注:連載当時、「小説家になろう」の活動報告に掲載したことをほぼそのまま転載しています。
(2017年 06月30日 (金) 22:51 の活動報告より)
拙作で登場した、王都、城外街、ビオス・フィアの三都市ですが。それぞれイメージしているものが違います。
王都:ヨーロッパ的な石造りの都市
城外街:江戸っぽいリサイクル都市
ビオス・フィア:近代の大都市
また、城外街とビオス・フィアに登場した貧民街、どちらも単に「貧しい地域」とは言い難い歴史を持っています。
城外街貧民街:
城外街は元々、「王都を囲む城壁の外に自然発生した都市」という設定です。始めは城内に入城する商人に素朴な軽食を売るとか、一時的な休憩所を提供するとか、そんな感じでしょうか。そういったものが、宿となり、需要が発生する。城内で生活できなくなった人の受け皿になっていく、etc……。
そんな感じですので、城外街の出発点そのものに、貧民街としての性質があります。城内で住めない人が外に活路を見出した、みたいな感じです。
貧民街に対する、ちょっと優しいかなと思える城外街の性質は、街の歴史が生んだという感じです。
ビオス・フィア貧民街:
こちらはどちらかと言えば、「入植時に農業を生業として選んだ人たち」が原点です。ビオス・フィアは先史文明の遺物な訳ですが、中心部に都市機能、周辺部に自然区画が存在し、高い壁によって外と遮られている構造になっています。
この都市で過ごそうとした場合、田畑を作るには自然区画の近くに住居を構える方が便利な訳です。また、住民がある程度固まっていた方が便利だし、安心できます。
入植当初は本来の設備がそのまま生きています。居住施設として集合住宅があり、エレベーターも生きている状態です。そういった背景から、人口過密地帯がまずは出来上がった訳です。
ですが、作中にも示されていますが、徐々に施設が壊れていきます。エレベータなんかは壊れてしまえば上層階に住むのが困難になっていきます。水をくみ上げるポンプなんかもですね。そうすると、上部に住めなくなった人が下に降りてきます。人が集まっている分、施設の稼働率も高くなります。壊れるのも早い訳です。
結果、上階に住めなくなった人が道路を埋め着くすようなバラック建造物を建ていきます。収容能力の不足はやがて治安等の悪化につながり、貧民街的な地域となった感じです。
その間、中心部の都市部に住んだ人は交易を開始し、商業を発展させていきます。結果として貧富の差が激しくなり、地域差が浮き彫りになったと、そんな感じです。
なお、作者の我儘で、奇跡的に壊れることなく機能している施設があります。
下水道と浄水循環施設です。この二つが壊れたら、ビオス・フィアはエライことになります。主に現代人の衛生観念に(爆)
……真っ先に壊れそうな気がしますが、そんなことはありません。先史文明の人も、汚いのは嫌だったのです。だからとてつもなく頑丈に作ったのです!
以上、言い訳の代わりでした。
実際、設定というより妄想でしょうか? むしろ幻滅されないかな、なんて思いつつ。