以下の作品は、同じ世界設定を用いた別時代の作品となっています。
(バード王子の独立記:中世~近世、フィリ・ディーアが触れる世界:近世から近代)
どちらも独立した作品となっていますので、お好きな方をどうぞ。
誰かのための道を、自分を信じて拓いていく。
――これは、そんな人たちが、未来に辿りつくまでの物語。
平民出身の側妃の子として生まれたバード。幼少の頃から孤立していた彼だが、あるとき二人の知己を得る。彼が先生と慕うイーロゥと、彼を家族のように想うメディーナ。彼らは王族ゆえに翻弄されるバードを助け、彼を王族という楔から解き放とうとする。窮地にあった彼を助けながら成長する二人、やがてその彼も、そんな二人を見て育っていく、そんな、互いに成長しあう彼らに待ち受ける運命とは……
頂いたレビュー(推薦文)
国王の側室の子供で、王宮の中で鳥かごの鳥のように育った。
それが、この物語の主人公、バード君である。
と聞くと、ああ、王位継承をめぐる宮廷劇かと思われる方も多いだろう。が。
彼は、その泥沼、と言うより、安全な温室にいることを潔しとしなかった。というより、
作者が彼を千尋の谷の底に突き落とした。
そこから、這い上ってこい、と。
作者は信じていた。彼が大勢の信頼する仲間を見つけること、そしていかなる深淵からも這い上がってくる力があることを。
さて、バード君は作者の期待に応えることができただろうか?
それは、ぜひ貴方の目で確かめていただきたい。
忠義を尽くすもの、いまだ忠義を尽くせないもの。
その理由、心情まさにさまざまである
なのでこぼれ話しではないのだな(;・∀・)っ
そんな軽い話じゃない。
政治的なテーマもバリバリありますし
けどそれが重たくなく、しかもわざとらしくない。
こうゆう話にありがちなのですけど、身分の高い人の設定が
滑ってしまうと言うやつ。
それが全くない。
特にビビっとキタのはこのセリフ
>「語る理由が無い。先王陛下亡き後、我は未だ、誰にも剣を捧げた覚えが無い故」
こうゆうセリフがビシッとはまる。こんな物語は
本当に珍しい。
ではタイトルにもどる
この重厚な雰囲気はまさに大河ドラマである
人と人でない者、善人と悪人、大人と子供。様々な人たちが喜び、怒り、悲しみを抱えながらも受け止める。
――これは、そんな様々な生を描いた、時に苛烈で時に優しい人間賛歌。
文明を滅ぼす「大災害」から復興した世の中。魔法という名の技術と残された先史文明の知識によって、過去とは異なる文明を築きつつある世界。失われて久しい先史文明の遺失技術の知識、そのアクセス端末が小さなきっかけで修復される。復興時に活躍し、今は機能を停止した「聖典」と呼ばれるその端末。シングルショット(単発)の魔法銃が普及し、複葉機が飛び交う世界で、国宝となったアクセス端末を巡り、それぞれの思惑をのせた戦いが繰り広げられる。
※拙作「バード王子の独立記」の世界から約150年後の世界です。同時に、独立した作品ですので、「バード王子の独立記」を読んでいなくても大丈夫です。
頂いたレビュー(推薦文)
[2017年 03月 21日 08時 56分]
まず先に断っておくと、私はファンタジーが苦手だ。
その中でも特にハイファンは苦手だ。その理由として、設定が洪水のように押し寄せてくるからだ。
……つまり、覚えられないのである。
なのに、この作品はするすると頭の中に入ってきた。
その理由はキャラクターだ。重厚なのに軽妙で、渋ささえ感じさせるキャラクターたちのおかげで、おそらく難しい部類に入るであろう設定が全く苦にならないのだ。
そしてキャラクタの魅力が、そのまま、感情移入出来る要素となっているからだ。
そしてどうしてそこまで魅力があるのか。それは、彼らの行動に嘘がないこと。おそらく、作者様が本当に感じ、感動したことをキャラクタにさせているであろうこと。だから見るものを説得する力があるのだと私は思う。
惜しむらくは、視点が統一されていないことである。が、その欠点をおぎなってあまりある魅力のある物語を是非ご一読いただきたいと願うものである。
完結済み、全96話、約52万字
推定読了時間:約17時間20分