九重を過ぎ、阿蘇に入り長者原を過ぎた辺りから、一気に雨脚が強く、霧も出ておまけに登り勾配の峠道にさしかかり
遅い四輪車が、さらに遅く走るようになってきた。 ヒデは、当然のごとく遅い四輪車を抜いていく。
ところがーっ。 俺もとばかり、アクセルを空けた途端??加速しない??どうなってるんだろうと思いながら、
回したら直るかもという期待を込めて、順次シフトダウンし、何とか四輪を抜くが、ガス欠のような状態になって とうとう1速でも前へ行かなくなる。あわれ、僕のCBXは路肩で息絶えてしまった。
ヒデが心配して戻ってくれる。遅れていたはっちゃんも追いついてきてセルを回してエンジンをかけようとするが
もう完全に事切れている。
200m程先の、牧ノ戸ドライブインまで、3人がかりで押してレッドバロンへSOSのTELをかけようとするが、携帯は圏外。
なんとか公衆電話を見つけ、引き取りをお願いする。
はっちゃんは、宿へ行って夕食時間変更の交渉をすることになり、先に出発。
お店の人も、今日は商売にならないと思ったのか、帰ってしまいドライブインには、ヒデと僕と、在住のワンコだけが残る。
レッドバロンのトラックが来たら熊本へ回送してもらい、僕はヒデのバイクにタンデムさせてもらおうという作戦に出る。
ところが・・・ヒデのバイクは、バリバリの改造車。タンデムステップなんて面倒なものは、当の昔に外してある。 おまけに、2気筒ほど点火の調子が思わしくなく、半分死にかけだという。
ひょっとしたら2台そろって討ち死にの可能性もあるし、霧はますます濃く、日も暮れて条件は最悪になってくる。
レッドバロンさん早くきてーの願いもむなしく、時間はどんどん過ぎていく。
何度か電話を入れて、話を聞いてみると、阿蘇町の協力工場に別の緊急修理が入って大分から車が出たとのこと。 そして症状からは、ウォーターロックの疑いもあるという。
ウォーターロックというのは、キャブレターのフロートなどのトラブルで、ガソリンがオーバーフローし、シリンダー一杯に
詰まってしまって、セルが回らなくなってしまうのだそうだ。 そうなったら大変な故障であり、パーツの手配などを考えると今回のツーリングはあきらめざるを得ない。
むちゃくちゃ不安になる。 |