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戦後補償講座 法律編

第3回 『戦後補償裁判と時間の壁』 パート1 時効(1)

1 時効とは何か

 一定の期間が経過したことにより、権利を取得するのが『取得時効』、権利を失う(権利が消滅する)のが『消滅時効』という制度です。いずれも期間が経過したことを理由としますが、その期間の長さについては法律により決まっています。たとえば、民法は、「債権は10年間行使しないときは消滅する」(167条)、「不法行為による損害賠償の請求権は・・・3年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも同様とする。」(民法724条)と規定しています。

2 時効の制度趣旨(存在理由)

 では、このような制度がなぜ民事において認められるのでしょうか。日本の権威ある法律の教科書では、@一定期間継続した事実状態をそのまま保護して社会の取引の安全を図ること、A訴えられた人は、昔のことのため自分に有利な証拠(借金を返済したという領収書や有効な契約であったことを示す契約書などの書類)を提出することが難しいという不利益を配慮し、B権利の上に眠る者に対して法は保護しないことを目的とする制度であると説明しています。

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