歴史のシリア〜クラック・デ・シュバリエ
 
Crac des Chevaliers
 
 
クラック・デ・シュバリエ
 

 
十字軍の城
 


   
丘の上
ここクラック・デ・シュバリエは、十字軍が残した城の中で最も保存状態の良いものとして知られています。切り立った丘の上に建つその姿は凛として、なにものにも侵されない聖地であるかのようです。最初に見たときは教会かと思いました。きっとどこかキリスト教っぽいところがあるんでしょうね。
   

   
城壁
城の本体を覆う壁は、白い煉瓦を隙間なく積み重ねて造られています。組み合わせの見事さもさることながら、凹凸のないように磨き上げられた表面が、空の青さと鮮やかなコントラストを描き、美しさに一層拍車を掛けています。1000年近い間、この状態でよくぞ残っていたものだと感心することしきりでした。
     
城の周囲にはオリジナルの堀が、今も水を湛えた姿で一部残っています。これを見た時「考えることが日本人と似ていて不思議だ」と思いましたが、そもそも城という建造物の持つ軍事的役割や機能を考えると、防御用に堀をわたすというのは当然の発想なのかもしれません。この幅とこの厚み、難攻不落だったろうな。
   

       
 
二重の防御
外側を取り囲む防御壁は十字軍から城を奪ったマムルーク朝によって築かれました。イスラム様式の建築ながら城の外観とよくマッチしていて、美しさに輪をかけています。
 
アーチ天井
マムルーク朝時代には城の内装にも修復の手が加えられました。その結果、ヨーロッパとイスラムの融合という建築史上の新たな価値が加わることになりました。
 
城内の全景
南西角にある見張り台に登ると内部の全景が一望です。城自体が丘の上にあるだけにいつも風が強く、手すりもないのでけっこう怖い。立つのには勇気が要ります。
 

 
サフィータ
 


       
 
展望ホテル
この日はクラック・デ・シュバリエ近郊のサフィータに宿をとりました。これも丘の上、というか斜面に建っていました。吹き抜けになったロビーからの眺望が最高。
 
朝もや
翌朝目覚めてみると、眼下には一面のもやに覆われた街が。地中海に近く、湿った空気が谷に堆積するんですね。おとぎ話のように幻想的な光景でした。
 
花婿の車
古ぼけた車のボンネットに白い花を撚り集めたレイが置いてありました。今日はホテルで結婚式があるんでしょうね。きっと花婿の車だな。
 

 
街角の風景から
 


       
 
レストランの「ママ」
昼食はレストラン「キャッスル」にて。城を一望できる眺め以上にこの店の「売り」だったのがこのおじさん。手振りといい言葉づかいといい明らかにオカマなのでした。
 
ギンギラバス
パキスタンに行ったことのある人なら知っているギンギラバス。それをシリアで見かけるとは思いませんでした。でも、後にも先にもこれ一台だけだったんだよな。
 
野菜市場
サフィータの朝市。美味しそうな色をした野菜や果物はどれもみな日本では見たこともないほど大きいものばかり。豊かな大地と降り注ぐ太陽の恵みなのでしょうね。
 


   

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