モナリザ・スマイル |
Mona Lisa Smile |
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監督: |
マイク・ニューウェル |
脚本: |
ローレンス・コナー
マーク・ローゼンタル |
音楽: |
レイチェル・ポートマン |
出演: |
ジュリア・ロバーツ
カースティン・ダンスト
ジュリア・スタイルズ
マギー・ギレンホール
マーシャ・ゲイ・ハーデン |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語) |
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あの絵のタイトルは「モナリザ」?「モナリサ」? |
★★★ |
1950年代のアメリカになる 伝統のある保守的な女子大を舞台に ジュリア・ロバーツ演じる進歩的な教師が 孤軍奮闘するというストーリー。かな?
観る前は、この映画が『いまを生きる』と同じ系列の 愛と熱意と感動にあふれた学園物なのかと思っていました。
まぁ、半分当たりで半分はずれってとこかな。
物語の題材としては、すごくいい感じでした。 特に、主人公である先生が美術史担当ということで 劇中にもさまざまな名画の数々が映し出されていたんですが
その中でジャクソン・ポロックというアメリカの画家の絵が (エド・ハリス主演で映画にもなりました。まだ見てないぞ!) すごくかっこよかった!理由はわかりませんが、 とにかくかっこいい!と思ってしまいました。
でも、絵のことなんて、しょせんはディテールにすぎません。 肝心な本筋はどうだったんでしょう?
「女性は結婚して子供を産み、 家庭を守るのが「生来の役割」である。」 アメリカで一番賢い女子大の教えは、こうでした。 それに対して、 「家庭と仕事(学問)は両立できる! 自分の可能性をあきらめず、上を目指そう。」 と、学生たちに説いた主人公。
センセー、かっこいいじゃん!
その考えは学生たちにも徐々に浸透する反面、 学校側からは「腐敗分子」として目をつけられてしまう。
センセー、どーすんだよ!?
と、学生と学校の間で板ばさみに遭う主人公の お手並み拝見って感じなんですが…。
その肝心の「板ばさみ」感が薄いんですよね。 学生が先生の考えに心底共感してるっていう感じも あるにはあるんだけど決定的ではなく、 学校側のイジワル上司の存在感もイマイチ薄く、といった雰囲気。
なんか惜しいんだよなぁ。 イマイチ泣けないんだよなぁ、これじゃ…。
泣く気マンマンで観てしまったオレが悪いのかもしれないです…。
とはいえ、この映画、女性だけでなく 男性こそが観て考えるべき映画なのではないかと思いました。 |
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posted on 2004.08.22 |
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▲TOP |
華氏911 |
Fahrenheit 9/11 |
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メディアの恐ろしさ |
★★★ |
カンヌ映画祭でグランプリを獲ったり、 全米公開前に配給会社が決まらずドタバタしたり、 そしていざ公開されるや、ドキュメンタリー映画史上初の 1億ドルを突破してみたりと、いろいろ話題の一作です。
朝一番の回で観たんですが、 お客さんの年齢層が高めで、へぇ〜って感じ。 この映画、テレビとかでもたくさん取り上げられたのかな?
っつうことで、徹底的にブッシュ批判を展開するこの映画。
前作『ボーリング・フォー・コロンバイン』のような コミカルな場面は影をひそめ、 ひたすら矛盾を突き進む感じになってました。
中盤あたりで思わずウトウトしちゃいました…。
まぁね、言いたいことはわかる。 ブッシュは悪い。ブッシュはいいかげんだ。 ブッシュはウソつきだ。そうだそうだ。 次の大統領選挙は民主党だ!そうだそうだ。
ま、それはそれとして、そういうことでいいんですけど、 オレは、それよりも 「メディアの恐ろしさ」についての描写のほうが 興味深かったですね。
世の中にはいろんな出来事があって、 その背景にはいろんな事実があります。 でも、そのたくさんある事実の中で どの事実を「事実」として伝えるか、というのは すべてマスメディアのサジ加減ひとつなわけね。 テレビもそう、新聞もそう、映画だってそう。 この映画だってそうなんです。
この映画の内容を信じてもいいのかどうか。 テレビの言うことを信じてもいいのかどうか。 NHKの伝えることは正しいのか? 読売新聞の書くことは真実なのか? 小泉首相の言うことは本心なのか?
