【記号∃の説明】 ・論理記号∃の呼称 ・論理記号∃の使用法 ∃x P(x) / ∃x∈X P(x) ∃x P(x,y) / ∃x∈X P(x,y) 多重量化 ・論理記号∃の読み下し方 ・論理記号∃の推論規則 論理記号∃の導入則 論理記号∃の除去則 |
【用語別】 ・存在量化記号 ・存在記号 ・特称記号 ・existential quantifier ・存在量化子 ・特称量化子 ・存在作用素 ・特称作用素 | ・対象領域 ・議論領域 ・変項の定義域 |
・存在量化 ・存在量化子による量化 ・束縛する ・束縛変数(束縛変項) ・自由変数(自由変項) |
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【言い換え】 ・「∃x∈S ( x loves y )」 (Sに属す誰かが、yを愛す)(Sの誰かが、yを愛す) は、 「 ∃x ( x∈Sかつ x loves y ) 」 (誰かが、Sに属しかつyを愛している) (Sに属しかつyを愛している誰かがいる。) に言い換えてよい。 |
※対象例: ∀x∈X "x loves y" の言い換え ※さらに二重量化した例:「∃x ∃y∈T ( x loves y )」/「∀x∈S ∃y∈T ( x loves y )」/「∀y∈S ∃x∈T ( x loves y )」 | |
※なぜ?→∃x∈Sの定義 ※具体例: ・「∃x∈Perfume ( x loves y )」(Perfumeに属す誰かが、loves y) は、 「 ∃x ( x∈Perfume かつ x loves y ) 」(Perfumeに属しかつyを愛している誰かがいる。)に言い換えてよい。 ・「∃y∈T ( x loves y )」(xは「Tに属す誰か」を愛す) (「Tに属す誰か」は、xから愛されている) は、 「「∃y ( y∈Tかつ x loves y ) 」(誰かが、Tに属しかつyから愛されている)(Tに属しかつyから愛されている誰かがいる。) に言い換えてよい。 ※なぜ?→∃x∈Tの定義 ※具体例: ・「∃y∈Perfume ( x loves y )」 (xは、Perfumeの誰かを love) は、 「∃y ( y∈Perfumeかつ x loves y ) 」(誰かが、Perfumeに属しかつyから愛されている)(Perfumeに属しかつyから愛されている誰かがいる。) に言い換えてよい。 [→さらなる量化] |
【Sが内包的に定義されているときの言い換え】 ・「∃x∈S ( x loves y )」 (Sに属す誰かが、yを愛す)(Sの誰かが、yを愛す) は、 |
※対照例: ∀x∈X "x loves y" の言い換え ※さらに量化した例:「∃x ∃y∈T ( x loves y )」/「∀x∈S ∃y∈T ( x loves y )」/「∀y∈S ∃x∈T ( x loves y )」 |
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S={ x' | S'(x) } (Sは「議論領域から《条件S'を満たす対象》をすべてあつめた集合」) のとき、 「∃x ( S'(x) かつ x loves y )」 (誰かが、条件S'を満たし、かつyを愛している)(「条件S'を満たしかつyを愛している」誰かがいる。) に言い換えてよい。 ※なぜ?→∃x∈Sの言い換え(Sが内包的に定義されている場合) ※具体例: ・「∃x∈50代男性を全員あつめた集合 ( x loves y )」 (『50代男性を全員あつめた集合』に属す誰かが、yのことが好き。」 は、 「∃x ( 「xは50代男性である」 かつ x loves y )」 (誰かが、50代男性であり、かつ、yを愛している)(50代男性かつyを愛している誰かがいる。) に言い換えてよい。 【Tが内包的に定義されているときの言い換え】 ・「∃y∈T ( x loves y )」(xは「Tに属す誰か」を愛す) (「Tに属す誰か」は、xから愛されている) は、 T={ y' | T'(y) } (Tは「議論領域から《条件T'を満たす対象》をすべてあつめた集合」) のとき、 「∃y ( T'(y)かつ x loves y ) 」(誰かが、条件T'を満たしかつyから愛されている)(条件T'を満たしかつyから愛されている誰かがいる。) に言い換えてよい。 ※なぜ?→∃y∈Tの言い換え(Tが内包的に定義されている場合) ※具体例: ・芸能界={ x' | xは芸能人である } (「芸能界」は《条件『xは芸能人である』を満たす対象》をすべてあつめた集合」) との定義のもとで、 ∃y∈芸能界 ( x loves y ) 「xは、芸能界に籍を置いている誰かを好き」は、 ∃y ( yは芸能人である かつ x loves y ) (誰かが、「芸能人であり、かつxから愛されている」) (「芸能人であり、かつxから愛されている」誰かがいる。) に言い換えてよい。 |
【Sが『外延的に定義された有限集合』のときの言い換え】 ・「∃x∈S ( x loves y )」 (Sに属す誰かが、yを愛す)(Sの誰かが、yを愛す) は、 |
※対照例: ∀x∈X "x loves y" の言い換え ※さらに量化した例:「∃x ∃y∈T ( x loves y )」/「∀x∈S ∃y∈T ( x loves y )」/「∀y∈S ∃x∈T ( x loves y )」 |
