永遠のイスラエル〜ヨルダン渓谷
 
Jordan Valley
 
 
ヨルダン渓谷
 

 
ヨルダン川
 


   
洗礼
イエスが洗礼を受けたことで有名なヨルダン川は、ガリラヤ湖に設けられたこの水門から流れ出します。岸辺には階段状になった洗礼用の施設が設けられています。白衣に身を包んで、徐々に頭まで水に浸かっていくのですが、ガンジス河と違って実際に川に入る人は多くないようです。
   

 
ベイト・シェアン
 


  「世界最古の町」として有名な死海近郊のエリコと同じように、ここベイト・シェアンからも先史時代の遺構が見つかっています。ローマ時代の円形劇場や列柱が並ぶ目抜き通りの先には、6000年前からの遺跡が年代別に積み重なった「テル」と呼ばれる丘があります。  

       
 
遺跡全景
正面に見える、いかにも人工的な小山がテル。そのふもとに拡がる遺跡は、ご覧の通りかなり大規模です。ひと回りすると楽に半日コースです。
 
メインストリート
現在見ることのできる街並は、最も最近に造られたローマ帝国時代のもの。乾燥した気候が幸いしたのか保存状態が良く、美しい姿で残っています。
 
ローマ劇場
ローマ遺跡といえば円形劇場ですね。ここのものはなんと8000人収容。カイザリアよりも巨大です。当時の人口はどれくらいだったのでしょう。
 

 
クムラン
 


  20世紀半ば、羊飼いの少年が偶然見つけた羊皮紙の巻物が、世界中の聖書研究家に衝撃を与えました。有名な「死海写本」です。紀元前後に活動したエッセネ派の筆によるものであることから、原始キリスト教との関係がとりざたされています。  

       
 
ホントか?
少年が写本を発見したという洞窟(岩壁に開いた小さな穴がそれ)。しかし、こんなところに本当に羊が迷い込んだのでしょうか。現地を見れば怪しい気がしてきますが。
 
非番
遺跡観光に来ていた若いカップル。よく見ると男の肩には自動小銃が。国民皆兵のイスラエルでは、治安状況次第ではこんな光景も日常なのかもしれません。
 
クムラン教団
自給自足の共同体を形成していたユダヤ教の一派、エッセネ派。イエスも属していたとの説があり、一時期この遺跡で暮らしていた可能性もあるとか。
 

 
エン・ゲディ
 


  荒涼たる砂漠が拡がる死海周辺にあって、エン・ゲディはまさにオアシス。豊かな泉と緑を求めて多くの動物が集まってきます。旧約聖書にも登場するこの一帯は国立公園に指定されており、野生のヤギやキツネ、運が良ければヒョウに会うこともできます。  

   
歓迎!日本人御一行様
「せっかく日本からお客さんが来るので、出迎えの準備をしておくよう言っておきました」とのガイドさんの言葉が聞こえたのか、野生のヤギが大勢で待っていてくれました。柵もなく、ある程度近くまで寄ることができます。自然の姿を間近で観察できたものの、大きな角はちょっと怖かったですね。
   

 
マッサダ
 


  アラム語で「要塞」を意味するマッサダ。紀元70年、ローマ帝国の支配と戦い続けた最後の一派がここで集団自決を遂げ、ユダヤ民族は自分たちの国を失います。以後、第二次世界大戦後にイスラエルが建国されるまで、2000年近くにわたる流浪の歴史が始まるのです。  

   
ノー・モア・マッサダ!
死海に面した砂漠に取り残されたように屹立する卓状台地マッサダ。イスラエル軍の入隊式は必ずここで行われます。ダビデの星が描かれた国旗がはためく山頂で、新兵たちは片手に自動小銃、もう片方の手には旧約聖書を握りしめ、「マッサダの悲劇を繰り返すな」と誓うのです。
   

       
 
夏の宮殿
四方が絶壁で頂上が平らという特異な台地は、上から見ると菱形をしています。その一番北の斜面の中腹に宮殿が築かれました。というか、バルコニーだな、こりゃ。
 
倉庫
この砦では最盛期に1000人が暮らしたそうです。敵に攻撃されたときは篭城することになります。食料を貯蔵する倉庫を備えておくことが必要でした。
 
耕作地
頂上の土地は基本的にすべて畑とし、農業生産性を高めました。その下の岩をくり抜いて貯水槽を造り、雨水を溜め込んで利用しました。
 

 
バスの車窓から
 


   
ヨルダン国境
川に沿って渓谷を南下。川向こうのヨルダンからパレスチナゲリラが侵入するのを防ぐため、国境には鉄条網が張られ地雷が埋められているそうです。中東和平の理想と現実。ちなみに、厳密に言うとこのあたりは1967年の戦争でイスラエルが占領した土地であり、国連決議上は今もヨルダン領のはずです。
   

   
戦車
変わった形の対向車がやってきました。どこの外車だろうと思っていたら、すれちがってビックリ。戦車ではありませんか。演習かと思いきや、ガイドさんいわく「実戦投入ですね。エリコを制圧しに行くんでしょう」。あの〜一般道なんですけど、ここ。あ、正確には脇の荒地を走っているか。
   


   

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