とっても仲良しのうしが5ひきいました。
5ひきのうしはいつも一緒に遊んでいました。
「あのうしたちをぜんぶ食べたいなあ」
とライオンは遠くからいつも思っていました。
森の奥から目をひからせてうしたちのようすをうかがっていました。
でも仲良しのうしたちはどんなときでも一緒です。
「5ひきの中にとびこめば、こっちがやられてしまう。
どうしたらいいだろうか。」
ライオンは毎日一生懸命に考えました。
ある日、一ぴきのあぶに出会いました。
「ライオンさん、あなたはなぜそんなにしょんぼりしているのですか?」
「あのうしたちを食べたいのだが、5ひき一緒では食べられないんだ」
「なんだ、そんなことですか。
それなら5ひきをけんかさせればいいのです」
そういってあぶはうしたちのほうへ飛んでいきました。
1ぴきずつ、うしたちにそっと近づいて告げ口しました。
「ほかのうしたちが君のこと、ばかだね、っていってるよ」
こういってあぶは5ひきのうしたちみんなに告げ口してまわりました。
うしたちはみんなおこりはじめました。
「おまえたち、おれのことばかだといったな!」
「おまえこそ、いったじぁないか」
今まであんなに仲良く遊んでいたうしたちは、あっというまにけんかを
し始め、分かれて別々になってしまいました。
ライオンは大喜びです。
「しめしめやっと食べられるぞ」
そして別々になったうしたちを1ぴきずつみんな食べてしまいました。
「ばかなうしたちだ。一緒に仲良く暮らしていたら
ライオンになんか食べられないですんだのに、、、」
あぶはそうつぶやき、どこかへまた飛んでいってしまいました。
おわり