[階級PC<=若宮]
「俺は、若宮 康光(わかみや やすみつ)。
95年軍幼年学校卒、△△だ。
たぶん、俺が先任だな。
…よろしく頼む。」
[選択1-1]
(先任ってなんですか?)
「…先任を知らんのか?
普通学校卒の徴募組か、技術屋か?
まあいい。
軍隊では同じ階級なら、先にその任についた方を先任としてより高く扱う。
軍隊は話し合いの組織じゃないんでな。
命令したりされたりの方がいい。
もっとも、俺達の関係ではそれはいらんか。
それから軍隊では上官に対して、真っ向から反論するな。聞かれたら、最初にハイと言え。
はい、いいえ違いますと言うんだ。いいな。
兵にとっての神様は下士官。士官ともなればそれ以上だ。軍はその権威でもって殺し合いをする団体だからな。守らねばならん。
いいな。…よし。
今後ともよろしく頼む。」
[選択1-2]
(こちらこそ。)
「こちらこそよろしく。」
[階級PC>若宮]
「お初にお目にかかります! 若宮 康光(わかみや やすみつ)△△であります。
スカウト(戦車随伴兵)として、4年ほど実戦勤務しております。
御用があればなんなりとお申しつけください。▲▲。」
若宮は少しだけ笑うと、多少くずれた敬礼をして見せた。
[階級PC<=若宮]
「なに? よく食うなだと?
スカウトは、身体が資本だ。戦車兵と違って、体力がそのまま耐久力になるからな。
ま、お陰で故障で出撃できないことはないがな。ははは。
スカウトはな、これはこれでいい仕事だぞ。
武器の種類はあるし、ウォードレスもよりどりみどりだ。
それにな…鍛えまくれば、ひょっとしたら、戦車より強くなるかもしれん。
なんて考えたほうがいいような気がせんか。」
[階級PC>若宮]
「スカウトという職業も、長くやってみれば、なかなか面白いもんです。
士魂号よりは、沢山の武器もありますし、ウォードレスのバリエーションもありますから。
機動力が足りないのが問題ですが。
肉体能力が高ければ、でかいのとも戦える気がします。
…失礼しました。気安すぎました。」
[階級PC<=若宮]
「士官学校では、俺達の知らん恐いことを習っとるそうだ。うちでちゃんとそこを出たのは善行△△だけだが。
なんでも、真実って奴らしいぞ。
いやいや、真実ってやつにロクなものはないからな。
まあ、仲良くして聞くのも悪くないが、知ったら、恐すぎて戦争できなくなるかもな。
ははは。」
[階級PC>若宮]
「善行△△に近づかれた方が良いと思います。
あの方は、士官学校で我々の知らない真実をいろいろ学んでいるはずですから。」
[階級PC<=若宮]
「…一応、スカウトのイロハを教えてやろう。
まず、スカウトは己の身体能力だけが全てだ。
体力と運動力を1000以上、気力で600以上なければ、後ろで震えていろ。
武装は、サブマシンガンとアサルトライフルがいい。
雑魚掃討用に手榴弾、レーザー対策に煙幕手榴弾が必要になる。くすねとけ。
あとは、裏マーケットで接敵用のリテルゴルロケットを買った方が良いだろう。
逃げるにしても近づくにも、要るようになる。
ま、ボー・グエン・ザップじゃないが、戦っている限りは負けじゃない。
生き残れよ。
士官にとって俺達は駒だが、俺達にとってはたった一つの命だからな。」
[階級PC>若宮]
「スカウトは、己の身体能力だけが全てを決めます。
体力と運動力を1000以上、気力で600以上鍛えれば良いと思います。
武装はサブマシンガンとアサルトライフルが良いと思います。
雑魚掃討用に手榴弾、レーザー対策に煙幕手榴弾をお忘れなく。
あとは、裏マーケットで接敵用のリテルゴルロケットを買った方が良いと思います。
スカウトは敵にいかに近づくかが命です。
はっ、お役に立てれば幸いです。」
[階級PC<=若宮]
「なんだ、質問か?」
[選択1-1]
(この戦争にどんな意味が?)
「意味か。意味は、戦争が終わってから考えるさ。
とりあえず死んだらそれどころじゃないだろう。
そういう偉いことを考えているんなら、お前、死ぬなよ。いいな。
前から思っていたんだが、お前は俺達とは違う。
状況に流されるんじゃなくて、自分で考えることは…こんなご時世じゃ貴重なことだ。
だから生き残れよ。
生き残って、出来ることなら俺達が生きやすい世の中にしてくれ。
戦争をなくせとは言わないが、20年くらいは、な。
ははは、たのんだぞ?
その時は俺を部下にしてくれ。」
[選択1-2]
(幻獣ってなんでしょうか?)
「さあな。学者先生は、異星人とか、異次元の怪物とか言うがな。
…お前はどうだ。実際戦ってるのは、俺達だ。
あいつらは、ほんとに知能もなにもないのか。
…俺はな、俺にはあいつらが、人間か、人間が生んだ物のように見えるよ。
でなけりゃ、あんな悪質なことはせんだろ。
いつだって人間最大の敵は人間だ。
…逆だな、必要とあれば自分達の子の遺伝子に手を入れてまで戦う戦闘種族…。
人間に対抗できるのは、人間だけだ。
ふっ。さ、この話は終わりだ。忘れろ。
お前が気にしてどうする。
だいたい、こういう会話の内容が士官に知れたら、拘束ものだぞ。」
[階級PC>若宮]
「…は?
