ロックアップを手動で

 ミッションのロックアップ制御は何を元にして行われているかご存じだろうか?実は、水温と車速からコンピューターが判断しているのだ。ローテンプサーモスタットを入れてからロックアップしにくくなった方も多いと思うが、水温が90゜C以上にならないとコンピュータはロックアップの指示を出さない。コルベットのエンジンには水温センサーが2つ付いている。1つはメーター用。1つはコンピューター用である。メーター用のセンサーは左バンクのヘッドに付いており、コンピュータ用のそれはインマニの前方に付いている。アフターマーケット製インマニの多くはセンサー用の穴が空いていない。よって、インマニをアフターマーケット製にした場合、センサーを取り付ける穴を追加するか、それに代わる対策をしなければならない。
 私の場合、あいにく穴開け加工しようにも適当な場所がなかったので、他の方法を考えた。これは「まだ回転がばらつくぞ」でも述べたが、センサーの代わりにダミーの抵抗を繋ぐ方法である。水温センサーの中身はサーミスタという温度素子だ。温度変化に対しほぼ対数リニアに抵抗値が反応する素子で、自動車などの温度計として用いられるサーミスタ素子は、温度が低いと高い抵抗値を示し、温度が高いと低い抵抗値を示す物である。で、90゜C付近のセンサーの抵抗値を測定し、それに近い抵抗を使えばコンピューターは常に水温が90゜Cだと判断する。
 よって水温センサーの代わりに抵抗を挿入するわけだが、このときただ抵抗を繋げただけでは芸がない。ロックアップする抵抗値とロックアップしない抵抗値を切り替えられるようにするのだ。こうすることでロックアップの有無を手元のスイッチ1つでコントロールできるようになる。

ロックアップ改造例

ロックアップスイッチ

 ノーマルキャブを使っている場合、ロックアップさせないときの抵抗値によっては”オープンループ”まだ回転がばらつくぞ参照)になり、点火時期と燃調がエンジン始動直後の状態になってしまうことがあるので注意が必要だ。

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