トイレはどこですか?

服部めぐみ

昨年秋に豊橋で音声パソコン講習会を開いた時、お世話になったw先生から興味深いシンポジウムのお誘いメールをいただきました。一部をご紹介します。

「知らない町にお出かけをした時、誰もが必要なトイレ情報、困ったら誰かに聞けば良いかもしれませんが訊ねにくいものですし、誰も歩いてこなかったら困りますよね。
バリアフリー情報は市町村単位あるいは区単位で調査されていますが、他の市町村の情報は得られにくいのが現状です。
いろんな団体が集めているバリアフリーお出かけ情報を共有しませんか?シンポジウムを行います。
多目的トイレの情報が中心です。
隣町に出かけたとき、携帯やカーナビなどでトイレ情報が得られるシステムを目指しています。
これに際し、みなさんがどんな情報を必要としているかご意見をいただく場でもあります。」 (以下省略)

このシンポジウムは美厠(美しいかわやと書いてみかわやと読みます)計画の活動として3月23日に知立で行われました。
残念ながら出席できませんでしたが、トイレと言えば日常生活にはなくてはならない物。でも外出した時には慣れた所でも目の見えない私にとっては利用しにくい。
 今でこそ勇気を出して場所を教えてもらうことができるようになりましたが、中の様子はトイレによってまちまちです。洋式か和式か入ってどっちを向くのか、荷物を置いたり掛けたりする所はあるのか、紙はちゃんとあるか、流す位置やその方法などわからないことはたくさんあります。
トイレに入る時は、慌てていることが多いので中へ入ってから様子がわからないことに気づき自分であちこち触ることになります。汚れていたり、流すところだと思ってボタンを押したら非常用のブザーがなって警備の男の人がとんで来る。「間違えないでください」って言われても私だってわざと押したわけではありません。いまだに恥ずかしい思いをよくします。

花の学生時代にはデートをするにもトイレのことを思うと出かけるのがいやになったり、がまんしておなかがいたくなったり、笑えない思い出があります。
 子供が小さい時には、途中でトイレに行きたいと言われても困るので自分の知っているところでむりやりいかせたり、子供にも気を使いました。またこれから先、年を重ねたとき、トイレに行く回数が増えると外出時の不安も大きくなるでしょう。
 外出先のトイレのあるなしや場所、中の様子などの情報が簡単に得られるようになれば外出がもっと気軽に楽しくできるようになると思います。
観光地やお店などといっしょにトイレ情報があったら、子連れでも車いす使用者やその他介助の必要な人といっしょでも安心して外出ができます。
ある程度一人歩きのできる視覚障害者には特にほしい情報だと思います。
 美厠(みかわや)の計画を進めていくための話し合いが5月7日に豊橋で行われたので視覚障害者のトイレに対する思いをぜひ聞いていただきたいと思い、会議を見学させていただきました。これからの活動についての話が中心だったので私にはかなり難しかったですが、スタッフの方たちが「障害を持った人たちの意見を積極的に聞いていきたい」とあたたかい意見を言われていたのには感動しました。

また車いす使用の方が何人か参加されていましたが、「車いすを楽しむ会」の活動の中で町へ出かけた時どんな場所が車いすで利用しやすいとか、利用できないなどの情報交換をしていらっしゃるようです。会の代表の方はホームページで情報提供をしていらっしゃるそうです。とても活発な人たちにあっとうされました。
 視覚障害者の仲間でもこんな情報交換をしている地域があるのだろうかとふと考えました。
 私はいつも決まった所へしか行かないのでたとえば豊橋市内のお店やお勧めの観光地、それに関連したトイレ情報など提供する側になるのは難しいですがみんなが持っている情報を少しずつ集めて外から来た人たちに使ってもらえるならこんなうれしいことはないと思います。
 まずは愛知県内で豊田、岡崎、豊橋の三つの地域をモデルに美厠(みかわや)計画を進めていこうということになりました。
そしてメンバーの中には新聞記者をしている人、建築デザイナー、直接障害をもつ人をサポートしている人など、いろいろな立場の人がかかわっています。
 年をとっても子連れでも障害があってもなくても、みんなが使いやすいトイレの情報を必要な時に得られるようにするのが美厠計画の目指すところだそうです。
 「視覚障害の人たちの意見もたくさん聞かせてほしい」と言ってくださっていますので、みなさんもトイレに関する思いをお話ください。

美厠(みかわや)計画に関心のある方は下記ページをご覧下さい。
  http://www.e-wc.jp/

 「日本全国“美厠(みかわや)”計画」に、あなたも参加しませんか?