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S= { a1 , a2 , … , an } のとき、 "a1 loves y" または "a2 loves y" または … または "an loves y" (a1 か a2 か … an が、yを愛す)(yは、a1 か a2か… an、から愛されている) に言い換えてよい。 ※なぜ?→∃x∈Sの言い換え(Sが外延的に定義されている場合) ※具体例: ・Perfumeの定義より、Perfume 「∃x∈S ( x loves y )」(Perfumeに属す誰かが、loves y) は、 「"大本 loves y " または "西脇 loves y" または "樫野 loves y" 」 (大本か西脇か樫野がyを好き)(yは、大本か西脇か樫野から気に入られてる) に言い換えてよい。 【Tが『外延的に定義された有限集合』のときの言い換え】 ・「∃y∈T ( x loves y )」(xは「Tに属す誰か」を愛す) (「Tに属す誰か」は、xから愛されている) は、 は、 T= { a1 , a2 , … , an } のとき、 "x loves a1" または "x loves a2" または … または "x loves an" (xは、a1 か a2か… anを好き)(a1 か a2 か … an は、xから愛されている) に言い換えてよい。 ※なぜ?→∃y∈Tの言い換え(Tが外延的に定義されている場合) ※具体例: ・Perfumeの定義より、Perfume ∃y∈T ( x loves y ) (xは、Perfumeの誰かを love) は、 「"x loves 大本" または "x loves 西脇" または "x loves 樫野" 」 (xは、大本か西脇か樫野を好き)(大本か西脇か樫野はxから気に入られてる) に言い換えてよい。 |
【読み下し例】 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」 [直訳] 「ある『Sに属す対象』xについて、x loves y」[本橋 p.64] 「x loves yとなる『Sに属す対象』xがある。」[本橋 p.64] [意訳] 「yを愛する『Sに属す対象』がいる」[戸田山p.167] 「Sのなかにはyを愛するやつもいる」[戸田山p.167] 「Sのある人は、yが好き。」[岡田光弘p.30] 「yを愛する人がSにいる」[野矢問題42(p.97)] 「Sの誰かがyを愛している」[本橋 p.64] ・「 ∃y∈T ( x loves y ) 」 [直訳] 「ある『Tに属す対象』yについて、x loves y」[本橋 p.64] 「x loves yとなる『Tに属す対象』yがある。」[本橋 p.64] [意訳] 「xが愛している『Tに属す対象』がいる」[戸田山p.167]」 「xには愛するひとがTにいる」[野矢問題42(p.97)問題43(p.97)p.98] 「xがTにの誰かを愛している」[本橋 p.64] |
※一般化: ∃x∈X P(x,y)の読み / ∃x P(x,y)の読み ※さらに量化:「∃x ∃y∈T ( x loves y )」/「∀x∈S ∃y∈T ( x loves y )」/「∀y∈S ∃x∈T ( x loves y )」
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【用語:存在記号・量化子・量化】 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」「 ∃y∈T ( x loves y ) 」の「∃」は、存在記号とよばれる論理記号。 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」「 ∃y∈T ( x loves y ) 」 の「∃x∈S」「∃y」は、存在量化子・存在作用素とよばれる。 ・存在量化子・存在作用素「∃x」「∃y」を「 x loves y 」の前につけて「 ∃x∈S ( x loves y ) 」「 ∃y∈T ( x loves y ) 」をつくることは、 存在量化とよばれる |
【用語:スコープ】 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」というかたちのなかで、存在量化子・存在作用素によって量化された 「 x loves y 」 は、 存在量化子・存在作用素「∃x」のスコープscope適用範囲,視野,作用域 などと呼ばれる。 |
【用語:束縛変数・自由変数】 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」において、∃x∈Sによって量化された「 x loves y 」のなかの変数xは、 束縛変数とよばれる。 ・「 ∃x∈S ( x loves y ) 」において、∃x∈Sによって量化された「 x loves y 」のなかで、 束縛されていない方の変数yは、自由変数とよばれる。 ・「 ∃y∈T ( x loves y ) 」において、∃y∈Tによって量化された「 x loves y 」のなかの変数yは、 束縛変数とよばれる。 ・「 ∃y∈T ( x loves y ) 」において、∃y∈Tによって量化された「 x loves y」のなかで、 束縛されていない方の変数xは、自由変数とよばれる。 |
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