「序文」から引用する。
複素関数論の中で,重要な役割を果たす関数として正則関数と有理型関数があげられる.特に本書では,複素平面内の領域上の正則関数の基礎事項について解説する.
p.135 にある 9.5 節は「コロナ定理」である。コロナ定理とはこのご時世に物騒な名前だが、もちろん COVID-19 の前からある定理である。 コロナ定理とは、コロナ問題が肯定的であるという主張をいう。コロナ問題は何かということで、本書の p.153 から引用する。
日本の数学者である角谷静夫が提案した問題にコロナ問題がある.`D = D(0,1)` を単位開円板そし, `H^oo(D)` により `D` 上の有界な正則関数全体のなす集合を考える. コロナ問題は次のものである.
【コロナ問題】
`f_1, f_2, ldots, f_n in H^oo(D)` が,ある `delta gt 0` に対して
`abs(f_1(z)) + cdots + abs(f_n(z)) ge 0, z in D`をみたすとする.このとき,ある `g_1, g_2, ldots, g_n in H^oo(D)` で,`f_1(z)g_1(z) + cdots + f_n(z)g_n(z) =1, z in D`となるものが存在するか?
書名 | 正則関数 |
著者 | 新井仁之 |
発行日 | 2018 年 12 月 25 日 初版 1 刷発行 |
発行元 | 共立出版 |
定価 | 1900 円(本体) |
サイズ | A5版 200 ページ |
ISBN | 978-4-320-11077-9 |
NBC | 413.52 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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