阿呆の舟

うだうだと身の在り様に悩んでいた頃、
死んだ私が故郷の川を流れ下る夢を
見ました。

故郷の泥の中州に流れ着いた立派な
雄猫の遺骸が立派に見えました。

彼は明らかに死んでいて、
すなわち、それは、
明らかに、ただ生きていたことの証でした。
人間の様に「生きる意味」を考えるのは
どこか病んでいます。
「阿呆船」は中世ドイツの風刺文学の
タイトルより。

手の熱

彼の前にいたような気がする。