Q&A
1.燃費は?
2.アメ車って壊れないの?
3.維持費は?
3.中古の相場は?
4.どうして83年モデルが無いの?
5.荷物はどれくらい積めるの?
6.ノーズが長いけど見切りは?取り回しは?
7.何故アメリカンV8の音は”ドロドロ”なの?
8.ハンドルが右または左に取られるんだけど?
9.ラジエターのローテンプサーモは必要?
10.エンジンルームが見苦しいので、エアポンプを取りたいのだけど影響は?
11.足元が異常に熱いんだけど?
12.ボディサイドのウインカーの形が色々あるみたいだけど?
13.コルベットに乗っていて今まで一番怖い思いをしたことは?
14.海外通販でトラブルは無いの?
15.ヒーターが全開のままになるんだけど?
16.ブレーキをかけると「カキン」と音がする
17.サイドブレーキが効かない
Q:燃費は?
A
:アメ車と聞いて真っ先に思い浮かぶのがやはり燃費の事だろう。フルノーマルの時に、街乗り:4〜5km/L、高速で:7.5km/L前後、最高燃費は高速で90km/h巡航時に8.69km/Lという記録がある。5.7Lという排気量で3速ATとの組み合わせでこの燃費なら申し分ないと思う。82年型の4速ATでは高速で2桁燃費も珍しくない。
アルミヘッド、カム交換、ウェイアンドインマニ、ホーリー750cfmD/Pキャブでもフルノーマル時とほとんど変わらない。この場合、最高は高速で7.9km/Lであった。
これは、八王子から西宮まで無給油で行くことが出来る燃費だ。八王子-広島間を何度か往復したが、八王子で満タンにして西宮まで540km、ここで満タンにすると大抵70L〜75L程入る。街乗りならば満タンで約300km走る。
これならば国産2,3リッターターボと比較しても勝るとも劣らない燃費だと思う。排気量あたりに換算すれば、決して燃費は悪くないことが分かると思う。
Q:アメ車って壊れないの?
A
:これもよくある質問の代表選手だ。これは結構当たり外れのある問題で、運悪くはずれを引いた人は本当にひどい目に遭うようだ。当たった人は全くノントラブルと言う例も少なくいない。しかし、これはアメ車に限ったことではない。ドイツ車も壊れないと言われて久しいが、今の独車を含めヨーロッパ車はBOSCHの古い技術が大半なので非常に良く壊れる。世間に知らされていないだけだ。どこかのミュージシャンだか雑誌の編集者だか自動車評論家(敢えてモータージャーナリストとは呼ばない)だかわからないやつらの「いいですね」の一言で何も知らない民間人がだまされているにすぎない。BOSCH神話も過去の遺物だ。古い技術を伝統やらで未だに使っているので壊れるとたちが悪い。現代のアメ車なら独車より壊れにくいと言っても差し支えないだろう。
'81年のコルベットではもう19年落ちだ。壊れないわけがない。壊れるのが楽しみになる位でないと、維持していくのは難しいかもしれない。因みに私の車はこれまで致命的な(再起不能になるような)トラブルには見舞われていない。当たりでも外れでもなく平均的な物ではないかと思う。壊れる前に、先手先手で手を打てるように神経をとがらせなければならない。
Q:維持費は?
A
:自動車税:¥88,000/年 <-クソ税自動車重量税:¥37,800/2年
自賠責保険:27,600/2年
なので年間の法定費用は\88,00+\18,900+\13,800=¥120,700
ガソリンを月一回満タンとして¥8,000*12=¥96,000/年
とりあえず合法的に転がすには\120,700+\96,000=¥216,700は年間で消費される。以上に加えて、任意保険、修理代等で年間¥300,000は見ておかないと維持できない。1日に換算すると¥800強だ。これが高いと思うか安いと思うか判断は任せよう。
何と言っても年間¥88,000もの自動車税が効いているだろう。いったい何の根拠があって9万円近くも取られなければいけないのだろう?今度アメリカのBIG3と通産省、外務省宛に”なぜアメ車が日本で売れないか知っているか?”の内容のMAILを出そうと思っている。答えは勿論”排気量の大きいアメ車に限り、法外な税金が課せられている”だ。この事実を知ったアメリカは憤慨し、タダでさえ日本の経済改革にイライラしているところに、さらに日本の自動車税制に圧力をかけてくる(かけてほしい)。こうなるとアメリカの言い分はこうだ”日米自動車貿易摩擦が起きるのはアメ車に対する法外な課税による物だ。アメ車に限り税額をこれまでの1/3にしろ、さもなくばアメリカで販売される日本車に対して50%の売上税を課税する”と。こうなれば、ばんばんざいだ。アメ車を持っている人、欲しい人はBIG3に訴えよう!