むずかしいですよね。 でも。 伝えるメディアには大きな責任があり、 それを受け取り、中身を信じるかどうかの選択を迫られる ぼくたちにも大きな責任があるってことは、たしかかなぁと 思います。 |
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posted on 2004.08.21 |
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▲TOP |
キング・アーサー |
King Arthur |
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監督: |
アントン・フークア |
脚本: |
デイヴィッド・フランゾーニ |
音楽: |
ハンス・ジマー |
出演: |
クライブ・オーウェン
キーラ・ナイトレイ
ヨアン・グリフィズ
ステラン・スカルスゲールド
スティーブン・ディレン
レイ・ウィンストン
ティル・シュヴァイガー |
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公式サイト(英語)
公式サイト(日本語) |
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せっかくの壮大な伝説が…。 |
★★☆ |
へぇーー、イギリスはこうやってできたんだ!?
そんなマメ知識(トリビアと呼ぶのは失礼かな?)を 手に入れることができたのが最大の収穫でしたかな、 この映画…。
な〜んかね、この手のいろんな映画の"いいとこ取り"を してるみたいに見えちゃったんだよなぁ。
『ロード・オブ・ザ・リング』でしょ?
『グラディエーター』でしょ?
『三銃士』でしょ?
『ラスト・サムライ』にカブってた感じがあるし、
『トロイ』とカブるところも多かったんだよなぁ。
まぁ、最近の「CGを駆使した超ド迫力な戦闘シーン」は この映画には少なくて、もうちょっと泥臭くて大河ドラマ的な 「現実に近そうな」雰囲気はありました。 そして、氷のシーンはかなり見ごたえがあったんです。 映像的にも見事だったし、 アーサーよ、おぬし、策士よのぉ〜!って、感心しちゃったもん。
でもなぁ〜。 やっぱ、それぞれのキャラクター像が薄いわ! 特にランスロット。 彼をもうちょっとキチンと深く描いて、 アーサーとの関係性なり、グウィネビアへの想いなりが もっと伝わってくれば、映画自体も引き締まったと思うんですけど。 (伝説として伝わる本物の物語では 円卓の騎士たちの内面もちゃんと描かれているんですよね?)
主役に大スターを使わず、 脇役陣に実力派を多数起用したという その心意気は買いますけど、せっかくの名脇役たちが イマイチ生かしきれていなかったような気もします。 もっともっと誉めてあげたい気持ちはあるんだけど、 そこまで楽しめなかったなぁ、というのが本音です。
監督、いかがでしょう? |
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posted on 2004.08.09 |
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▲TOP |
ミトン |
Mama / Letter / Mitten |
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監督: |
ロマン・カチャーノフ |
脚本: |
ジャンナ・ビッテンゾン |
音楽: |
ワジム・ガマーリャ |
美術: |
レオニード・シュワルツマン |
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公式サイト(日本語) |
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髪の毛は毛糸でできてるの。かわいい。 |
★★★ |
ロシア発、「チェブラーシカ」のスタッフによる 短編パペット・アニメ3作を見てきました。
いちおう便宜上、上のタイトルは『ミトン』にしていますが、 3作とも話としては独立しています。 今回観たのは
『ママ』 『レター』 『ミトン』
の順番でした。
----- これ、今から30年以上も前の人形劇なんですね。 すご〜くローテクで素朴なのね!良いです。
でね、この3本には 作品全体を通して、ひんやりした感覚があるんですよ。
『ママ』は、お昼寝中の子供を置いてきたママが 「最悪の事態」を想像する姿を描いてるし 『レター』は、夫が遠洋航海でいない妻と息子の寂しさを、 そして『ミトン』は、うちで犬を飼えない少女の空想を 幻想的に描いているわけです。
ね?ちょっと暗い感じもするでしょ? さすがロシア人!ってことなんでしょうか。
----- こういう些細なネガティブ思考や現実逃避の空想って よくあります、あります。しょっちゅうあります。 「いま、ここでだれかに背後から刺されたらどーしよー?」 みたいな。 そういう身近な問題について、ちょっとだけ救いを与えてくれる そんな人形劇だと、オレは思いました。 |
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posted on 2004.08.08 |
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