いえ、この戦争を、どう思うか…ですか。
自分は昔からこの課業ですからな。なんとも。
△△は普通学校からの転籍でしたか。
…まあ、どんどん大人が減っているのは、漠然とした不安はありますな。
我々が死ぬのはどうかとも思いますが。
…しかし、よくそんなこと考えて、戦争できますな。
まあ、自分は△△の命令を聞くだけです。
考えるのは△△にお任せしますよ。」
[階級PC<=若宮]
「兵隊は走るのが商売、下士官は兵に言うことをきかせるのが商売。
士官は責任を取るのが商売だ。
それ以上の、例えば参謀様だとかは、何をしてるのか分からん。
案外作戦を決めるのに、ジャンケンで決めてたりしてな。
これで正解がクジなら、軍隊小話だが。
ま、俺達はせいぜい俺達の商売をしよう。」
[階級PC>若宮]
「軍隊において、現場士官というのは、ただ、勇気を見せればいいんです。
誰よりも先頭で勇敢に戦い、撤退の時は最後まで居る。少なくとも、我々兵や下士官にとって理想の士官とは、それです。
鼻水だそうが泣きながらだろうが、あるいは何にも考えてなかろうが、常に先頭に立ち、あるいは最後まで粘る、それで満点です。
まあ、頭の足りんところは、我々も同じですからな。そんな姿を見て奮い立たん人間は、おりませんよ。
そこを良く覚えておいてください。」
[階級PC<=若宮]
若宮「万が一だがな。万が一、戦争が終わったらだ。
俺はビルの清掃会社でも起こそうと思うんだがな。
…今まで、いろいろぶち壊したしな。
とはいえ、何か作ることが出来るほど技術もない。
…笑うな。考えてみろ。
…殺し合いしないで金が貰えるなんかずいぶんな幸せだと思わんか。
…いや、その…なんだ。
一人で会社作るのはなんだしな。
出来るなら…まあ、なんだ。
一人ぐらいは共同経営者が欲しいかな。」
司令「おしゃべりはそこまで。敵、確認。
距離1000。若宮、確認せよ。」
若宮「はっ。確認しました。小隊前進させますか。」
司令「そうしよう。小隊前進!」
若宮「小隊前進!」
[階級PC>若宮]
「二人で、長い間戦ってきましたな。
…戦争が終ったら、二人でビルの清掃会社でも作りますか。
フッ。…その時は自分を雇ってくださいよ。
我々下士官にとって、良い上官というものは最大のアタリですからな。
戦争の行方ごときで、手放したくありません。
…時間のようです。行きましょう。
敵、見えました。距離1000!
…。
はっ、小隊前進!」
[階級PC<=若宮]
倒れている若宮が見つかったのは、戦闘終了後、すぐだった。
まだ、息はあった。
若宮は血を流しながら、口笛を吹いていた。
「…空が青いということを、忘れていたよ…。
…もう駄目だ。
…助からん。
悪いが、楽にさせてくれ。」
[選択1-1]
(楽にさせてやる。)
「悪いな。お前には、最後まで面倒をかける。」
若宮は、死んだ。
[選択1-2]
(なんとか助ける。)
「…俺は重い。無理だ。ほら…無理だと…。
…ふっ…アンコが…出るじゃないか…。」
若宮をかついでなんとか歩こうとしていると、若宮は、○○の腰につけたホルスターから銃を抜いた。
「…戦友の言うことくらい…聞くもんだぞ…。
…死ぬほど、痛いんだから…
…次があったら…注意しろ…。」
若宮は、死んだ。
[階級PC>若宮]
倒れている若宮が見つかったのは、戦闘終了後、すぐだった。
まだ、息はあった。
助け起こすと、若宮は弱々しく笑って、目をつぶった。
「…良い上官をもったせいで…、
…面白い…人生でした…。
…本当に……面白い………、
………。」
若宮は、死んだ。
「…芝村△△とは、あまり関わりにならないほうがいいと思いますが。」
「…芝村は、恐いですな。
奴等が言っている通りに世界を征服したら、世界は暗黒に包まれるでしょう。」
「腐ったリンゴは、周りのリンゴも腐らせます。
お互い、腐らないようにしたいもんですな。
…芝村のことですよ。」
「…かくて、芝村は増える、ガンのように。
…いえ、独り言です。」
「上官どもが騒いでいるな…。
なんだ?」
「ヨーコさんは、純真ですな。
私もあの人のように、無邪気に何かを信じて、一生懸命になりたいもんです。
よりにもよってあなたと言うのは、どうにも納得できませんが。」
「…いかんな。
…芳野教官のことです。
今度、辞任されるように陳情します。」
「人類決戦存在HERO…絢爛舞踏。
その勲章を持つ者は、なぜだか、すぐ、行方不明になる…。
俺は…、
いえ、自分は一度だけ、別の絢爛舞踏を見たことがあります。
失踪の、3日前でしたが。
…いや、なんだか、貴方に似ています。
その、私の肩の上あたりを、冷たい目で見る感じが。
まさか、失踪するなんてないでしょうね。」
若宮の肩の上に、気の強そうな小神族が乗っている。
小神族「…なんだ、文句があるのか?
私は竜を追ってきた、そなたの味方だぞ!」
若宮「なにか?」
笑って首を振りました。
小神族「伝説で行けば、先輩に向かって、もー。」
若宮の肩に乗った小神族が、立ち上がってしゃべりかけている。
小神族「我ら幸運の女神が見るところ、田辺と、このトーヘンボクと、あと速水は違うようだ。
…まあ、我らがついている人々と言えばそれまでだが。他を当たったが良いぞ。」
若宮「…えーと、その、なにか、俺の肩に?」
笑って首を振りました。
軽く会釈して会話を終ります。
小神族「…ふん、そなたも分かってきたな!
今度から小さいのにもちゃんと挨拶するがよいぞ。へへん!」