Q:中古の相場は?
A
:私が購入したときはバブルの余韻があった頃で、言うのも恥ずかしいくらい高額で購入した。全部で400万越えたはずだ。今ならこの程度の車なら2台買えてしまう。当時は、舞い上がっていて、今を逃したらこの世からコルベットが無くなるような錯覚に陥っていた。全く大失敗の買い物だった。「中古の買い方」参照。
Q:どうして83年モデルがないの?
A
:市場には出回っていないとされるが、43台のプロトタイプが作られている。これを83年型と呼ぶ場合もあるが一般的ではない。これら43台はテストのために破壊されていると言われる。84年式C4が発表されたのは83年3月だ。84年式の前半は83年型と呼んでも良い気がする。マスタングの64ハーフのように、83ハーフとか呼んだ方が良いかも知れない。
2000年2月9日現在判明したことだが、プロトタイプは44台が生産され、うち1台が現存することがわかった。こちら
Q:荷物はどれくらい積めるの?
A:私は、八王子-広島間を往復したときに、スポーツバッグ大1個、工具箱大1個、敷き布団+掛け布団、カメラケース中1個、三脚大1個、KBDマフラー2本を運んだことがある。さすがにこの状態では一人しか乗れないが、まだ助手席には余裕があった。
本来スポーツカーは荷物を積んで転がす物ではない。スポーツカーに快適空間を求めるのは間違いである。100mランナーが弁当と水筒を背負ってトラックに立つだろうか?スポーツカーにおける車とドライバーの関係は一方的にドライバーを消耗させてしまうが、その戦闘力は計り知れない。スポーツカーに乗る多くの人間がこの緊張感に魅了されるのだ。決して快適空間など求めていない。この点、互いに快適さを維持し合うGTカーとは大きく異なる点だ。
もし今現在「コルベットが欲しいけど、荷物がなー・・」と思っている方がいたら、迷わず国産ワゴンを購入すべきだ。コルベットは絶対に購入して欲しくない。間違ったユーザーの手に名車が渡ったとき、コンディションを極端に落としてしまい名車としての価値を失い、殺してしまう。
Q:ノーズが長いけど見切りは?取り回しは?
A
:はっきり言ってノーズの先は判りにくい。しかし、しばらく乗るとすぐに馴れる。数センチの寸止めもすり抜けも楽に行えるようになる。現在の、角が落ちて丸くなった国産車より前後ともはるかにわかりやすい。
取り回しは見た目より遙かに良い。2489mmという車格に不釣り合いな短いホイールベースにより、結構小回りが利く。しかし副作用もあって、直線でギャップに乗るとケツが振られる事である。
また、バックするときはサイドミラーは殆ど使えない。リアフェンダーしか映らないのだ。そんな時は”カウンタックリバース”をしよう。カウンタックリバースとは、ドアを開けてケツを半分乗り出してバックする事だ。ご存じのようにカウンタックは背中にエンジンがあって後方視界はゼロに近い。そこで生まれたのがカウンタックリバースだ。おもむろにガルウイングを開いてケツを半分乗り出す、これが格好良いとされるのだ。
Q:何故アメリカンV8の音は”ドロドロ”なの?
A
:我がコルベットのシェビー350の場合で説明しよう。このエンジンは90度のVバンクを持つ8気筒4サイクルエンジンだ。それぞれのシリンダーはクランク角90度毎に等間隔爆発をしている。
8気筒なので90度*8=720度
つまりクランク2回転で全気筒の爆発が終了する。排気音は”ドロッドロッ”とか”ババッババッ”とか不等間隔のように聞こえるが、これは点火順序と排気系が大きく関係している排気干渉音だ。
シェビーの場合その点火順序は1-8-4-3-6-5-7-2となっている。左バンクには前から1,3,5,7の奇数番シリンダーが、右バンクには前から2,4,6,8の偶数番シリンダーが割り当てられている。ここで点火順序を見て欲しい。偶数、又は奇数の連続箇所がある。8−4と5−7だ。排気系は左右のバンクで独立している場合が殆どなので、連続して排気されるとそこだけ排気圧が高まる。この場合1-2-3-4-5-6-7-8のように左右バンクで交互に爆発した場合左右それぞれの排気管を流れる脈動は一定するため”ドロッドロッ”のようにはならない。
つまり、左右のバンクで排気の脈動に大きな粗密ができることで”ドロッドロッ”になるのだ。よって、8気筒の排気管全てを等長で1点に集合させることで”ドロドロ”音は無くなるはずである。しかし、実際問題この様な集合配管は不可能に近い(レーシングカーにはあるが、エキパイが長くなり高回転で不利)。
では何故1-2-3-4-5-6-7-8のように左右バンクで交互に爆発させないか?と言うと、答えは単純。できないから。シェビーV8はデュアルプレーンクランクと言って、4つのクランクピンが90度の位相をたせて付けてある。これだと、左右交互に爆発させるレイアウトは不可能。
スバルのフラット4も似たような”ドロドロ”サウンドがする。これは設計時にわざとエキパイを不等長にして、意図的に作り出した音である。最近のレガシー等は等長設計にしてあり、この癖のある音も押さえ気味にしているようだが…。
Q:ハンドルが右または左に取られるんだけど?
