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●電波移植がすばらしかった本当のわけ
【寺町】ただ当時、エニックスがゼビウスやドラバス(ドラゴンバスター)をリリースしたり、SPSがギャプラスを出したり、電波とナムコの独占契約というわけでもなかったんですね。 【藤岡】 うん。独占契約じゃないよ。 【寺町】ということは早い者勝ち? 【藤岡】 うん。早い者勝ち。とりあえず、うちの方で押さえられるものは押さえてという感じで、割りと広く押さえたよね。 【寺町】でも、押さえたらリリースしなければいけないですよね。 【藤岡】 もちろんそうだし、言ってできないものはなかったからね。まあ、けっこうドンブリ勘定的なものはあったけど。 【寺町】私はもちろん全機種持っていたわけではないんですけれど、それでもいくつか実際に購入して、また当時マイコンショップでプレイした範囲で言うと、水準以上と言ったらまあ失礼かもしれませんが、どれもいい動きしていました。けど、他のメーカーでは動きが悪かったりしたんですよ。そういうのを見て「電波はちょっと違うな」と思ってました。 【藤岡】 うん、それはね。結果論にはなると思うけれど、手伝ってもらっていたデバッガーの人、うる星あんず。ゼビウスなんかあいつがね、もうさんざん徹底的に「違うとこ修正しろ」っていうことでまとめてくれた。ここのグラフィックはこうだ、あそこのグラフィックはこうだ、ここは違うって感じで。そういうデータ作ったり、動きっていうのは、私の頭脳なんか関係無しに、うる星あんず、大堀君の頭脳そのもの。(笑) 【寺町】わはは。大堀さんのおっしゃることをクリアできたら、どんな機種でもいいものができた、と。(^^ 【藤岡】 そうそう。 【寺町】ははっー! 【藤岡】そのころからね、やっぱりデバッグすることに、どれだけ重点を置かなければいけないかという認識ってのはあったと思う。 【寺町】はー、なるほど。それが、他社さんではイマイチ弱かった部分だったかもしれませんね。
【寺町】なるほどぉ・・・(ひたすら感心する寺町) そうかぁ・・・、僕なんか短絡的に考えて、ナムコの遠藤さんとか、あちらの厳しいご意見が電波移植レベルを育てていった、高めいったんだと思ってたんですよ。 【藤岡】 いや、もちろんそういうのもあるんだけれど、その一段前に重要だったのが・・・ 【寺町】内部のチェックだったわけですね。 【藤岡】うん、内部のデバッグしてくれる人の能力の高かったことだね。結局、ベーマガ(マイコンBASICマガジン)のように雑誌も両方やっていたから、そういう人材が常に近くにいて、ソフトを作るほうにも協力してくれた。 【寺町】うーん、そうだったんですね・・・(深いため息)。 いい話をきかせていただきました。うわー・・・、なんだかそれが決定的なアレですね。 【藤岡】 うん。今から思ってもね。 【寺町】デバッガーに鍛えられた、デバッガーに育てられたって言えます? 【藤岡】 うん。言えるね。 |
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