました。農業用水とかじゃないんですね。頭上から絶え間なく降り注ぐ水を、水鳥が不思議そうな表情で眺めていました。
   

 
街角の風景から
 


       
 
ガソリンスタンド
ユーフラテス川沿いの砂漠で油田が発見され、シリアは産油国の仲間入りを果たしました。しかし寂しいスタンドを見るかぎり、国民経済への寄与はこれからのようです。
 
昔の家
ピーハウスと呼ばれる土で造った円錐の家。昔はみなこうした家に住んでいたそうですが、今では農村に時折見られる程度とか。イタリアのアルベロベッロみたい。
 
遊牧
パルミラからホムスを経由してハマへ。途中、道路を横切る羊の群れに出会いました。砂漠には昔ながらの遊牧をしている人々もまだたくさんいます。
 

   
ベドウィンの少年
群れの頭目らしきベドウィンの少年。たった一人でこれだけの頭数を管理しているのだから立派なものです。外国人である私たちが珍しかったのか、気軽に記念撮影に応じてくれました。しかし、写真を撮っている間に羊が逃げ出してしまい、少年は慌てて後を追うことに。悪いことしたかな。
   

   
待て待てーっ!
そんなわけで、責任を感じた私たちも一緒になって羊を追うことに。砂埃がもうもうと舞い上がる中、大捕りものの始まり始まり。そのかいあって無事みんな元の群れに納まりました。少年には感謝されたけど、実は足手まといになってたんじゃないのかな。やっぱり悪いことした。
   


   

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