「そう言えば、自己紹介してなかったっけ。
はじめまして。
原 素子(はら もとこ)です。
よろしく。」
[PCがパイロットの時]
「バックアップの方ではがんばるから、あんまり機体を壊さないようにね。
…パイロットさん。」
[PCが整備班の時]
「整備学校では、中々の成績だったみたいね。
頼りにしてるわ。」
[PCが衛生官・事務官・無職の時]
(そのまま終了)
※スカウトの時もそのまま終了だったような記憶はあるのだが。
「士魂号はね…生体部品で構成されているのよ。
つまり、生物ってわけ。
お早めにお召し上がりくださいって、なんだか女の子みたいよね。
…なに、その目は。」
「どう? 機体の方は、パイロットさん。
見てやってよ。あなたが壊すたびに、整備士達がどれだけ努力して修理しているかを。
部品不足や最近の精度不良の部品にめげず、泣きごといわずに、頑張っているんだから。
…謝れって言っているんじゃないのよ。
感謝しろって、言ってるわけでもないの。
ただ、自分一人で戦争しているんじゃないと、そう教えたいだけ。
一人では戦車は動かないのよ。
名パイロットは、そこのところ、良く分かっていなきゃ、ね?」
士魂号達は、絶望と悲しみの声をあげている。
「なにか、見えるの?
あなた。
…そう。
なんでもないの?
なら、いいわ…。
時々、いるのよ。
…あなたみたいに、ここに入ると急に表情を曇らせる人が。」
「この間、整備班で買ったジュースを、士魂号の生体部品を入れる冷蔵庫に入れていたら、血の匂いが移るって嫌がるのよ。
まったく、みんな。細かいところ気にするんだから…。
色以外は人間の血とそう変わらないのにね。」
[選択1]
(そこが問題では…。) / (まったくです。)
「やあねぇ。
それにしても、士魂号は打たれ弱くて故障か多い上に、すぐオーバーホールで困るわ。
…動けば最高なんでしょうけど。
そのうち、動かせなくなる日が来るんじゃないかしら。
…部品精度は悪くなるし、生体クローン部品はトレーニング不足だし…。
目に見えないところから、少しづつ戦況が悪くなっているのが分かるわ。
…今ある機体を、大事に整備しなきゃね。」
原「…面白いもの、見せてあげるわ。
さっきの戦闘で士魂号が壊れたから。
どう?」
遠坂「死んでます。」
原は、遠坂が引き出した箱の中に目をやって顔をあげた。
原「士魂号の、制御部分…。
多分、この部品は…戦死者か、幻獣共生派のものでしょうね。
…人間のそれを使うなんて、国際法違反よ。
…これが彼らのやり方なのよ。」
原は、整備員達を見た。
「…いい、あなたたちは、何も見なかった。
何も見なかったのよ。
…処分は私がします。」
「ふわぁ。なんだか…眠いわ。
夜更しはお肌の天敵な上に、私は、どうも低血圧なのよね。
…あ、それから…。
ちょっと、昨日頑張ってみたから、後で機体性能を見ておいてね。
…じゃ、悪いけど私…夢も見ず寝るわ。
おやすみなさい。」
原は、歩いていった…。
「これはとーっても、機密事項なんだけど。
知りたい?」
[選択1-1]
(いいえ。)
※
「なーんだ、つまらないの。
あーあ、せっかく、勇気だして言ったんだけどなぁ。」[イベント終了]
[選択1-2]
(はい。)
「軍規違反でも?」
[選択2-1]
(いいえ。)
(以下※に戻る)
[選択2-2]
(はい。)
「ふふっ。
士魂号にはね、上からの命令で、意味のない構造が入れてあるの。
ほんとうに意味がない、変な模様を見えないように透明な特殊塗料でびっしり書き込んでいるの。腕を中心にね。
これは開発段階だったけど、たぶん、今の機体も全部、入れてあるはずだわ。
これについて聞いたら、なんて言われたと思う…?」
[選択3]
(分からない。) / (さあ。)
「この世界では意味はなくても、それだけだ、ですって。
まったく、芝村一族は分からないわね。
もっとも、士魂号やウォードレス開発の決定打になったオーバーテクノロジー、人工筋肉の秘密を独占する彼らだから…
たぶん、筋肉がらみでしょうけどね。
それとも、これだけ知ってて私が生きているところを見ると、全然見当違いなのかしら?
…オーバーだと思う?
でもね、士魂号の開発に関わってる人は、結構、事故死しているんだから。
私は当時下っ端だったから、見逃されているだけ。…それでもあの一族の監視下にいるのは、間違いなさそうね。
…ま、いいか。これで、消されるときは一緒よ。…なんて。
[浮気したら、密告したりして。] 」
「昔ね、善行くんとつきあっていたの。
ところが…、捨てられちゃってね…。
ずっと前から他のひとと、付き合ってたの。
…男を見る眼がなかったのね。
…次は、失敗しないようにしないと、ね。
…。
…士魂号の後期型だけど、かなりいいわ。
少しづつだけど、性能は上がっている。
特に、人工筋肉が。
あの人工筋肉は、芝村一族の秘密。
我々はただ貰って使うだけのオーバーテクノロジーなんだけど…。
一体彼らはどうやってあれだけの物を研究してきたのかしら。
研究施設なんて、ひとつも持ってないのに。」
「ねえ、…ずっと前の話、覚えている?
…。
…消されるときは一緒よ。…なんて。
裏切らないでね。…私を。
嫉妬深いんだから。」
原は、後ろから抱き付いてきた。
「…だから、言ったでしょう。
嫉妬深いから、裏切らないでねって…。」
[ぷしゅーっ]
原は、○○の血を自分の腹に塗りながら笑った。
「結局、あなたは私の中にしか帰る場所はなかったのよ。
馬鹿なひと…ほんとうに…。
そして…おかえりなさい。」
原は、くずれおちる○○の身体をずっと抱いていた。
人が、集まってくる。
「この間、あの芝村さんと話してなかった?
…関わり合いにならないほうがいいわよ。
あの人の実家、悪い噂しか聞かないわ。」
「…芝村のお姫様のね…目が、嫌いなのよ。
吐き気がするわ。世界は自分の物と、信じて疑わない目。」
「…芝村のお姫様の目が、本当に嫌いなのよ。
まるで私たちなんか、目に入ってないよう。
…多少能力があるからと言って…!」
「…その目、気に入らないわ。
楽観と自信と、絶望の中の希望を見る目。
悩みも悲しみも捨てた嫌な目よ。」
「昨日、文書の形で新型幻獣注意が出ていたわ。
多分…例のテロ専用幻獣でしょうけど。
…まったく、人間並みにずるがしこいこと…。」
「あら、世界を救う勇者さん?
ヨーコさんが嬉しそうに話してたわよ?
せっかくだから少し付き合ってあげなさいよ。」
「芳野先生…最近荒れてるわね?
あら、分からなかった?
お酒、いつも入っているでしょう?」
女子高の生徒「せーの。」
女子高の生徒ABC「○○くーん!」
横断幕を持ってハッピを着た女の子達がメガホンに叫んだ。
こちらの表情に気付くと、嬉しそうに互いに微笑んで走っていった。
○○「…なんだ?」
原「若宮くんみたいな娘達ね。人気者さん。」
「幻獣を悪く言う人もいるけどね…、…幻獣には幻獣の意見もあるわ。
組織的に戦える知能があるくらいの敵ですものね…。
でも悲しいことに、相手には口がないので、意志疎通できない。
…悲劇ね。
…どこにでもある、あたり前の悲劇。」