このテーマは研究テーマ・2の続きのようなものですが、効率追求ではなく、電源が電気的に切り離されていると言う特徴を活用してオーディオ用の電源を作ってみようと言うものです。
トランスによる場合は1次と2次が電気的には直接結合していないので感電はしませんが、電源ノイズのようなものは電気 → 磁気 → 電気で伝達されてしまいます。
この為、バッテリーのようなものを電源としたオーディオアンプと比較すると音が濁ると言った評価があります。
さて、オーディオ用の電源なので、いわゆるプラマイ電源を試作してみようと考えています。
しかし、LR別々の電源を作るとすれば2個作ると言う事ですねー。
トランス2個搭載のアンプと比較する場合には止むを得ないですね。
ただ、必要性が感じられたらにしたいと思います。
いずれにしても、先ずは1個からです。
さて、n=1にするとAC100Vを直接整流した電圧をプラスとマイナスに分割すると無負荷時に約±70V、負荷時には±65V程度になるでしょう。
これをメインアンプの電源にすると定格オーディオ出力は約44V、よって8Ω負荷では約240Wとなるでしょう。
では、n=2にすると、これが60Wです。
こんな出力は今風ではありません。
大は小を兼ねるとも言いますから、大出力用の電源を目指しましょう。
そこで n=1を試作しようと思います。
研究テーマ・2と同様の基本原理図は省略して、n=1の回路図を掲載します。

1/2にしない分、回路も簡単です。
研究テーマ・2で回路図中に付記した黒点は省略しました。
次にこれをプラマイ化しながらスイッチ部分を半導体化します。

プラスラインのスイッチ役はNchのMOSFETですが、逆流防止のダイオードがドレインに直列に接続されます。
マイナスラインはPchのMOSFETで、逆流防止のダイオードがドレインに接続されます。
これでプラスラインもマイナスラインも逆方向電流は阻止される事になり、感電もしない筈です。
マイナスラインもNchを使う事は可能ですが、Pchを使ってプラスラインと対称にしてみました。
ただし、PchはON抵抗値が大きいので、試作では2本並列にしました。
間に挟まったアースラインはNchを使ってもPchを使っても、どちらでも良いのでしょうけど、ON抵抗値の小さいNchを使いました。
しかも、高効率用に使った特にON抵抗の少ないものを使いました。
★.取得データ
1.効率特性データ
C1,C2,C1’,C2’が各々4,700μF/100Vの場合と9,400μF/100Vの場合のデータを取りました。
以下に掲載します。

整流回路が普通のダイオードである事、出力切り替えのMOSFETが必ずしも超低抵抗のものではないので、この程度の効率にとどまっています。
ただし、電解コンデンサの容量は特性データを見る限り9,400μFであれば回路性能としては十分なレベルに達していると思います。
2.温度特性データ
約400W出力の状態で温度特性を取りましたので掲載します。

整流器の温度はリード付きの高速整流器で、特に放熱器も付けていないので、この程度と思います。
★.最後に基板裏面をお見せします。

★.ここから先は詳論としてページを分けてあります。
ご覧頂ける方はここをクリックして下さい。