A
:空気圧、アライメント、ホイルが軽く回るかチェックしてOKなら、ほぼコントロールバルブのセッティングずれに違いないだろう。詳しくは「パワステO/H」のページを参照していただきたい。これでハンドルを取られるようならフレームを疑った方が良いだろう。
Q:ラジエターのローテンプサーモは必要?
A
:有った方がベター。ノーマル195゜Fを160゜Fに変更するのが一般的だ。但しある程度水温が上昇しないとロックアップしなくなる。「ロックアップを手動で」を参照。
Q:エンジンルームが見苦しいので、エアポンプを取りたいのだけど影響は?
A
:よく調整されたエンジンならノーマル触媒が付いた状態でエアポンプが無くても排ガス検査はパスする。私の場合この状態でCO:1〜2%、HC:300〜400ppm程度だ。仮にエアポンプ付き触媒なしでもこの程度の排ガス濃度になると思う。キャブセッティングを薄くして、アイドリングを若干高めにしておけばCO・HCとも排出量が減少する。運輸省の規制値を越えるようなエンジンは異常があると思った方がよいだろう。
Q:足元が異常に熱いんだけど?
A
:これはどうしようもない。エアコンをつけるか、我慢するしかない。これはフードとバルクの隙間の空気を吸い込んでいるためで、エンジンルームの空気を吸い込んでいると思ってもらって差し支えないだろう。コルベットの場合、内気循環のモードにするとエアコンが入ってしまうので、エアコン無しで内気循環にすることは出来ない。試しにエアスクープを付けて積極的に外気を導入してみたが、余り効果は上げられなかった。
コルベットはエバポケースがエンジンルームにあるため、異常に過熱した部屋を空気が通ってくる。エアコンの効きが悪いのもこの為だ。そこでヒートシールドを付けてみたところ、足下の熱風は無くなった。
Q:ボディサイドのウインカーの形が色々あるみたいだけど?
A
:これは、日本に輸入された時、日本の法律に適合するように予備検屋によって後付された物だ。車から1m離れた斜め後方から、前部のウインカーが見えないといけないというクソ法律(何故後ろから前のウインカーが見える必要があるのか?このバカ法律を作ったやつ出てこい!)により、フェンダーの下あたりに付いているのだ。車によってはフェンダーの一番盛り上がったところに取り付けられた物もある。これはかっこわるいの極致だ。
その他、後付けされる部品はリアの橙色ウインカー、リアリフレクター、排気温度センサー(規制緩和でフルトラのイグニッションでは付けなくても良いことになった)、フロントポジションランプとウインカーが同時に点灯しない改造(ウインカーを出すとポジションが消える)等である。また、盗難防止装置が誤動作しないように、パワーロックのリンケージと回路を取り外した車もある。
Q:コルベットに乗っていて今まで一番怖い思いをしたことは?
A
:高速道路上でブレーキにエアが咬んで効かない上に、パワステが壊れ、超重いハンドルで、雨の中を750km余り走ったことがある。これはさすがに怖かった。「恐怖のステンレススリーブキャリパー」を参照。
それと、キャブ交換をした後のテスト走行で全開テストを行った際、スロットルのリンケージがエアクリーナーに引っかかり、全開のまま戻らなくなった事がある。その時は、満身の力を込めてブレーキを踏み(それでもグイグイ加速していった)、セレクトレバーをニュートラルにしてすかさず脇道に入って停車しイグニッションを切った。慌てずにニュートラルにしたのが正解で、もし走りながらイグニッションを切っていたらパワステ、パワーブレーキが効かず大変なことになったに違いない。
あと、キャブセッティングでエアクリーナーを外して、スロットルをガバガバやって吹かしていたら、バックファイヤーを起こした。バーン!という爆音と共にキャブから火柱が上がり、加速ポンプのガソリンが噴き出すところがめらめらと燃えていた。もう完全にパニクって、キャブに息を吹きかけて消そうとしてしまい、更に火の勢いを仰いでしまった。このまま放っておくと大火災になってしまうので、必死に手で叩いてなんとか消火することができ、事なきを得た。
Q:海外通販でトラブルは無いの?
