市境前12アールの「ごちゃっと置き場」

バード王子の独立記 - 都市設定2

注:連載当時、「小説家になろう」の活動報告に掲載したことをほぼそのまま転載しています。

都市設定2(上水・下水事情)

王都・城外街の上水、下水事情(王都編)

(2017年 07月06日 (木) 21:45 の活動報告より)

基本的に王都と城外街は隣り合った都市です。その結果、上水、下水の考え方も似たものとなります。
ということで、まずは王都側から。

まず、王都の近くにはそれなりに大きな川が流れています。これが基本的には水源です。上水はこの川から用水路で取水、街に水路を張り巡らせ、住民は近くの用水から取水する形です。
飲用水用に水質を保証した取水場が定められ、ここは兵士が常駐しています。でもまあ、飲用水を運搬するのは重労働です。なので、普通の人は近くの用水路から水を運んで生活しています。

そういった訳で、この用水路の水質は王都の生命線です。ここが汚染されると、途端に水不足が発生します。当然、この用水路は取水専用となります。汚物の廃棄はもちろん、水遊び、船遊び等も禁止です。ここまでしなくても良い気もしますが、まあこの辺は勢いで。

次に下水ですが。基本的に道路に沿って排水路が整備されています。まあ、側溝やどぶ川の類です。で、各戸の水場から流れた水はここに流れていきます。また、どぶ川は常に流れるように、用水路から一定量の水が供給されています。

……大事なことなので、先に書きます。トイレはここには繋がっていません。

あくまで、生活用水の排水路としての下水道です。現代の下水とは考え方が違うことになります。実際、生活用水よりも雨水の廃水の方が重要な気がしますし。
この排水路で集められた下水は、王都の外の川に流されます。

そういった訳で、下水も地上を流れています。……まあ、ちょっと汚い水な訳ですが。実際の所、トイレさえ切り離せば、そこまで汚くはないと思います。
排水桝みたいなもので定期的に汚泥を取り除けば、そこそこ清潔さを保てるんじゃないかと。

微妙に話がそれますが、側溝と道路は、道路に面した住民に清掃義務が課せられています。異常に汚かったり、排水溝が詰まったりした場合は、その一帯の用水路が止められます。
これは懲罰的な意味では無くて、用水路の水質を守るための必要措置としての施策です。雨水とかが用水路に流れ込んだ際に汚染されるような地区は、用水そのものを止めて、そこから下流の用水に被害が及ぶのを防ぐ目的です。
まあ、実際に上水が止められる事態になったら、その辺りに住む住民は多分、王都に居られないんじゃないかなぁと思います。他の住民としては良い迷惑ですので。

長くなりましたが、要するに、汚物を適正に管理することで、人為的なものはもちろん、雨水等も都市部の汚水は出来るだけ流さない、流入したとしてもそこまで汚れないようにする形でのインフラが整備されている、という設定です。

あと、王城内に限定して、下水道が導入されています。この辺りはまた後日に語ろうかなと思います。

王都と城外街は合わせると50万の人口を誇る大都市です。この設定だと、清潔な水の確保は最重要でして。で、その人口を井戸水で賄うのには無理があるかなぁ、なんて思ってしまった訳です。で、こんな設定になった訳で。難儀な性格です、我ながら(笑)

……実際の所はどうなんでしょう? ちょっと謎だったり。

この設定、本編にはほとんど影響していないのでアレですが。街道が川沿いに敷設されているくらいでしょうか?
その辺りは生活用水を川から得ている、汚水は自然が浄化できる程度でしか流していない前提で書いています。

中世ヨーロッパの様子を色々ネットで漁ると、もうアレです。衛生環境は洒落になってない記述が多いと。
……だけどね、技術的な問題では無い訳です、それって。だって、衛生環境を組み込まれた都市というのは紀元前からある訳ですから。ローマとかね。

また、現代的な(どんな汚物を垂れ流しても良い)下水が無いから、というのもあるでしょうが、別にそういった施設が無い都市で、ある程度清潔さを保った都市だってある訳です。江戸とかね。

結局は、その時代に生きる人間の常識、習慣、そういった問題かなと。必要な法整備はされているのに守られないとか、そういった感じになるのかなぁと。
その辺りを考えれば、清潔な中世都市というのを構築しても不自然じゃないかなぁ、なんて個人的には思った訳です。……というかね、普通に構築すれば、あそこまで悲惨なことにはならないかなと。不潔な都市なんてものは、例え史実に倣っても、説明は要ると個人的には思うし、その説明、結構膨大になるんじゃないかと思ったりします。知らない人は知らないはずなので。

王都・城外街の上水、下水事情(城外街編)

(2017年 07月14日 (金) 23:44 の活動報告より)

王都の上水、下水事情を書きましたので、今回は城外街を。
えっと、そうですね。

王都と同じ、上水は川から用水路で取水、下水は側溝、どぶ川です。以上。

……えっとですね。王都の水路ですが、北から南に流れています。で、王都正門は南側です。城外街は王都の外に勝手に出来た街ですが、最初は王都正門付近に出来ています。この頃は、王都から流れ出る用水路の水をそのまま(無断で)利用していました。

王都側は、上流側の水は無断利用を厳しく取り締まりますが、下流側は結構おおらかでした。まあ、自分たちが使い始める前か、使い終わったかの差です。但し、完全な放置状態でも無く、一種の指導めいたものが入ります。王都の玄関口なので。あまり汚しすと品位を損なう、みたいな感じです。

王都の水路を流れる水量は結構余裕があって、生活用水としてだけでなく、小規模ながらも農業用水としても利用されます。ただまあ、元々人が住める条件を多く満たしていたからこそ人が集まった場所です。潤沢に水を使う作物よりは、乾燥に強い作物を好んで栽培されています。

そういった感じで、まずは王都南側に、王都の水路を流用した水インフラが整備されていきます。それに伴って、街も大きく発展していきます。

水のことだけを考えれば、この南側がもっとも発展に有利です。ですが、城外街は王都の近くで商人との交易をすることで発展しています。で、王都は正門だけではありません(初公開)。あと、西門と東門があります(初公開)。より多くの商人と取引する機会を作るため、西と東に拡張することを選びます。
ですが、上流の水路が制限されている以上、王都の水路を引くことはできません。で、川から独自に水を引き始めます。その位、南側の街は大きな街になっていたという事ですね。

この時に行政区が作られます。当初から発展してきた南側は、門東区、門西区、交易特区の三つに分けられ、後発の街はそれぞれ城西区、城東区と名付けられます。

こうして城外街は発展をしていきますが、徐々に食料消費地としての性格を帯びてくるようになります。商人から食料を買う事もできますが、王都が食料の一大消費地です。どちらかというと、城外街は、王都で空になった馬車の荷を城外街で詰め込むような形にしたい訳です。
で、食料自給のため、農地整備のための大規模水路を計画します。未だ手つかずだった城の北部を城北部と名付け、灌漑を前提とした農地が整備されていきます。

城外街にある行政区は、地域による区分けという意味と同時に、水系による区分けでもあると、そういった感じでしょうか。

城の南側(門東区、門西区):王都水路
城の西東(城西区、城東区):城外街整備の水路(初期)
城の北側(城北区):城外街整備の大規模水路


こぼれ話第二話「流転の王都民」、この辺りも出したかったのですよね、出せなかったけど(爆)
まあでも、ちゃんとした話になっただけでも良しでしょうか。

こんな感じでしょうか。設定に説得力があると良いな(汗)

……これでやっとトイレ事情の説明に行ける(違)

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