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トップページ> 映画> レビュー> 2003年> 10月
October, 2003
インファナル・アフェア
Infernal Affairs
監督: アンドリュー・ラウ
アラン・マック
脚本: アラン・マック
フェリックス・チョン
音楽: チャン・クォンウィン
出演: トニー・レオン
アンディ・ラウ
アンソニー・ウォン
ケリー・チャン
公式サイト(日本語)
香港の大発明!特許出願中 ★★★★
こりゃすげぇ!

脚本ができあがって、
それに合ったキャスティングがまとまった段階で
この映画の成功は約束されたようなもんだよ!

こりゃ、ハリウッドも飛びつくわけだ!
こりゃ、ブラピが出たいって言うわけだ!
納得、納得。
そのくらい、ふたりの男から成るストーリーの設定が
かっこよかった!
こういう設定の映画って、ほかにもあるのかな?
ありそうだけど、なさそうな
そんなすき間を絶妙に突いた感じがするなぁ。

そして、トニー・レオンとアンディ・ラウですよ。
オレが観るアジア映画には
なぜかトニー・レオンが出てることが多いんだけど、
この人、ほんとに安心して観ていられる俳優さんだねぇ。
どんな役にもフィットできる人ですわ。
アンディ・ラウさんってのは初めてお目にかかりましたけど、
立ってるだけでオーラが出てましたねぇ。かっこいい。

これは、香港版『ヒート』とでも位置づけちゃいましょうかね!
いやいや、まいった。やられた。

p.s.
トニー・レオンの役にブラッド・ピット、
アンディ・ラウの役にコリン・ファレル。
これでアメリカでも1億ドル突破まちがいなし!?
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キル・ビル Vol.1
Kill Bill Vol.1
監督: クエンティン・タランティーノ
脚本: クエンティン・タランティーノ
音楽: RZA
出演: ユマ・サーマン
ルーシー・リュー
デヴィッド・キャラダイン
ダリル・ハンナ
千葉真一
栗山千明
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
もしもの話 ★★★
・もしオレが仮に、日本一の映画監督だったとして。
・「いくらかかってもいいから、お前の好きな映画を作ってよし!」
 と言われたとして。
・そのとき思い浮かんだのが西部劇だったとして。
・セルジオ・レオーネからクリント・イーストウッドまで
 西部劇のありとあらゆる映画を死ぬほど見て研究し尽くしたとして。
・実際にイーストウッドと会って話しちゃったりしたとして。
・日本のトップスターと、アメリカの往年の西部劇俳優が
 オレの映画に快く出てくれると言ったとして。
・オレ自身、小さい頃から西部劇オタクだったとして。

それでも、それだけやったとしても
オレには本物の西部劇は作れないと思うな。
本場のアメリカ人を唸らせるようなものができるとは思えない。
どこか、ほんの小さなところにも違和感が残ってしまうんだろう。

と、この『キル・ビル』を見ながら思いました。
本場で暮らしてる人と
それを間接的に見たり聞いたりした人では、
その空気に触れてるか触れてないかという点だけでも
やっぱり「何か」が大きく違うんだろうなぁ、と。

話題作だし、これから観る人も多いと思うので
あんまりベラベラ書きたくないんですけど、

基本的に、ストーリーはおもしろい!
タランティーノの真骨頂である、
くっだらないセリフの連発は控えめだったけど、
話の展開というか
「持っていきかた」がおもしろいよねぇ。

でもね、オリジナリティが決定的に足りない気がしました。
後半は特にジャパニーズ・ヤクザ映画のモノマネで、
監督は作ってて楽しかっただろうけど、
みてるこっちは置いてきぼりかよ!みたいな
監督の中だけで自己満足してしまった感じが
見えたような気がしました。
(これをアメリカ人が見たら大盛り上がりなんだろうか??)

ま、これまでのハリウッド映画での日本の描写に比べたら
ぜ〜んぜんマトモでしたけどね。日本への熱い愛情が
ひしひしと伝わってきたことは確かです。

でもさ、でもさ。
日本が舞台なのは、おそらくヴォリューム1だけでしょ?
話の切れ目も、こんなにうまく切れるんだ!と思えるほど
スムーズだったので、ヴォリューム2に期待したいと思います!
モノマネでない「タランティーノ・ワールド」を見せてよね。

p.s.
あと、もうひとつ思ったこと。
人を殺す(傷つける)ときの、あの「躊躇のなさ」は
先日観た『座頭市』にも共通してたなぁ。
これはたしかに15歳以下は観ちゃいけない映画だわ。
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エデンより彼方に
Far From Heaven
監督: トッド・ヘインズ
脚本: トッド・ヘインズ
音楽: エルマー・バーンスタイン
出演: ジュリアン・ムーア
デニス・クエイド
デニス・ヘイスバート
パトリシア・クラークソン
ヴァイオラ・デイヴィス
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第75回アカデミー賞主演女優賞などノミネート
昼メロを英語で言うと、ソープなんとか? ★★★☆
専業主婦がもっとも落ち着く時間って、いつでしょう?
もしかすると、お昼の1時半ごろじゃないです?
そう、昼メロの時間です。
家事の手を休めて、その30分だけは
テレビの中で始まるドロドロの恋愛劇を楽しむ!
そして、そのあとは現実のドロドロやどうでもいいウワサ話を
ワイドショーで仕入れる、みたいな。

1950年代のアメリカ上流階級家庭が舞台の
メロメロのメロドラマ。
この映画がそんな風に見えてしまったのは、オレだけでしょうか?
もうメロメロでしたよ。ドロドロのメロメロ。でもなぜか爽やか。
って、ほとんど説明になってないですけど…。

爽やかに感じた理由は2つ。
風景がキレイだったこと!と、
ナレーションがなかったから。
日本の昼メロなら、ぜったいにナレーションが入るような場面も
あえて(なのか?)説明を入れずに進んでいきました。
もうさ、オレの頭の中ではナレーションが流れてたもん。

これからキャシーに降りかかる苦難を、
今は彼女自身もまだ、知るよしもなかったのであった…。


な、な、なんと、彼女の○○が××で△△だったとは!

