ブロウクンファントム

   ブロウクンマグナムは対EI−02戦以来、ガオガイガーの主力装備として充分すぎる程の効果を発揮していたが、対EI−21戦においてはブロウクンマグナム自身に攻撃を受け、破壊されており、また対EI−01戦においては目標の強力なバリアシステムの前になすすべもなかったという苦い結果を残していることもまた事実であった。そして機界31原種が来襲するに至り、ブロウクンマグナムがその強力なバリアシステムに対抗し得ないことが実戦において証明されてしまったのである。
   そこで急遽開発されたのがステルスガオーUの左翼端、スターガオガイガーの右翼端に設けられたブースターポッドに装着された黄金のリング、即ち、ファントムリングである。ブロウクンマグナムの攻撃力強化を図って装備されたこのリングはブロウクンマグナム発射時にブースターから分離、ガオガイガーの右腕に装着(プラス)され、高速リニア回転により物体を「空間的に」破壊することができる強力な力場を発生させる。これによりブロウクンマグナムの威力を大幅に増大させると共に、この力場がブロウクンマグナム自身への攻撃を防ぐバリアシステムをも兼ねているのである。これがブロウクンマグナムに替わるガオガイガーの新たな主力装備、ブロウクンファントムである。
   対機界最強7原種戦においてはじめて実戦に投入され、原種艦隊に対しても高い威力を発揮した。以後、対機界31原種戦において多大な戦果を挙げている。
   機界新種殲滅後、ガオファイガー・プロジェクトによって開発された人類初のファイティングメカノイドガオファイガーにもブロウクンファントムは標準装備されている。しかもガオファイガーのファントムリングはエネルギィ粒子で構成、展開されるもので、これにより、対機界新種戦のようにリングを破壊される懸念も消失した。
   このようにGGGは新たな脅威に対抗すべく日々技術を高めているのだが、これはGGGが「脅威への手頃な対抗手段」として過酷な戦闘状態に日夜置かれ続けているという21世紀初頭における地球防衛の体質に起因する、必然の結果ともいえる。その一方でGGGのみが脅威への対抗手段として日々戦力を強化していくことを20世紀における各国の軍拡競争になぞらえて危険視する声もまた少なくはない。