貝原益軒の健康法

貝原益軒 : 300年以上前 江戸時代1630-1714
福岡 黒田藩士 医師 儒学者
養生訓を83歳で出版し当時の大ベストセラーとなり現在でも読まれています。
江戸時代の人々の平均寿命は40歳を下回っていましたが、その時代に、貝原益軒は85歳まで生きました。最期まで認知症や寝たきりになることなく生涯を全うした、まさに健康長寿を体現した人物です。子供が生まれなかったため夫婦仲もよく、
妻が62歳で死んだら、その後気力が失せ、8か月後に追うように世を去った。
墓所は福岡市中央区の金龍寺にあり夫婦二つの墓が並んで立っています。

養生訓には健康で長寿の秘訣が書かれています。
貝原益軒は、医師の子供として生まれ、幼少のころから病弱で若死にを心配し、父の医学書を読み勉強しました。結婚は39歳の時、23歳下の17歳の妻を嫁としました。益軒以上に妻も病弱であったので、勉強してきたことを実践する事にしました。
① 食生活
食べる量は「腹八分目」を「適量」として、「ものたりないくらいがよい」。
前にとった食事が消化してから次の食事をとる
食後はじっと座るのではなく、自分に合った軽い運動を行う
夕食は朝食よりも少なめにする。
夕食は早めに(軽めに)、深夜になってから飲食はしてはいけない」。
食事は温かいうちに食べる
食事は薄味にし、塩分の少ない食事をとる、脂っこいものは食べ過ぎない
酒は少しにして呑みすぎない

② 予防医学・・心身ともに健康であること
毎日体重測定をして、健康維持の指標とした。
土踏まずを軽く指圧マッサージをして胃腸を調える。
時々両手をこすり合わせ温めて、両の手で両眼を温めるとリラックスできる。
大便、小便は我慢せずに早く済ませる

③ 夫婦で楽しむ趣味を持つ(益軒、東軒夫婦)・・・学び続けること
琵琶(楽器)の演奏   楽しむ
書道         学ぶ 美的、知的向上心
旅行(温泉旅行)    変化に向き合う 知的好奇心
  紀行文を書く・・・旅先での記憶や感情などを文章にして残す。
※脳のワーキングメモリを活性化することで、認知症予防に効果的である。
※夫婦仲が良いと体の免疫能力が高まり、病気のリスクが低くなる。
貝原益軒の名言
『老人は一日をもって十日として日々楽しむべし、常に日を愛惜して一日もあだに暮らすべからず』

薬の服用
「長生きの薬はない。生まれ持った寿命を全うする」

楽訓
旅に出て名所や山水の美しい景色を眺めれば、
よい心をよびおこし、卑しい心を洗い流す助けとなる。
自分の徳も高まり、知識を広めることにもつながる。
旅は王侯貴族の財産以上の価値があるのだ。

辞世の和歌
「越し方は一夜(ひとよ)ばかりの心地して 八十(やそじ)あまりの夢をみしかな」

2024年03月15日