手の無い鳥

以前勤めた職場を失う直前、親会社より
男どもが降下してきました。


 手の無い鳥が船の舳先に降下し、
 泥の船を沖に誘う。
 手に手に華を咲かせたものどもが
 載せられている。
 手に華を咲かせたものの顔は
 鳥どもにより持ち去られている。
 干潟の泥に根を生やしたものどもは
 船に乗れずその体は2つに千切れる。
 ちぎれた下腹部より新たな顔が
 僅かに覗いている。