「ヨーコです。太陽の陽子。
陽子 小杉(ようこ こすぎ)なのでス。」
ヨーコさんは、にっこり笑った。
[選択1-1]
(いい名前ですね。)
「ハイ、私のオトーサン。
ずっとずっと前から、決めてたでス。
太陽…イアルと言う意味の名をつけるト。
…そうだ、手、貸してくださいデス。
…はい。
最初に模様ありキでス。
これは、幸運の模様。万物の精霊、この模様を巡って踊り、言うことを聞くデス。
イアルは太陽の名前。幸福の名。
ヨーコは、幸せの娘ですよ?
はい。終わりデス。仲良くしてくださいネ?」
[選択1-2]
(どこの国の方ですか?)
「日本デス。
私の日本のタメニ、私ハ、私の父や、母や、兄弟を失ったこと、幸せに思うデス。
小杉の家族は、みんな私の日本のため、死にました。私も、そうなるでしょウ…。
私、昔から言葉、変です。
立派な兄弟の、一人だけ変でス。
でも、ミンナと同じように、戦うデス。
がんばるデス。」
「私のオトーサン、ウスタリ・ワールドゲート抜けて来た宇宙人でス。
だからヨーコ、この惑星と宇宙繋ぐでス。
私のオトーサン、私の日本来たとき、心が傷ついてたでス。
私の日本、私のオカーサンと癒したデス。
…宇宙とこの惑星に、愛が育めるのなら、世界を、幸せにすること、きっと出来るデス。
フフッ?」
「私のオトーサン、いつも星見てたです。
星だけは、世界が変わっても、変わらないっテ。
あなたも星見ルですか?
…。」
ヨーコさんと星空を見ました。
「…あなたも、ここの人違う、目をシテマス。
私のオトーサン似てまスです。
重要なのは、動くことデス。
懐かしむより、哀しむより、未来を見るデス。
今のあなたには、動くことあるデス。たぶん。
ヨーコ分かりません。でも、あなたが、なにかをしに、ここに来たのか、分かります。
あなたきっと、世界をハッピーで包むために、遠いところからキタです。
私はそう、信じるデス。」
「イイじゃないですか?
真実ハ、いつの世も心の中デス。
人の口の上に真実はナイです。
真実を信じること、重要です。
真実を、失わない、重要です。
他のヒト、イイデス。
私は私の目と心、信じマス。
ベルオトーサン、私という子供作る意味ある言いましたでス。
この世界来るは、それでしたと。
全てに意味あるように、あなたがここに来た意味あるでス。
ワタシ、信じまス。」
「この間、ネコの神様見たでス。
二本足で歩いて、おヒゲ揺れてたデス。
絵本で見たことあるデス。
あれは、ケットシー言って、この世界の妖精の一種でス。
幻視が出来る人に見えるでス。
あの凛々しさ、名のある英雄妖精デス。
きっと世界良くするためやってきたデス。
猫にゴハン言いまス。
だから、ありったけのご飯とメザシ、あげたデス。
世界が良くなるといいでスネ。」
ヨーコ「…。」
ヨーコは、しゃべれないようだ。
ヨーコ「…。」
ヨーコは、うなずいた。
[選択1]
(なぜ喋れないの?) / (どうかした?)
ヨーコ「…んー、…。」
今日、しゃべると…死んじゃうって…?
[選択2]
(原に言われたの?) / (中村に言われたの?) / (滝川か?) / (まさか新井木に言われたとか?) / (となりの女子校生のいぢめ?)
ヨーコ「…。」
ヨーコは、うなずいた。
[選択3-1]
(笑ってからかう。)
○○「それは…じゃあ、がんばって。」
ヨーコ「…。
はいデス。
…はっ…!
…んんん…。」
[選択3-2]
(許せん奴だと怒る。)
ヨーコ「…んんんん! …違っタ。
だ、だめデス。ケンカ良くないでス。
私が悪いデス。他の人、悪くないでス。
だから、…怒るなら私に怒るでス。
…。
ね?
…せっかく同じ惑星に生まれたのに…、
いがみあう、良くナイでスよ?」
「私の日本、とても残念デス。
心ない人、すぐ、コラ、バカ、シネ言うデス。
人は、たとえ言葉通じなくても、グズでも、意味分かるデス。
哀しいでス…。」
[選択1]
(優しいね…。) / (なにか言われた?)
