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  ● 腰椎後方除圧術●
   
  ● ページの内容 ●
 腰椎後方除圧術について解説します。腰部で神経の圧迫病変がある場合に、この手術法は背中側(後方)から腰部を切開して腰椎の骨の一部(椎弓)を最小限に削り、さらに分厚くなった靭帯を除去することで神経周囲の圧迫を取り除く手術方法です。
   
■ 腰部脊柱管狭窄症に対して行う場合
  下の図は腰椎後方アプローチによる椎弓切除術(開窓術)の手術手順を示しています。
1. 腰部脊柱管狭窄症で椎間板と分厚くなった黄色靭帯でで神経が圧迫された状態
2. 手術で椎弓を一部削った。関節のでっぱりと靭帯の残りでまだ圧迫がある状態
3. これらを取り除き、神経が膨らみ楽になった状態
 
   ■ 症例の提示
   この手術症例について紹介します。症例は70歳代の女性で半年前から歩くと両方のお尻から足にかけて痛みが出るために、続けて10分以上歩くことができません。座って休むと症状がとれます。左足の太もものあたりが最も痛みがでます。寝ていると何ともないけど、思うように歩けないために不自由です。マッサージや飲み薬や注射は効果がありません。手術をしてよくなるなら受けたいとの希望で受診しました。
 下の図に手術前に神経の圧迫を調べた脊髄造影検査(レントゲン写真・CT検査)とMRI検査の結果を、その下に手術後にCTで後方除圧術後の状態を示しています。
 
   ■ 手術の効果と手術後の経過
    手術の翌日にはドレーン・チューブを除去して身軽になります。2日目はベッドの上で休んで過ごしました。通常のリハビリでは3日目からはコルセットをつけて歩いてトイレに行く練習を始めます。1週間以内に歩けるようになることが目標でリハビリをします。歩いてみると手術前にあったお尻から足の痛みがとれていることに気がつきます。2週間で抜糸をします。以後は自信がついたらいつでも退院可能です。この患者さんも順調に経過しました。