テオロスフォーラム 連続セミナー2003年春期シリーズ(全5回)
『ベケットについて・』
講師 岡本章 他
北沢タウンホール集会室(下北沢)
Sur Samuel BECKETT ・
par Akira OKAMOTO etc. (en
japonais)
Kitazawa Town Hall, Shimokitazawa
昨年、テオロスフォーラムでは、5回の連続セミナー『ベケットについて』(講師
岡室美奈子)を行ない、20世紀における演劇の転換点となったサミュエル・べケッ
ト(1906−1989)を紹介してきた。そこでは現在でも、世界中で繰り返し
上演されている『ゴドーを待ちながら』ばかりでなく、なかなか上演や実際の映像
に接する機会が少ない1970年代以降後期の『わたしじゃない』『オハイオ即興劇』
などの演劇作品、『クワッド』『…雲のように…』などのテレビ作品や唯一の映画
『フィルム』など、多角的な側面に接する機会となった。
(レジュメはカイエテオロス第20号、第23号に掲載)
今期は、その後東京で行なわれた公演の紹介を中心として、より具体的なベケット
の全貌へのアプローチを試みる予定である。
■第1回 2003年6月12日(木)19h00〜 vol.1 le 12 juin 2002
「『ゴドーを待ちながら』の演出」 講師 岡本章
Mise en scene de "En attendant Godor"
par Akira OKamoto,metteur
en scene
昨年秋、錬肉工房の岡本章が、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を
龍昇企画と共同制作、高田馬場のプロト劇場で上演した。ベケットのテクストを解
体、ほぼ五分の一に縮小し、八人の男優たちによるコロス劇として再構成した。
「身体で読まれた、斬新なベケット世界」を表出した、ある種、衝撃的な舞台とな
った。
■第2回 2003年7月17日(木)19:00〜 vol.2 le 17 juillet
2003
「ベケットが訳すベケット ひとつの作品、ふたつの原文」 講師 長島確
二ヵ国語作家であるべケットは、作品を書き上げるたびに自ら翻訳していった。し
たがって彼のほぼすべての作品は著者自身による二ヵ国語版として存在する。この
とき作品とは何か、原文とは、翻訳とは何か。二重の執筆が引き起こす事態の異様
さを問いつめる。
■第3回 2003年9月24日(水)19:00〜 vol.3 le 24 septembre
2003
「ベケットを日本語に訳す 上演へ向けて」 講師 長島確
実際にべケットの戯曲を訳すとはどんなことだろう。舞台上の身体へと宛てられる
とき、翻訳には何が求められるだろう。「ベケット・ライブ」で上演された後期の
戯曲『わたしじゃない』『ロッカバイ』を例に、原作と上演とのはざまにある翻訳
の作業を具体的に紹介する。
■第4回 2003年10月15日(水)19:00〜 vo1.4 le 15 octobre
2003
「べケットの戯曲 俳優の視点から」 講師 鈴木理江子
べケットを演じる度に、決まってある特有な困難に直面する。べケットがおもにト
書き部分で指示している俳優への身体的制約は具体的にどのようなものか。そして
、なぜべケットは俳優にこのような注文を出したのか。実際演じた『芝居』『わた
しじゃない』『ロッカバイ』での体験を踏まえて考えてみたい。
■第5回 2003年11月06日(木)19:00〜 vol.5 le 06
novembre 2003
「言語をかえる、ジャンルをかえる ベケットと翻案」 講師 長島確
翻訳と翻案の境はどこにあるのか。自ら翻訳を続ける一方で、べケットは自作の翻
案(ジャンルの変更)にはきわめて否定的だった。その根拠には、言葉と身体をめ
ぐるきわめて厳密な思考がある。後期の散文・戯曲・TV作品をとりあげながら、
翻案の可能性をさぐる。
[以上敬称略]
参加費 5回分 5000円(会員) 6500円(一般)
各回 1200円(会員) 1500円(一般)
参加ご希望の方は、氏名・住所・TEL・FAX・e-mailアドレスを
明記して、下記までe-mailまたはFAXにてお申し込みください。
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テオロスフォーラム
FORUM THEOROS
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