「ち、違うデス…。
…。
ベルオトーサン言いました。
真実を信じること、重要です。
真実を、失わない、重要です。
他のヒト、イイデス。
オニーサン、オネーサン真似しなくていいでス。ヨーコはヨーコでス…って。
私は、私の目と心、信じマス。
ヨーコは、アナタがなにかをするためここに来たと信じまス。
キット、あなたは、世界を幸せにスルでス。
そう、感じまス。万物の精霊を使うヒト、そういう顔するデス。」
「手を、出してください。
この手に、模様描くデス。
…最初に模様ありキでス。
これは、幸運の模様。万物の精霊、この模様を巡って踊り、言うことを聞くデス。
…はい。
出来たでス。
イアルは太陽の名前。幸福の名。
ヨーコは幸せの娘ですよ?」
「なにでスか?
私は、今のあなたがあなたらしいと思うデスよ? 信頼、できるデス。」
「猫妖精と話せるでスか?
私、あなたが話す見たことあるデス。
…うらやましいでス。今度教えてでス。」
ヨーコさんが、ののみに絵本を読んであげている。
…絵になるなぁ。
聞きますか。
[選択1-1]
(聞く。)
ヨーコ「ねこかみさまのおはなし。
むかしむかし、ねこのかみさまにはたくさんのにんげんのおともだちがいました。」
ののみ「ねこさんにんげんともともだちなの?」
ヨーコ「はいデス。
優しささえあれば、どんなものとも対話してともだちになれるでスよ?」
ののみ「いいはなしだねぇ。」
ヨーコ「はいデス。でも、これで終り違いマスよ。
ねこのかみさまは にんげんとともに きょうわこくとてーこくをまもり、てーこくがほろびるそのさいごをみとどけたのち、とものベルトをくびわにして、たびにでました。
かなしいおもいでから はなれるように。
にんげんにわるさをする ねずみをこらしめながら、ふねにのって ひがしへ ひがしへ。
なんびゃくねんもたびをつづけて、さいごにたどりついたそのばしょのなまえは ひのくに。
ねずみにとりついたコロリというびょうきになやまされていたひとびとは、ねこのかみさまを いこくのふねからもらいうけます。
ねこかみさまはおきゃくさまとしてだいじにされました。
たどりついてより60ねんのあと、あかいふくももらいました。
ありがとう ねこさん ぼくのともだちよ。
それはせんねんもむかしにきいて、いちどもわすれたことのないことば。
ねこのかみさまがききたかったことば。
ねこのかみさまはひのくにのひとにつたえます。
ありがとう。
このひのいろのふくにかけて、あおぞらがおちるまで、ちがさけうみがぼくをのみこむまで、ぼくはこのくにをまもりましょう。
やくそくは はたされました。
それからねこのかみさまはむかしもいまも ひのくにのよるをまもるのです。
おしまい。」
ののみ「…今もね、ねこさんはよるを守っているの?」
ヨーコ「ええ。友情ハ、信頼という水で育つ、時を越えて青く広がる永遠の木。ののみサンが信じれば、キット…。」
ののみ「ののみはねぇ、うん、信じるのよ。
ねこさんを信じるの。」
ヨーコ「デハ、きっと、ねこさんも答えるデスよ?」
の「ふぇぇ、ほんとぅ。うれしいなぁ。
げんじゅーさんもやっつけてくれているの。」
ヨ「…ハイ。」(以下※に続く)
[選択1-2]
(聞かない。)
(以下※に続く)
※
ヨーコさんはこちらを見て、優しく微笑みました。
「…ベルおとーさん。言ってまシた。
あの黒い月は、聖銃ダと。
アトもう一つの青い銃は、どこに行ったのかと。
闇がアレば星がまたたくようニ。
幻獣が出るとき、同時にもう一つの存在、生まれるデス。
…それが、ナンなのか、分からないでス。
デも…必ずアル、信じます。
幻獣と本来戦う、存在がアルコトを。」
「いい天気にいい空気。私が一人占めするのよくないでス。
みんなに分けなくちゃ」
ヨーコは、にっこり笑うと、おひさまとののみとブータを子分に、遠坂と風達を弟子にして、掃除に洗濯と料理をはじめた。
周囲が、瞬く間に心地よく人間が生活できる環境に変わっていく。
魔法使いのようだ。
腕を振るたびに、全部が奇麗になっていく。
生活環境が良くなったせいか、士気があがった!
生活環境が良くなったせいか、悲しみや怒りが収まった!
生活環境が良くなったせいか、疲れが癒えた!
おまけにみんな、ヨーコさんに頭があがらなくなった!
「みなさん、やつれてるでス。
学校でなにか、出来ないでしょうカ。」