こんなキレイな映画なのに、俺の頭の中は
こんな下世話なナレーションでいっぱいだったなんて…。
ごめんなさい。
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
The Life of David Gale
監督: アラン・パーカー
脚本: チャールズ・ランドルフ
音楽: アラン・パーカー
アレックス・パーカー
出演: ケヴィン・スペイシー
ケイト・ウィンスレット
ローラ・リニー
ガブリエル・マン
マット・クレイヴン
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
真実はどれ?幸せはどこ? ★★★
この前、この話題について書いたのはいつだったかな?
そうそう、『イン・ザ・ベッドルーム』のときでした。

死刑執行を4日前に控えたある大学教授が、
女性ジャーナリストにインタビューを持ちかけます。
そのインタビューの中で、教授の口から出た事件の真実とは…!

って、こうやって、オレみたいな説明下手なヤツが書くと
ありがちな物語のように見えますけども、
実際、ありがちなんです。途中までは。

あなたはこの結末に納得できますか?

この映画の公式サイトに行くと、こう書いてあります。
そう。この映画は結末が問題なのです。
結末だけが問題なのです。
この結末を見せるためだけに、名役者が3人も揃って
がんばっていたのです。

この映画を観たあなたは、この結末に納得できましたか?
オレの場合、納得できる・できないで語ることはできません。
オレが納得しようがしまいが、そういうことなんでしょ?
って感じで、ただただ、悲しみと脱力感で半分半分の状態でした。

"おいおい…、えぇ〜、なんでぇぇ?そうなのかよぉぉぉ…"
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北京ヴァイオリン
Together
監督: チェン・カイコー
脚本: チェン・カイコー
シュエ・シャオルー
音楽: チャオ・リン
出演: タン・ユン
リウ・ペイチー
チェン・ホン
ワン・チーウェン
チェン・カイコー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
無条件の愛とは、これだ! ★★★★☆
わたくしが大好きで大好きでしかたない映画に
リトル・ダンサー』というイギリス映画があります。

この映画では、少年がたくましく成長した後、
青年になるまでの十数年間の描写がありません。
物語としては、オマケのような青年時代の描写だったので
大勢に影響はしないんだけど、
でも、その十数年の間にも数々のエピソードがあったはずです。
先生とケンカしたり、父ちゃんとケンカしたり、
クラスメイトの女の子と恋をしたり、
ダンスをやめたくなったり
自分が思うように踊れなくて悔しい思いをしたり。

今日観た中国映画『北京ヴァイオリン』には
まさにそういうエピソードが描かれていました。
才能が花開く、まさにその瞬間が、ね。

もうね、主人公の少年が、いいんです!
おまけに、少年の父ちゃんが、いいんです!
芥川龍之介みたいなセンセーが、いいんです!
ユンソナみたいな近所のネーチャンが、いいんです!
泣けるのなんのって、ちょっとカンベンしてくださいぃぃ〜
な状態でした。

もうね、主人公の少年が心を込めて
全身全霊をふりしぼってヴァイオリンを弾くんです。
極限まで気持ちをぶつけてる、あの表情を見ただけで
涙がジョボジョボあふれてきましたよぉ。
父ちゃんの愛情を一身に浴びてきた子供にしか
ああいう気持ちは出てこないんじゃないか!と思わせてくれるほど、
少年の目は生きてましたよ。生き生きとしてた。
あの子は、あの瞬間を、確実に「生きてた」よな。

もうね、この映画も、少年のまなざしにやられました。
あぁダメだぁ、書きながら思い出してまた泣けてきた…。
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アダプテーション
Adaptation
監督: スパイク・ジョーンズ
原作: スーザン・オーリアン
脚本: チャーリー・カウフマン
ドナルド・カウフマン
音楽: カーター・バーウェル
出演: ニコラス・ケイジ
メリル・ストリープ
クリス・クーパー
ティルダ・スゥイントン
ブライアン・コックス
マギー・ギレンホール
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第75回アカデミー賞助演男優賞受賞/脚色賞などノミネート
S・ジョーンズ&C・カウフマンのコンビは面白いわ! ★★★☆
マルコヴィッチの穴』で一気に注目を浴びた映画脚本家
チャーリー・カウフマンが自分自身を主人公に使ってしまった
冒険的なストーリーを、スパイク・ジョーンズが監督した作品。

「映画脚本家を主人公にした映画」と聞いて
オレが思い出したのは、コーエン兄弟の『バートン・フィンク』。
あの映画も奇想天外だったけど、
この映画も負けてないなぁ、って感じです。
2つのストーリーが平行して語られていくんだけど、
終盤に向けて、いきなりその2つが合体しちゃって!
あらぬ方向へ走り出してしまいました…。
これは、マッキー氏による映画脚本についての10の法則に
敢えて逆らってみたからなのか、それともそれとは関係なく
面白いからやってみたのか。どっちだろ?
(でも、ラストはあれでよかったんじゃないかな。オレは好きだ。)

そしてそのことよりも、まず、この話は
どこまでが本当(人物設定や"ほんとに原作を基にしてんか?")で
どこまでが創作なのかがわかりにくかったです。

まさにそこがこの映画の面白いところなんだろうけどね!

誰か、この映画を観て、そのへんのことが分かった人がいたら
ぜひ教えてください!
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