イソップは紀元前6世紀ころ、ギリシャに実在した人物といわれ
ています。
正論を唱えることを許されなかった時代の中で、人間の知恵、
生きぬくすべを動物達にたとえてイソップは主張してきました。
日本に伝わったのは、キリシタン弾圧の世の時代、天草に伝
わった天草版「伊曽保物語」というものが最初になります。

子どものころ、何気なく手にしてながめていたイソップ物語を通
して優しさ、勇気、そしてたくさんの知恵を学んだものです。
今ではグリムやアンデルセンの人気におされて、1〜2冊だけ
申し訳なさそうに書店に並べられているだけです。

イソップ物語の中には、優しさの中にきびしさが秘められています。
怠けたら怠けただけの自分の現実の姿。いじわるしたら、その
ぶんやりかえされるしうち。一見残酷にも思えますが、あたりまえ
のことを書き記しています。
そして何よりも、試練にぶつかったときに、知恵と勇気をもって
向き合うことのたいせつさをイソップは伝えているのです。

人は生きていく上で、努力だけではどうにもならない場面が必ず
あります。どんなにがんばっても、むくわれないときがあるのです。
そんなとき、自分のおかれている境遇をなげいてみてもけっして
前へは進めません。

「きつねとぶどう」の話と同じです。
すこし知恵をしぼって、別の視点から、いま自分が置かれている状況
を見つめ直す。そんな気持ちのゆとり、心のゆらぎの部分が、大変な
ときこそ、つらいときこそ人には大切なことなのです。

イソップ療法は私の言葉です。
傷ついたとき、つらいときに解決への糸口になるささやかなヒントが
隠されていることと思います。
          
           2002.12 .1       By  Uchida  Profile
        
   応援・協力:By  Takamina (15years old )  Profile
                      

 きつねとぶどうの話          北かぜとお日さまの話
 こなやとろばの話            よくばりいぬの話
 王さまになりそこなったからすの話   けんかしたうしの話
 ほんとうの知恵くらべ(written by Uchida)


追伸:「ことばは生きています。今、息しているのです」
     

Aesop

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ーイソップ療法ー