A
:最近のトラブルは海外通販トラブルにまとめてあるので参照されたい。過去には、サミットにエンジンO/H関係の部品を大量に発注したときに、オーダーフォームにコメントとしてタイヤ4本の送料を問い合わせる文を書いておいた。すると、荷物が届いたときには4本のタイヤも一緒に送られてきた事がある。まあ、いづれ買うつもりだったので良しとしたが、気になるのはその送料である。$1000強余りの部品は高さ70cm、長さ100cm、幅50cm程の大きな箱に詰められて送ってきた。その重量は30kg位あったと思う。その送料は、そのでかい箱と225/70R15のタイヤ4本で、$406だった。当時為替レートは$1=90円程度だったので、送料をタイヤ4本に全て充てるとして、タイヤ4本で$280+$406=$686。タイヤ1本の値段は$161、当時の日本円で15000円程になる。あれだけのでかい荷物と一緒に送られてきた割には、タイヤ1本15000円と元は取っていたのだ。
Q:ヒーターが全開のままになるんだけど?
A
:おそらくウォーターシャットオフバルブの異常と思われる。その他考えられる原因は、バキュームコントロールバルブにつながるワイヤー及びリンクの異常、バキュームコントロールバルブの異常も考えられる。
ヒーターの温調は、これまたエンジンバキュームによるバルブの開閉で、ヒーターコアに流れるクーラントの流量を制御している。よって、バルブに異常があり全開のままになると、ヒーターも全開になると言うわけだ。バルブの機能をチェックするには、バルブに繋がるバキュームホースを外してみて運転してみる。バルブはエンジンルーム内の助手席側、A/Cのアキュムレータの下あたりにある。これでヒーターが全開ならバルブが開きっぱなしになっているということだ。バルブを交換するしかない。
また、室内の温調レバーをCOLD側に倒して、抜いたバキュームホースに負圧が来ていないことをチェックしてみる。ここで、負圧が来ていたら、バキュームリレーかワイヤーリンケージが怪しくなってくる。バキュームリレーはおいそれと手の届くところにはないので、やっかいだ。
いっそのことヒーターを諦めるという手もある。前述のようにただでさえ足元から熱風が吹き込んでくるので、ヒーターは有っても無くてもさほど影響はないだろう。どうするかというと、ヒーターコアに行っているホースを抜いて、コアをバイパスするようにエンジンに戻してやればよい。ウォーターポンプからインマニへ直接返してやればいい。ただこの場合、ラジエターを介さない水が循環することになるので夏場はやらない方がよいだろう。ウォーターポンプとインマニにメクラをするのが手っ取り早い。
Q:ブレーキをかけると「カキン」と音がする
A
:大抵、バックに入れて軽くブレーキをかけた時、またはバックで止まった後、前進した時の軽いブレーキで「カキン」と音がする。これは、キャリパーの中でブレーキパットが動いて、キャリパーにぶつかった時に発生する音だ。
この音を止めるには、パットの両端とキャリパーの隙間にプラ板などをアーチ状に加工したものを挟めばよい。エックラーなどで「アンチスクウィークシム」として売られているようなものだ。これを入れれば「キーキー」音も同時に抑えることができる。
ブレーキ以外からも似たような「カキン」音を発する場合がある。それはドライブシャフトのU−ジョイントが死んでいる場合に音がする。この様な場合、ジョイントのベアリングは既に砕け散っている場合も少なくない。U−ジョイントが死んでいる場合の症状としては、ホイルバランスは合っているのに振動が出る、N−>Dにシフトすると「ゴキッ」と音がする、走ると「キッキッキッ」と周期的に音がする等である。そのような兆候が現れたら早急にチェックしよう。Uジョイントが錆び錆び参照。
Q:サイドブレーキが効かない
A
:これは構造上しかたない。ワイヤーでドラムブレーキのカムを作動させるのだが、ワイヤーのリンケージが悪く、レバーを引っ張っても正しく力が伝わらない。丁度左右に張ったひもの真ん中を引っ張って、ひもの先の左右の物を引っ張るのと同じだ。ひもがたわむだけで、物は動かない。これと同じ事が、サイドブレーキのリンケージで起きているのだ。
ドラムをO/Hすれば、一時的に効くようになるが、しばらくすると元に戻ってしまう。アメ車のサイドブレーキは、非常用ブレーキであり、パーキングブレーキとして設計されていない。よって、サイドを多用する日本では役不足になってしまうわけだ。パーキングブレーキ調整参照。